カナダの首都、オタワには観光のみどころが色々ありますが、実は意外にもみどころのハイライトはカナダの国会議事堂 (Parliament Hill) でした。特に夏の間は、朝早くから夜遅くまで議事堂で様々なイベントが行われていて、議事堂のある Parliament Hill 周辺と合わせて丸一日観光ができるスポットになっています。
朝は華やかな衛兵交代式のセレモニーがあり、そのあと議事堂の建物の内部見学、そしてオタワで一番高い展望台からの景色を楽しめます。さらに、夜は、議事堂をバックに音と光のイルミネーションショーが行われ、本当に美しいよくできたショーになっています。訪れる人々を魅了しようとがんばっているカナダ政府の様子が伺えます。
議事堂のサウンド&ライト・イルミネーションショー
オタワに到着した当日、さっそく夜の議事堂へやってきました。Sound and light show on Parliament Hillというイルミネーションショーを見るためです。カナダの歴史やカナダにまつわるエピソードを織り交ぜ、期待以上によく作りこまれた美しいショーで感動しました。7月ということで夜10時からの開始でしたが、時期により開始時間が違うので確認してから出発しましょう。
英語と並びフランス語も公用語となっているカナダ。このショーのナレーションも両言語で行われます。ということで、フランス語が聞き取れないと途中少し混乱しますが、これもカナダらしさの一つですね。トロント、オンタリオ州ではほぼ英語、そしてモントリオールやケベックシティーのケベック州ではほぼフランス語、その中間ということで1857年にイギリスのビクトリア女王により首都として選ばれたのも納得できる気がします。
このショーは、1984年からはじまったそうです。今年から新しいバージョン Northern Lights がはじまり、今後5年間はこのショーが行われるそうです。
議事堂の正面に灯るCentennial Flame。建国100周年を記念してつくられたそうです。
イルミネーションショーはこんな美しい様子です。
衛兵交替式
議事堂のあるParliament Hillで、6月下旬から8月下旬の夏の間、毎日朝10時から行われるのがChanging of the Guardです。人気イベントなので、少し早目に到着し、見やすい位置を確保しておくのがおすすめです。
最後は道路の方へと行進が続いていきます。今まで色々なところで衛兵交代式を見てきましたが、このオタワのは、観客も意識しているのか、楽しめる内容になっていておすすめだと思います。
衛兵交代式の様子はこちら。観光客にも人気です。
国会議事堂内部見学ツアー
国会議事堂内部見学ツアーに参加するためには、まず議事堂の正面、道をはさんで向かいにあるCapital Information Kioskを訪れ、チケットを手に入れます。ツアーは無料で、英語とフランス語から選ぶことができます。
オタワがカナダ植民地の中心に選ばれた19世紀中頃に建てられた議事堂は、1916年に火事で燃えてしまったそうです。こちらの美しいネオゴシック建築の議事堂は、1922年に再建されたもので、とてもイギリスらしい建物です。
ツアーは開始5分前に集合し、グループで議事堂内部へ向かいます。カナダの議事堂と言えば、昨年の秋に起こった銃撃事件が記憶に新しいですが、そのせいでしょうか、現在では、議事堂の建物に入るには空港並のセキュリティーチェックを通る必要があり、小さな手荷物のみ持ち込み可能となっています。
議事堂の中の図書館がとてもゴージャスで美しいです。
国会のお部屋です。このご時世ですが、カナダでは、国民の数が増えたので、それに比例して議員さんの数を、増やすんだそうです。その有効性は別にして、なにかのどかさを感じました。コモディティー価格の下落に伴い、カナダの経済はあまり調子は良くはないようですが、議員の数を増やしたり、公共工事を増やしたりというのは国の支出を増やすことによる経済政策なのかもしれません。現在、カナダの議員達は長期の選挙活動中のようです。
カナダの全州の名前が掲げられたお部屋は、同時通訳をいれながら会議ができるお部屋です。カナダはフランス語と英語のバイリンガルの方針をとっている国ですが、さすがに全員が全員バイリンガルになるのは難しいようで、得意の方の言語を使い、あとは同時通訳が入ってくれるそうです。
オタワの街はとても綺麗な街で、道のあちらこちらにアートのオブジェがあります。国会議事堂の前にもこんなアートが。
入り口の中央にいるかわいいビーバーは、カナダの象徴の動物です。当時、ビーバーの毛皮はとても貴重なものだたったようで、北米、特にカナダの探検、植民地化の大きな原動力の一つだったようです。
ピースタワー展望台
国会議事堂の内部ツアーの最後は、ピースタワーの展望台へ行くことができます。ここからは各々自由行動になります。ふつうどこの街でも展望台は入場料をとることが多いですが、このオタワの展望台は無料です。議事堂の内部ツアー終了と同時に、エレベーターに乗って、ピースタワーの上にいきます。エレベーターで上昇する時に、このタワーにある、53個ものたくさんのベル(カリヨン)をみることができます。
オタワの大聖堂 Notre-Dame Cathedral Basilica も眼下に見られます。
リドー運河の繋がっているオタワ川。
ステンドグラスの窓がとても美しいお部屋は、戦没者追悼のお部屋です。
天使たちが祈りをささげているのは、戦争で亡くなられた人たちの名簿。
意外と知らないカナダの歴史に興味がある方はこちらをどうぞ。
アメリカとの対比で印象的なのは、アメリカはイギリスに反旗を翻す反逆児だったのに対し、カナダは親英派、そんな背景からかより保守的、穏やかで、ヨーロッパ的、そして人柄、行儀の良さなどが現在のカナダにも引き継がれているのかもしれません。
アメリカから近い街、トロントは、かなりアメリカ的でアメリカ国内とあまり変わりばえがしない気がしますが、オタワまで来るとかなりカナダらしさが感じられるようになります。
オタワの観光のお話はまだまだ続きます。