ニューヨークでは、毎年夏休みが明け、9月初旬になると思い出されるのが、世界を震撼させた2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件です。今年は、事件から20周年目となる節目の年となり、例年以上にあらゆるところで追悼イベントが行われる予定で、911追悼記念式典も、旧ワールドトレードセンター跡の911メモリアルプラザにて開催されます。日没の午後7時過ぎからは、かつてのワールドトレードセンタービルのツインタワーを模して、2本の青い光線、トリビュートインライト (Tribute in Light) が夜空を照らし、幻想的な雰囲気に包まれます。911メモリアルプラザは、911追悼式典終了後、午後3時から一般開放され、明日は、特別に深夜までオープンしています。
現在のワールドトレードセンターのシンボルとなっているのが、ニューヨークで最も高く、新ワールドトレードセンターのシンボルとなっている高層ビル、ワンワールドトレードセンター と、斬新なデザインの建築 オキュラス (Oculus) です。
ツインタワーのあったワールドトレードセンター周辺には、すっかり新しいビルが立ち並んでいます。
過去の悲しい記憶もあり、しばらくは少し近寄り難い雰囲気を醸し出していた、ワールドトレードセンターでしたが、今では雰囲気一転、カラフルなウォールアートも登場し、人々のための明るい憩いの広場となってきています。
そんなワールドトレードセンターの真ん中に位置するのが、ツインタワー跡を形どった、ノースプール、サウスプールと呼ばれる、二つの巨大な人工池、911メモリアルです。911メモリアルは、9月11日には、献花のお花でいっぱいになります。
911メモリアルには、この時期、遺族や関係者、事件を偲ぶ人たちがたくさんやって来ます。
911事件は、アメリカ中を震撼させた歴史的な大事件と言うことで、現在でも、911メモリアルは注目の場所となっており、9月11日前後は特にメディアの姿もよく見かけるようになります。昨年は、パンデミックの真っ只中と言うことで、一時、式典の中止が発表されましたが、続行を望む声が高まり、規模を縮小しながらも式典は継続されました。バイデン大統領は、ニューヨークの911メモリアルをはじめ、ハイジャックされた飛行機が墜落したペンシルバニア州 Shanksville、ワシントンDCのペンタゴンの三ヵ所を訪問する予定となっています。今年は、事件から20年目となる節目の年ということで、911事件に関する様々なドキュメンタリー作品も公開されます。
メモリアルプラザにある 911メモリアルミュージアムは、犠牲者を慰霊するメモリアルの一部であるとともに、アメリカ、特にニューヨークにとって、この21世紀の歴史と未来の方向性に大きな影響を与えた、911の大事件について、人々に伝えていく重要な役割を担っているミュージアムです。旅行者も含め、日々多くの人々が訪れています。
911メモリアルミュージアムは、9月11日は、関係者のみの入場となり、一般向けには閉館となります。
近くには、救援活動を行った人々や犠牲者の家族など関係者のパーソナルストーリーに触れることができる911トリビュートミュージアムもあります。
911メモリアルの南側にある消防所の建物の壁には、911事件の様子が描かれた、FDNY Memorial Wall などの記念碑があります。また、911事件で破壊されてしまった、ギリシア正教の教会、St. Nicholas Church は、現在、再建中で、来年の完成予定ですが、前日の9月10日には、一足早く追悼のライトアップを予定しています。
911メモリアルプラザの南側には、見晴らしのいい公園、リバティパークも誕生しています。
メモリアルデーの9月11日は、こんな様子です。
ニューヨーク、ワールドトレードセンターの911メモリアルの他、犠牲者が住んでいた、ニューヨーク周辺の街、ジャージーシティのリバティステートパークをはじめ、他にも様々な911メモリアルが建てられています。
リバティステートパークでもセレモニーが開催され、多くの人が集まります。