ニューヨークでは、毎年この時期になると思いだされるのが、今から17年前、2001年9月11日に起こった悲惨な航空機テロ事件です。ニューヨークには、そんな事件の詳細とその背景、当時関わった人々の活躍の功績と平和への願いを伝えるミュージアムがあります。いくつかある911関連のミュージアムのうちの一つが、ロウアーマンハッタンの911メモリアルから少し南に行った場所にある911トリビュートミュージアム (911Tribute Museum) です。
911トリビュートミュージアムは、昨年の春までは、911メモリアルに隣接した場所にありましたが、現在は、グリニッチストリート (Greenwich St) を南に数分歩いた場所に移動しています。館内は2フロアで、以前の3倍程の広さの展示スペースのある2階へと進みます。
展示は、ニューヨークシティの歴史からはじまります。
最初の頃のNYCの中心は、ロウアーマンハッタンでした。ヨーロッパの国々の世界進出に伴い、多くの船の行き来する、北米における大きな港の一つだったのです。
その後、アメリカ独立後は、ニューヨークは、多くのヨーロッパからやって来る移民たちが、アメリカでの第一歩となる玄関港となり、ニューヨークは都市として大きく成長を遂げます。
そんなアメリカの象徴とも言うべき歴史的な場所、ニューヨークのロウアーマンハッタンに事件が起こったのが、まだ記憶にも新しい 2001年9月11日のことです。かつて世界一の高さを誇ったこともあるニューヨークの象徴の一つだったワールドトレードセンターのツインタワーに乗客を乗せた航空機が2機も立て続けに突撃するという前代未聞の事件が起こったのです。こちらは崩壊時のビル倒壊時の様子ですが、かなり衝撃的でした。
旧ワールドトレードセンターの事件後に残された、鉄骨の一部が展示されています。
映像でも当時のリアルな緊迫した状況が伝えられています。
そして、そんな事件で救助に関わった人々の様子も詳しく紹介されています。
救助中に犠牲になった英雄たちも数多くいました。
あれから17年たったニューヨークでは、ワールドトレードセンターの復興も着々と進展し、見違える発展を遂げました。そんな現在の新ワールドトレードセンターコンプレックスの模型も展示されています。
展示は、1フロアのみで、展示の解説の他、様々な遺品も展示されています。911トリビュートミュージアムの見学所要時間は、30分から1時間程で全体を見て回ることができます。
天井に飾られているのは千羽鶴。
これは日本から贈られたものです。
広島で2歳の時に被爆し、快方に向かうことを祈り、折り続けたという Sadako Sasaki さんの一羽の鶴も大切に飾られています。
911事件の被災者たちに関わった、様々な人を中心にしたミュージアムです。ミュージアムの見学の他、ガイドツアーもあり、事件関係者のボランティアガイドさんによる生のお話を伺うこともできます。
かつてのワールドトレードセンターのポストカードです。
そして、事件後、数多くの犠牲者を出しながらもニューヨーク復活のために大活躍したニューヨークの消防隊 (NYFD) グッズ。
ニューヨークの消防隊 (NYFD) は、人が多く集まる大都市において、大事な役割を果たすヒーローたちです。ニューヨークには、そんな NYFD の歴史を紹介するミュージアム、New York City Fire Museum もあります。
911トリビュートミュージアム 9/11 Tribute Museum
92 Greenwich St, New York, NY 10006 地図
ワールドトレードセンターコンプレックスの中心にある911メモリアルミュージアムは、とても規模が大きい博物館で、より詳しい事件の詳細が紹介されています。ニューヨークでは、9月11日には、911メモリアルなど各所で様々な追悼イベントが行われます。911メモリアルでは、9月11日に毎年恒例のセレモニーが開催されるため、午後3時まで閉鎖となり、911メモリアルミュージアムは、この日は特別に休館日となります。
9月11日は、911メモリアル周辺には多くの人々が集まり賑わいます。夕方から翌朝にかけては、トリビュートインライトにより夜空が青い2本の光線により照らされます。