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アフリカ人墓地国立記念碑 ニューヨークの隠れナショナルモニュメント アフリカンベリアルグラウンド

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ニューヨークのナショナルモニュメントとしてあまり知られていませんが、ニューヨークのロウアーマンハッタンの FBI などの Federal Building の建ち並ぶエリアの一角に National Park Service のお馴染みのデザインのパンフレットが置かれている場所があります。慌ただしいエリアなので、注意しないと気づかずに通り過ぎてしまうことが多いのですが、こちらはナショナルモニュメントにも指定されている、アフリカ人墓地国立記念碑(アフリカンベリアルグラウンド ナショナルモニュメント African Burial Ground National Monument)です。ニューヨークの代表的なナショナルモニュメントといったら、誰もが知っているであろう、あの 自由の女神 (Statue of Liberty) が思い浮かびますが、このアフリカ人墓地もそれと同じ、国が保護し管理するモニュメントのひとつなんです。

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African Burial Ground National Monument は、ナショナルモニュメントというのだから大昔からあるものなのかと思ったら、意外にもこのアフリカ人墓地のモニュメントができたのは、なんと2007年のことです。この辺りは政府のオフィスが建ち並ぶエリアとなっていますが、1991年にその建設の際、400体ほどの骨が発見されたそうです。

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17世紀-18世紀のアメリカはアフリカから多くの奴隷をつれてきた歴史があります。アメリカ独立戦争が起こるまで、もっとも多く奴隷がいた地域は、サウスカロライナ州の チャールストン でしたが、その次に多かったのはなんとニューヨークだったそうです。アメリカの植民地の街の建設はこのようなアフリカからの人々によって行われました。

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当時のニューヨークの街はダウンタウンのみでこの辺りに街の境界があり、境界の外に埋葬する慣習がありました。この場所は1690年から1794年の間、埋葬地として使われていて、その後、街はどんどん発展し埋め立てられ、建物が建てられ、忘れさられてしまっていたようです。それが、突然 1991年に発見されることとなりました。その後の調査によると 15,000 から 20,000 体と当時の北米の植民地において最も規模の大きい埋葬地だったと考えられているようです。

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この African Burial Ground(アフリカ人埋葬地)のモニュメントは2007年に完成しました。ビジターセンターもあり、2010年からオープンしています。

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なぜこんな場所にアフリカ人墓地ができたのかの背景と歴史についてはこちらをどうぞ。

ガーナが起源とされるSankofaと呼ばれるシンボルがアフリカン・アメリカンの象徴として並んでいます。

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直接モニュメントだけ見ることもできますが、BroadwayとDuane Streetの交差点にAfrican Burial Groundのビジターセンターもありますので、興味がある人は近くを通りかかった時に訪れてみるといいと思います。
ここが当時の街外れだったのかとか、本国とは遠く離れた辺境の土地に街を建設するのは大変な努力が必要だったんだろうなとか、遠い昔に少し思いを馳せることができます。

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アフリカ人墓地ナショナルモニュメント (アフリカ人墓地国立記念碑)
African Burial Ground National Monument
Ted Weiss Federal Building, 290 Broadway, New York, NY 10007 地図

アフリカ人墓地国立記念碑 ニューヨークの隠れナショナルモニュメント アフリカンベリアルグラウンド was last modified: 8月 31st, 2022 by mikissh