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AI がアメリカ大統領に?!Watson For President 2016

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アメリカでは、今年は4年に1度の大統領選の行われる年で、州毎に2大政党のそれぞれの候補者を選ぶ選挙戦イベントがいよいよアイオワ州でスタートしました。共和党のドナルド・トランプ氏、民主党のバーニー・サンダース氏など、政治的見解がちょっと極端な候補者が多く、それぞれの候補者にコアなファンがいるのかもしれませんが、一般的にはちょっと盛り上がりに欠ける戦いが繰り広げられている気がします。そんな中、元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が、そんな状態を憂れいているのか、政党には属さず、独立候補として立候補する可能性を模索しているようですが、ワトソンという風変りな候補者もいるようです。

ちょっと目にとまったのは、この奇想天外でおもしろいマーケティングキャンペーン、Watson 2016 です。これを展開しているのは、独立した組織、Watson 2016 Foundationという形をとっていますが、ワトソンと言えば、IBM ですね。

意図してかAIの代名詞として使っているのかは分かりませんが、ワトソンは、IBM が力を入れて開発している人口知能 (AI) の名前です。
ワトソンという名前は、CEOとしてIBMを大きく育てた Thomas J. Watsonさんにちなんで名づけられたようです。

みんなの注目の集まる大統領選に合わせ、ちょっとシニカルですが、なかなか気の利いたおもしろいAIのキャンペーンです。

ちなみに、Thomas J. Watsonさんは、こんなことを言っていたようで、まさにその通りかもしれませんね。

“All the problems of the world could be settled easily if men were only willing to think.”
– Thomas J. Watson

理想的には、ワトソンはこんな風に動きます。

AIは、抽象的で分かりにくい部分があるかもしれませんが、一体何ができるの?というのを、最もわかりやすい形で見せてくれているのは、ルールの明確なゲームの世界です。人間 vs AI で、ゲーム対決をしたらどうなるか?実は、既にチェスや将棋の世界のプロは、AIに倒されてしまいました。ゲームの世界では、チェスや将棋というのは、割と簡単な部類に入るそうで、最も複雑とされているのは、囲碁です。今年の1月、その複雑な囲碁で、グーグルの AI (AlphaGo) が、囲碁のヨーロッパチャンピオンと対決して、なんとAIが勝利しました。引き続き、3月9-15日には、世界トップレベルの囲碁のプロである韓国のLee Se-dolさんとライブ中継の中、AIと対戦するそうです。

こちらのビデオではAlphaGoについて解説されています。

人口知能 (AI – Aritificial Intelligence) も、人間が教育して育てていきます。人間もAIも教育を受けて育っていくという点では同じなのですが、最終的にAIは、持続性、正確性、安定性などにより、広い分野に渡り、ヒトよりも良いサービスを提供するようになることが期待されています。人間は、覚える量も、働く量も限界があります。疲れてしまうし、感情もあるし、間違いも起こします。その点、AIは無限大に記憶でき、無限に働き続けることができます。
このAI は、グーグル、フェイスブック、アップル、マイクロソフト、そして今回紹介したワトソンのIBMなどの大企業をはじめ、スタートアップなども凌ぎを削って、競っているエリアで、今後、大きく進歩していくことは間違いないと思います。

AIのワトソンが大統領になったらどうなるんでしょう?なかなかそれらしい政策を掲げていて、とても面白いのですが、大統領に立候補する前に、まずは、例えばIBM のCEOなどとして、経験を積ませた方がいいかもしれませんね。上手くいけば、AI の成功を世界に実証し、ワトソンの最高のキャンペーンとなります。

AI がアメリカ大統領に?!Watson For President 2016 was last modified: 10月 1st, 2020 by mikissh