メトロポリタン美術館では、現在、ニューヨークで20世紀に活躍したアメリカ人女性アーティスト、アリス・ニールの特別展、Alice Neel: People Come First が開催されています。友人や家族など身近な人々をはじめポートレート作品でよく知られるアーティストですが、ニューヨークの街角の風景画など、ニューヨークの日常を描いた作品も数多く展示され、ニューヨーカーたちにも人気の特別展となっていました。
ニューヨークの街中には、ニューヨーカーはもちろん、旅行者もかなり増えてきていて、とても賑やかになって来ています。ニューヨークを代表する観光スポットの一つ、メトロポリタン美術館 も来場者が多くなって来ていて、週末に訪れたら行列もできていました。
ニューヨーカーにも人気のメトロポリタン美術館で、現在開催中の目玉の特別展が、3月22日からスタートした、20世紀にニューヨークで活躍した女性アーティスト、アリス・ニールの個展、Alice Neel: People Come First です。
メトロポリタン美術館では、以前から、人気の特別展は、人で溢れかえっていることがありましたが、昨年の再開後から、混雑しそうな人気の特別展のギャラリーは、人数制限を行っています。会場前に列ができているので、そこで並んで順番に入場していきます。
女性アーティストらしい、女の子やお花の可愛い雰囲気の絵も描きますが、
深みのあるポートレート作品も多く描いていたアーティストさんです。
珍しい未完成作品。アリス・ニールは、ペンシルバニア州で1900年に生まれ、キューバ人男性と結婚し、ハバナに住んでいた時代もありますが、1984年に亡くなるまで、最も長く過ごしていた場所が、ニューヨークでした。激動の20世紀は、アートのトレンドも大きく変化し、20世紀中頃には、ニューヨークは、抽象表現主義の一色になりましたが、そんな流行とは一線を画し、人物や風景を描き続けたアーティストです。アリス・ニールの人生は、こちら で詳しく紹介されています。
ニューヨークの風景画も、アリス・ニールの独特のタッチで描かれています。
アリス・ニールは、スパニッシュハーレムとも呼ばれるイーストハーレムに住んでいて、その街並みを描いた作品も多く残しています。
女性のポートレートなど、とても深みのある絵です。
ニューヨークの女性アーティストの個展ということもあり、圧倒的に女性ファンが多い印象でした。
アリス・ニールの作品は、年代によって変化をしていて、優しいタッチのポートレート画を描いていた時代もあります。
母子の絵、3枚とも素敵です。
中には見覚えのある絵があると気づいた人もいるかもしれませんが、そう、真ん中の作品は、ゴッホの作品です。
そして、右の絵が、メアリー・カサット (Mary Cassatt) 作品、そして左の絵が、アリス・ニールの作品です。
大画家たちの影響を受けていることが感じられ、額縁の豪華さでは負けますが、並んでも遜色がない素晴らしい作品です。
お花の静物画もビビッドな黄色が使われているところなど、他のアーティストの影響が感じられます。
ポートレートで有名なアーティストですが、ニューヨークの街角をモチーフにした作品も色々描いています。
こちらなどは、とても見覚えのある、ニューヨークの有名スポット、セントラルパークです。
暗い雰囲気の大恐慌時代の電車の駅の様子など、その当時の様子が伝わってくる感じで、よく描かれています。
デモをする人々の光景など。
最初にこのあたりの作品を見ていたら、女性アーティストさんだと気づかなかったかもしれません。アリス・ニールさんは、雰囲気の違う色々なタイプの作品を描いていている面白いアーティストさんです。メトロポリタン美術館のアリス・ニール展では、そんなあらゆる作風のアリス・ニールの作品が多数集められていて、アリス・ニールの大回顧展となっています。
メトロポリタン美術館の定番おすすめ作品はこちらで紹介しています。ニューヨークを訪れたら是非訪れてみてください。
