ニューヨーカーがNO!?アマゾンのニューヨーク新オフィス計画がキャンセルに

Long Island (10)

世界最大のオンラインリテールのアマゾン (Amazon) は、ニューヨークに第二本社 (HQ2) を建設する予定でしたが、今日、その計画の撤回が発表されました。HQ2の場所は、長期間に渡る選考の末、昨年末、クイーンズのロングアイランドシティがその一つに選ばれましたが、その後、アマゾンへ地方自治体が提供する特別待遇への批判の声も大きく、ニューヨーカーたちの強い反対もありデモなどが繰り返されていました。CEOのスキャンダルのニュースが流れたり、連保政府のシャットダウンの影響でリテールの売上減少の統計が発表されたりする中、今回のアマゾンのNY新オフィス計画のキャンセル発表に至っています。

シアトルをヘッドクオーターとする世界最大のオンラインリテール会社、アマゾンは、長期間に渡り、数多くの地方自治体を巻き込み、第2本社 (HQ2) の建設候補地を探していましたが、昨年末、その第2本社建設地として決定したのが、ニューヨーク、クイーンズのロングアイランドシティと、ワシントンDC近郊のバージニア州北部でした。

アマゾンのニューヨーク新オフィス計画 では、$2.5 billion かけ、2万5千人以上の雇用を生み出す計画となっていましたが、すべてキャンセルとなります。こちらが、アマゾンによる発表です。

ニューヨークでは、アマゾンに対する巨額の税優遇措置、タックスブレークやインセンティブなどが批判され、アンチアマゾンデモなども行われていました。利益が倍になっているにも関わらず、アマゾンほどの大企業が、2年連続で連邦所得税を一銭も払っていないという、ビックリな事実があるのですが、そんな税金制度を熟知した Tax/financial Savvy のアマゾンのことなので、税制上のリスクや、景気の動向を計算した上での判断だと思います。

今日、発表された 政府の統計(PDF) によると、12月のリテールの売上は、連邦政府シャットダウンや不安定だった株式市場の影響もあると思いますが、-1.2% と 2009年以来の大きな減少となっています。そんな市場の動向も、アマゾンの投資規模縮小の原因のひとつかもしれません。

それと、昨年、世界一のお金持ちとなった、アマゾンCEO、ジェフ・ベゾスさんですが、昨年末に発表された離婚により、個人の資産規模が半分になってしまうこと、プライベートに関する色々なニュースが出回っていることなども、精神的に影響を与えているのかもしれません。

市長さんは、こんなツイートをしています。

アマゾンがやって来ると、地域経済に大きなプラスとなることが見込めることから、政治家はもちろん、多くのニューヨーカーも歓迎していましたが、アマゾンへの特別待遇に、断固 NO! という強い声も一部から上がっていました。

こちらは、最近、注目度上昇中の、昨年当選した下院議員の Alexandria Ocasio-Cortez さんのツイートです。

アマゾン第2本社建設のニュースを聞いて、先回りしてロングアイランドシティ (LIC) 周辺の物件を購入した、アマゾンの従業員や不動産投資家、不動産ブローカーたちにとっては、かなり残念なニュースかもしれませんが、ローカルたちにとっては、急激なレント価格の高騰などの心配がなくなるので朗報です。

アマゾン第2本社はバージニア州北部の2万5千人雇用の計画は決定していますが、もうひとつのニューヨークの2万5千人の雇用を予定していた計画が白紙となった代わりに、テネシー州のナッシュビルに小さい5千人規模のオフィスの建設が予定されています。

ナッシュビルは、ちょっとブルックリンみたいなカッコいい雰囲気のお店も増えているヒップなエリアです。若者たちも集まってきている今勢いのある街で、旅先としても年々人気上昇中のこれからの発展が楽しみな街です。

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ニューヨーカーがNO!?アマゾンのニューヨーク新オフィス計画がキャンセルに was last modified: 2月 14th, 2019 by mikissh