Andrew Freedman (3)

ニューヨークで出会った猫屋敷 Andrew Freedman Home

Andrew Freedman (3)

ブロンクス美術館の斜め向かいに、なんだか不思議な「猫屋敷」?!を発見しました。
日本ではよく見かけて、ニューヨークであまり見かけないものというと、猫とカラスが挙げられます。特にマンハッタンでは、道を自由に歩き回っているいわゆるノラ猫ってほとんどみかけないのですが、このブロンクスの美術館周辺の道ではそんなちょっとめずらしいノラ猫を何匹も見かけました。そして、壁いっぱいに描かれたちょっと素敵なグラフィティに魅かれて、大きなお屋敷らしき、敷地のそばにやってきたら、なんだかたくさん猫がいたのです。しかも、そのお屋敷の中を自由に出入りしていて、よくよく見ると、お屋敷の広いお庭には、猫がいっぱい!わぁ、こんなところに「猫屋敷」があったとはビックリです。

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このお屋敷の名前は、「アンドリュー・フリーマン・ハウス (Andrew Freeman House)」といいます。猫たちは自由に出入りをしているけれども、人間の姿は見あたりません。なんだか素敵な建築のお屋敷なのですが、アートのオブジェが飾られているお庭はだれも手入れをしていないようなちょっと荒廃した雰囲気。今回は、中に入る勇気がなかったので、柵越しに様子をうかがってみました。

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お庭には猫たちのためのえさも置かれていて、お庭を自由に駆け回り、好きなときに外へ外出して戻ってくる猫たち。

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お庭にはなかなか本格的なアート作品もある中、木には鳥たちのための小屋なども。

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アンドリュー・フリーマン・ハウスは、アンドリュー・フリーマンさんの遺言により、ちょっと風変りな目的のために1924年に建設がスタートしました。アンドリュー・フリーマンさんとは、現在のメジャーリーグ「サンフランシスコ・ジャイアンツ」が、19世紀後半ニューヨークを本拠地としていた時代に、そのジャイアンツのチームのオーナーだった人です。ビジネスで成功していたようなのですが、残念ながら1907年の恐慌では、ほぼ財産を失ってしまう経験をしたそうです。そんな人生を送ったアンドリュー・フリーマンさんならではの遺言というのが、なんと、「Poorhouse for ex-Rich」をつくること。かつてお金持ちだった人が財産を失ってしまった際に、住む場所を提供するという一風変わった目的を持って建てられたのがこのアンドリュー・フリーマン・ハウス (Andrew Freeman House)なのです。

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1930年代には、1929年の大暴落で財産を失った人達が、実際に住んでいたそうですが、その後、資金もつきて、次第に廃れていったようです。その後、老人ホームを運営する NPO がこの建物を取得し、1993年には、ニューヨークのランドマークにも指定されます。2012年以降は、ギャラリーやイベントスペース、そして宿泊施設などとして利用されているそうです。

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このお屋敷の外壁の壁にはウォールアート、グラフィティが描かれていて、とても目立つ存在になっています。

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犬はよくお散歩中のところをみかけるけれど、猫って、本当に全然みかけないので、ひさしぶりの猫との遭遇です。「猫屋敷」でとても楽しそうに暮していた猫たち。ちなみに、「猫屋敷」は、私が勝手につけた名前です。

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最近では、ニューヨークの街中に猫カフェが何軒かできていて、アメリカの他都市にも広がってきているようです。猫人気が高まってきているのかもしれません。

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地元の学生さんが作ったビデオです。ブロンクスに来たら、ぜひ訪れて欲しい場所として、「アンドリュー・フリーマン・ハウス (Andrew Freeman House)」が紹介されていました。

少し入りずらい雰囲気がありましたが、どうやら WELCOME なようなので、次回、この周辺を訪れたら中に入ってみようかな。

Andrew Freedman Home
1125 Grand Concourse, Bronx, NY 10452 MAP

ニューヨークで出会った猫屋敷 Andrew Freedman Home was last modified: 9月 18th, 2016 by mikissh