アーケードベーカリー Arcade Bakery 今ニューヨークでベストの絶品フレンチベーカリー

一年程前に登場した、ニューヨークのベストベーカリーと言っても過言ではない、とっておきのパン屋さんがあります。その場所は、なんとダウンタウンのトライベッカ。とっておきの美味しいお店がこのエリアにあるって、実はすごくめずらしいこと。初めて訪れたときは、雑然としたお店の並ぶチャーチストリートにある目立たないビルの中ということもあり、実は全然期待せずに入っていったのですが、あまりの美味しさにすぐさま大ファンになってしまいました。こちらのお店は、Arcade Bakery (アーケード・ベーカリー)。
とてもユニークなお店で、外にはちょっとした看板があるだけで、お店はオフィスビルの1階の奥のホールにあるため、お店へはビルの入り口から入って行きます。入った瞬間から、美味しそうなできたてベイカリーの香りがふわぁっと香ってきます。それもそのはず、お店の横にはオープンキッチンがあり、次々とパンを焼きあげ、できたてのパンを食べさせてくれるお店なのです。

このお店を始めたのは、Roger Guralさん、もともとはテレビプロダクションの人で、パン作りは趣味のひとつに過ぎませんでした。ところが、French Culinary Institute (現在の International Culinary Center) へ通い始め、パン作りの勉強を本格的に始めます。詳しくはこちらの記事にもありますが、卒業と同時にブーレーベーカリー (Bouley Bakery)で働き、その後、エイミーズブレッド (Amy’s Bread)、さらにフランスへも修行に行き、その後、ブルックリン・ダンボのアーモンダインベーカリー (Almondine Bakery)などでも働いていたそうです。
その後のキャリアも素晴らしく、全米ナンバーワンレストランとも言われるカリフォルニア、ナパにあるフレンチランドリー (French Loundry)やブションベイカリー (Bouchon Bakery)、ニューヨークでも有名なパーセ (Per se)などのミシュラン三ツ星レストランを手掛ける、全米で最も有名なセレブシェフの一人、トーマス・ケラーさん (Thomas Keller)の下、ベーカリーの長を務めていたという、とても経験のあるパンづくりの職人さんなんです。

フランスのようにオーブンから出したばかりの焼きたてのパンを出してくれるお店がニューヨークにはないので、自分でお店を始めることにしたそうです。Arcade Bakeryは焼きたてのパンを提供することをモットーとしているため、ウィンドウには、びっくりするくらい少しのパンしか並んでいません。本当に少量づつまめに焼くようにしているようです。

Arcade Bakeryは、ビルの1階の廊下のホールに作られたお店ですが、実はこういう形のお店は、ニューヨークでは見かけないとても変わったつくりなのです。でも、日本人にとってはなんとなく、ノスタルジックな印象を受けませんか？このアーケードをイメージしたお店のアイデアは、実は日本からの影響も受けているそうです。通りに面した場所にお店の入り口を構えるのが普通のスタイルですが、それだとやはりレントが高いです。今まで全く見向きもされていなかったデッドスペースを有効利用してお店にすれば、レントもぐっと下がります。そこで、ATMがあった棚をお店のカウンターにし、その隣の空きスペースをオープンキッチンにしたそうです。そして、廊下の壁際にテーブルと席を作りました。

待望のフランスパンですが、これが、めちゃめちゃ美味しいフレンチバゲットです♡　最初に訪れた時は、このお店が雑誌か何かに取り上げられた直後だったようで、このバゲットが早い時間帯から売れ切れになってしまっていたんです。Rogerさんが申し訳なさそうに説明してくれましたが、その時は特別だったようで、普段は普通に買えます。ほっかほっかのできたてをキッチンから持ってきてくれるので、もうそのバゲットを受け取った瞬間からいい香りにやられ、すぐにでも食べちゃいたい衝動にかられます（笑）ニューヨークには星の数ほどベーカリーがありますが、バゲットを買う店は数軒に限られています。このお店も当然お気に入りのリスト入り、いきなりトップです。

たった今焼きあがったばかりのできたてホクホクのチョコレートアーモンドクロワッサン！

いつも目移りしてしまうくらい何を買おうか迷ってしまいます。お店に訪れると、壁際の席で必ず誰かは食べている気になる人気の一品があります。フレンチベーカリーにしてはちょっとめずらしいのですが、実はピザなんです。試そう、試そうと思っているんですが、まだ試してなくて、今度ここでゆっくりピザランチをしたいな、と思ってます♪