オンタリオ美術館 トロント カナダ有数の美術館の見どころと回り方 カナディアンアートに触れる Art Gallery of Ontario

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カナダのトロント観光では、ダウンタウンにあるカナダ有数の美術館である オンタリオ美術館(アートギャラリー オブ オンタリオ Art Gallery of Ontario)も訪れました。Art Gallery of Ontario 通称 AGO は、カナディアンアートに関して、とても充実したコレクションを誇る美術館です。館内にはカナダの著名なアーティストたちの作品のコレクションがたくさん並び、カナダのアートにあまり詳しくない人でも、一気にカナダのアートとは?のポイントをつかむことができる、楽しめるおすすめのミュージアムです。

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オンタリオ美術館 (Art Gallery of Ontario) の行き方と入場料

AGO Map 1

オンタリオ美術館へは、地下鉄がおすすめです。
Yonge-University Spadina Line の「St. Patrick」の地下鉄駅から徒歩5分です。

オンタリオ美術館 Art Gallery of Ontario (AGO)
317 Dundas St W, Toronto, ON M5T 1G4, Canada MAP

開館時間
月 定休日
火・木 10:30 AM – 5:00 PM
水・金 10:30 AM – 9:00 PM
土・日 10:30 AM – 5:30 PM

オンタリオ美術館の入場料
大人     CAN$19.50
子供 (6 – 17) CAN$11.00
シニア (65+) CAN$16.00
5歳以下  無料
  
水曜日の夕方6時からは無料入場となっています。

オンタリオ美術館 (Art Gallery of Ontario)とは

AGO は、1900年に設立されたとても歴史のあるミュージアムです。2008年には、トロント出身で、アメリカで活躍中の曲線の美しいデザインで知られる著名な建築家、フランク・ゲーリー (Frank Gehry) のデザインにより、建物が拡張され、とてもモダンな明るい雰囲気となっています。中央にある階段もとてもアーティスティックで美しい感動的な建築です。

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オンタリオ美術館には、ヨーロッパやアフリカなど世界各地のアートがコレクションされ展示されていますが、やはり何といってもこの美術館の目玉は、2階のカナディアンアートのセクションです。アメリカ同様、ヨーロッパの植民地としてスタートした国、カナダということで、ヨーロッパアートの影響の強い時代からはじまり、次第に、アメリカとも異なるカナダ独自のアートが生まれてきた過程が分かります。

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カナダのアートの大きな特徴となっているのが、美しい大自然と先住民文化です。海や湖の水辺の青、山の木々の緑、紅葉の赤、白い雪、そしてそこに生きる野生動物など大自然をテーマにした作品がとてもたくさん登場します。

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トム・トムソンとアーティスト7人組 (Group of Seven)

カナダのアートの最大の見どころであり、カナディアンアートセクションで大々的に取り上げられているのは、カナダ独自のアートを生み出したと言われるオンタリオ州で活躍したトム・トムソンとアーティスト7人組 (Group of Seven) のコレクションです。カナダらしい大自然を印象派やモダニスト派的に、それぞれのアーティストが固有のスタイルで描いています。

Tom Thomson

とても落ち着いた静かな湖畔の様子が伝わってくる独特な世界観の絵です。アルゴンキン州立公園をはじめ、オンタリオ州の自然を愛したアーティストです。

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優しい色使いで秋の紅葉が描かれています。

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トム・トムソン (Tom Thomson) は、カナダを代表する有名なアーティストの一人です。のちに、カナダの有名なアーティスト7人衆 (Group of Seven) を結成するメンバーたちとも親交があり、一緒に旅行に行き、絵を描いたりもしていて、影響を与えた存在だったそうです。ただし、トム・トムソン (Tom Thomson)は、7人のグループ結成以前に、アルゴンキン公園のカヌーレイクで不慮の死を遂げたそうで、その死因はミステリーとなっています。

Lawren S. Harris

部屋へ入った瞬間、オキーフ (Georgia O’Keeffe) の作品を思い出させるこちらの作品群は、Lawren S. Harris さんによるものです。Lawren S. Harris さんは、グループ・オブ・セブン (Group of Seven) 設立の中心人物の一人でした。裕福だったようで、仲間の旅行資金も提供し、ジョージアンベイやアルゴンキン公園など自然の美しい場所を旅し、絵を描いていたようです。

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雪山 (Mountain in Snow)。オキーフがカナダの景色を描くとこんな感じになるのではないか、というオキーフの強い影響を感じさせる作品です。Lawren S. Harris さんは、アメリカに住んでいたことがあり、ニューメキシコ州に住んでいたこともあるようなので、オキーフとも親交があったのかもしれません。

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ローレン・ハリス (Lawren S. Harris) は、最近、アメリカでも特別展が開かれたりと、注目を集めているカナダを代表するアーティストです。2016年には、オークションで、カナダのアート作品として最高値がついたそうです。

J.E.H. MacDonald

カナディアンロッキーの美しい自然を思い起こさせる、綺麗な色使いの作品 “Lake O’Hara, 1930″。

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Lawren S. Harris と共に、グループ・オブ・セブン (Group of Seven) を設立したアーティストです。

Franklin Carmichael

他のアーティストと比べると、はっきりくっきり明るい色使いのコミカルな雰囲気を取り入れて描かれた風景画が特徴です。
こちらは “秋のノースランド Autumn in the Northland”。

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キラキラ光る湖の湖畔に今伸びようとしている木々を描いた “クランベリーレイク Cranberry Lake”。とてもカナダらしい景観です。

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F.H. Varley

カナダのアーティスト7人衆は、本当にカナダの大自然を愛していたのが本当によく伝わってきます。

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大自然の作品いっぱいの中珍しい人物像 “Study of Joan”。

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A.Y. Jackson

カナディアンロッキーのジャスパー国立公園を描いた作品。こちらの記事でも紹介しましたが、今年は、カナダ建国150周年で、全ての国立公園が無料で開放されています。数ある公園の中でも、カナディアンロッキーの美しさは格別です。

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Arthur Lismer

川を利用した木材加工の様子がイキイキと伝わってくる作品。”Logging in Nova Scotia”。

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Frank Johnston

オンタリオ州は数多くの湖がありますが、こちらは、Hubert Lake の美しい紅葉が描かれています。

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Frank Johnston さんは、州外に引っ越したため、グループ・オブ・セブン (Group of Seven) を脱退することとなったようです。

A. J. Casson

その後、新たにグループ・オブ・セブン (Group of Seven) に加わったのが、A. J. Casson です。
かわいいカラフルな屋根いっぱいの絵 “Rooftops” は、まるで絵本の中の物語の世界。

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独特な丸みを帯びた優しい描写がアーティストの人柄を表しているようです。 “ICE Hummocks”

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グループ・オブ・セブン (Group of Seven) はトロントのアーティストのグループで、一緒に集まり、アートについて議論したり、自然の美しい場所へ旅をして、絵を描いたりといった活動をしていました。才能を認め合った同好の人々が集まり、お互い影響を与えながらもそれぞれの個性が生かされた作品が生み出され、AGO では、そのような作品がたくさん展示されています。アメリカで言うとハドソンリバー派のようなムーブメントの印象ですが、グループの活躍した時代背景からポスト印象派、モダニズムの影響を受け、カナダらしい美しい自然の景観を描いています。
こちらのビデオで、カナダの有名なアーティスト、グループ・オブ・セブン (Group of Seven) の7人衆について詳しく紹介されています。

Tom Thomson と Group of Seven らオンタリオ州で活躍したアーティストをはじめ、カナディアンアートに特化したトロント郊外にあるこちらの美術館もおすすめです。

マックマイケルカナディアンアートコレクション 自然豊かなトロント郊外の隠れ家美術館

Emily Carr

エミリー・カー (Emily Carr) さんは、グループ・オブ・セブン (Group of Seven) が活動の中心だったオンタリオ州から遠く離れた、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州で活動し、トーテムポールなど先住民の文化をモチーフとした作品を多く描いたアーティストです。
Group of Seven と親交があり、グループの一員のように認められていたこともあり、一緒に紹介されることが多いようです。

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多様なカナディアンアート

AGO では、その他、カナダの植民地時代、独立初期のイギリスの影響の強い絵画から現在進行形のカナダらしい個性的なコンテンポラリーアートまで様々なカナディアンアートが紹介されています。

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Paul Peel の “The Young Gleaner or The Butterflies”。優しいタッチの柔らかい雰囲気の作品です。

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カナダらしいのどかな光景。緑の色がとても鮮やかだった夏のプリンスエドワード島を思い出してしまいます。

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色使いと動物のモチーフが特徴的な先住民アーティスト、Norval Morrisseau さんの作品。

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ギャラリーには、狼も登場。カナダでは、パブリックアートでもよく見かけます。

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Christi Belcourt さんの “The Wisdom of the Universe”。細部までとても細かく描かれている素晴らしい作品です。

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Rita Letendre: Fire & Light

2階の一部のギャラリーでは、伸びやかな直線が印象的な Rita Letendreさんのアブストラクトアート作品の特別展が行われています。

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ヘンリー・ムーア

同じく2階には、日本でも有名なイギリス人彫刻家、ヘンリー・ムーアの作品が数多く並ぶギャラリーもあります。

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車体に細々と文字の書かれたこんな車も。”Trans Am Apocalypse No. 3″ という作品で、聖書の一部が書かれているようです。

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2階には、こちらの木の曲線が美しい廊下があり、カフェもあります。

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Every. Now. Then: Reframing Nationhood

こちらは、4階で現在行われている特別展、”Every. Now. Then: Reframing Nationhood” です。カナダの起源、現在、そして未来というテーマの下、様々な個性的な作品が展示されています。

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ファーストネーション、先住民を象徴するようなキャラクターがスーツを身にまとったこんな面白い作品もありました。

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ヨーロピアンアート

1階は、ヨーロッパの美術セクションとなっています。宗教画を中心にしたヨーロッパ中世の作品、印象派、ポスト印象派の有名アーティスト達の作品が並んでいます。

印象派

ピカソの青の時代の作品、”La Soupe”。

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イギリスのポスト印象派の画家、Augustus John の作品。

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モジリアーニ。

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ピサロの “Pont Boieldieu in Rouen, Rainy Weather”。

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ヨーロッパ古典アート

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バロック絵画の巨匠ルーベンス(Peter Paul Rubens)の作品、”The Massacre of the Innocents”。

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ロダンの “Adam”。

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オンタリオ美術館のギフトショップはカナダのローカルのセンスのいい商品がセレクトされたおすすめのお土産スポットです。

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オンタリオ美術館見学の所要時間は、一通り見て回るには2時間程、ゆっくりと見て回る場合は半日程みておくといいと思います。

2018年3月3日から5月28日まで、世界的な人気を誇る草間彌生さんの特別展、”YAYOI KUSAMA: INFINITY MIRRORS” が開催されています。
昨年、ニューヨークのギャラリーで開催された特別展も大人気となっていました。

ニューヨークでも連日大行列!世界で人気沸騰中の草間彌生 チェルシーのギャラリーで特別展 Festival of Life 開催中

トロントは見どころがいっぱいあるとても楽しい旅行先です!
まだまだいっぱいあるトロントの人気スポットはこちらを参考にどうぞ。

トロント観光おすすめ人気スポット16選 トロントの魅力とグルメを徹底紹介!

オンタリオ美術館 トロント カナダ有数の美術館の見どころと回り方 カナディアンアートに触れる Art Gallery of Ontario was last modified: 4月 19th, 2018 by mikissh