Ann Taylor や LOFT などニューヨークでもお馴染みのファッションブランドの親会社である Ascena が、経営破綻し、チャプター11を申請、再建を目指すことを発表しました。Ascena は、いくつもの女性向けファッションブランドを所有しているリテールホールディング会社で、全米で、数多くのファッションリテール店舗を展開しています。ここ最近、業績は芳しくありませんでしたが、長期化するコロナの影響により、J. Crew や Brooks Brothers に続く、大手ファッションリテールの破綻となります。
コロナ以前からファッションリテール業界は、厳しい経営環境が続いていましたが、長く経営破綻の可能性がささやかれていた、Ann Taylor、LOFT、Lane Bryant、Justice、Lou & Grey などを展開するファッションリテール会社、NASDAQ に上場している Ascena が、今日、新たにチャプター11を申請し、再建を目指すことを発表しました。詳細は、こちら です。
10億ドルの債務の削減、店舗数の削減などを柱とする再建計画は、既存の債権者の 68% の合意を得ており、1.5億ドルの新規ローンで計画を進めていき、Ann Taylor、LOFT、Lane Bryant、Justice、Lou & Grey など主要ブランドは、継続していく方針だそうです。Monarch Alternative Capital や Bain Capital などプライベートエクイティの面々も、新オーナーとして顔を揃えるようです。
Ascena は、ニュージャージー州の Mahwah を本拠地とする企業で、もともとは、DressBarn というブランドからスタートし、2005年には、Maurices Inc.、2015年には、Ann Taylor や LOFT などを展開する Ann Inc. を買収するなど M&A で、成長して来た女性用ファッションブランドを専門とするリテール企業です。ニューヨークにも、たくさんの Ann Taylor や LOFT のお店があり、ショッピングモールやアウトレットでも定番のお店です。Ascena 全体としては、近年、業績は奮わず、昨年から DressBarn の600以上もの店舗を閉鎖するなどリストラチャリングを進めていました。
Ann Taylor や LOFT などこれらのブランドは、日本には進出していないので、あまり知られていませんが、現在、北米を中心に、2800店舗程あり、4万人程の従業員がいます。 Catherines の全店舗閉鎖、Justice の店舗の大幅削減、カナダ、メキシコ、プエルトリコの全店閉鎖の他、Justice 以外のブランドの店舗数も一定数削減し、1200店舗程にしていく計画とのことです。Ann Taylor、LOFT、Lou & Grey の閉鎖予定の店舗は、こちら です。ニューヨーク周辺は、ほとんどのお店が継続されるようですが、Lou & Grey のフラットアイアンビル近く、138 Fifth Ave. のお店のみ閉鎖となります。
現在では、ほとんどの店舗が営業を再開しているようですが、ブルックスブラザーズ同様、コロナにより、オフィスに行く必要がなくなってしまった人々が増えたことの影響は大きいかもしれません。
今まで続いていた業績の下降トレンドが、コロナによりさらに加速された感じで、リテール業界に大きな影響を与えており、多くの企業が経営破綻、再建中となっています。