ジョージア州のアトランタは、アメリカ南北戦争 (American Civil War) の舞台となったアメリカ南部の中心都市の一つであり、『風と共に去りぬ』の小説や映画の舞台として、またコカコーラの発祥の地として有名な街です。新しくは2004年のアトランタオリンピックが開催された国際的にも知られる都市でもあります。アトランタには、そんなアトランタやアメリカ南部の歴史について知ることができるミュージアム、アトランタ歴史センター (Atlanta History Center) があります。
アトランタ歴史センター (Atlanta History Center) は、アトランタの観光の中心地であるダウンタウンから車で20分程北側に向かった場所にあります。その設立は、1926年ととても歴史のあるミュージアムです。アトランタに関するいくつかのテーマの展示が行われていますが、最も見応えのあるのがアメリカ南北戦争に関するもので、アメリカ内でも特に充実した南北戦争に関するコレクションが展示されています。
19世紀中頃、アメリカ国内では、南部ではプランテーション、北部では商工業が盛んで、南北で大きく経済活動が異なり、プランテーションの基盤となっていた奴隷制度に関して南北で意見が2分されていました。1860年に、アメリカ全土で奴隷制度の廃止をサポートするアブラハム・リンカーンが大統領に選出されたことにより、ジョージア州をはじめ南部の7州は、南部連合としてアメリカから分離を宣言します。
そして、1861年に戦争がはじまり60万人もの命が奪われることとなりました。
鉄砲、ユニフォーム、刀、大砲など当時使用された武器が数多く展示されています。
戦争に関わる武器や主な歴史的なイベントの他、弾薬を作っている様子など、戦争時の人々の暮らしが分かる展示もされています。
当時女性たちが弾薬づくりをしていた様子です。
『風と共に去りぬ』の映画にも登場したような馬車のワゴンなどの展示です。
南北戦争前後の詳細な歴史も一緒に紹介されています。
こちらの映像では、日本人にはあまり馴染みのないアメリカで起こった唯一の内戦、南北戦争とその背景について分かりやすく紹介されています。
南北戦争の展示に続き、興味深い展示がアトランタの歴史について様々な角度から紹介した “GATHEROUND: STORIES OF ATLANTA” です。
子供たちも働かされる当時の労働環境や全米で注目を集めたアトランタで起こった悲しい事件などについて紹介されています。
1906年には、黒人襲撃事件が起こったりと争いの頻発するエリアだったようです。そんな土地柄、後の公民権運動の中心の一つとなりました。
アトランタと言えば、世界的に有名なあのコカコーラの発祥地。アトランタには、コカコーラの博物館、ワールド・オブ・コカ・コーラもあります。
60年続いたと言うアトランタの名物床屋さんも展示されています。
いかにもアメリカ南部らしいお洒落なダイナーの展示なども、思わずメニューをめくって見たくなる面白い目を引く展示でした。ダイナーでは、マーティンルーサーキングジュニアらの公民権運動に関する会合が行われていたそうです。
アトランタ出身のバンド、The B-52’s の衣装なども展示されています。
アトランタと言ったら、『風と共に去りぬ』(Gone with the Wind)。今でも多くのファンたちがアトランタを訪れています。
『風と共に去りぬ』(Gone with the Wind) の作者、マーガレットミッチェルの家がアトランタ歴史センター (Atlanta History Center) から少し離れた、アトランタのダウンタウンにありますが、実はこの家もアトランタ歴史センター (Atlanta History Center) の管轄のミュージアムのひとつです。
Augusta National Golf Clubを設立し、マスターズを創始したジョージア州の誇るゴルフ界の有名人、Bobby Jones とゴルフに関する展示コーナー、Down the Fairway with Bobby Jones もあります。
この他、ジョージア州やアメリカ南部の先住民のフォークアートに関する展示もあります。
ミュージアムのギフトショップもなかなか充実していました。アトランタを訪れたら、是非楽しみたいのがアメリカ南部料理ですが、そんな南部料理に関する本も色々とセレクトされていました。
歴史好きにおすすめミュージアムで、1時間半程で、館内を一通り見学することができます。
アトランタ ヒストリーセンター Atlanta History Center
130 West Paces Ferry Rd NW, Atlanta, GA 30305 地図
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