Bard Graduate Center (1)

アッパーウエストサイドの美しいタウンハウスのギャラリー美術館 Bard Graduate Center Gallery

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ニューヨークには、大小様々なミュージアムがありますが、アップタウンには、タウンハウスがギャラリーとなったような小さな美術館もあります。セントラルパークの西側のアッパーウエストサイドにも、昔ながらのタウンハウスがギャラリーとなっている Bard Graduate Center Gallery というところがあり、Museum Day Live! のミュージアムリストで見かけたので、初めて訪れてみました。ギャラリーの建物の入り口の前にやってきてみると、重厚なお屋敷の入り口のようで、ミュージアムっぽくない、ちょっと敷居の高い雰囲気が漂っていました。ですが、一歩中へ入ってみると、受け付けの方は、にこやかに迎え入れてくれました。

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Bard Graduate Center Gallery は、アートに関する修士、博士課程の教育機関である、Bard Graduate Center の運営するギャラリーです。
ギャラリーは、天井の高いお屋敷のような素敵なタウンハウスにあり、1階から3階まで見学でき、美しい階段がフロア間を結んでいます。

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まるでインドにやって来たかのようなインドミュージアムな雰囲気となっていたのですが、実は現在、インドの、特にインドの北西部とパキスタンに渡るパンジャブ地方のアートをイギリスや世界に広めたイギリス人 John Lockwood Kipling をテーマにした特別展、”Arts & Crafts in the Punjab and London” が開催されています。 John Lockwood Kipling は、イギリス植民地下のインドに居住し、万博など様々なイベントにおいてインドの工芸品を展示したり、インドのアートに関する雑誌を発行したり、またアーティストを育てたりと、インドのアートをプロモーションする様々な活動を行った人だそうで、そんな彼の活動と共に、様々なインドの工芸品や遺品が展示されています。
この John Lockwood Kipling の特別展は、今年前半は、なんとあのロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館 (Victoria & Alberta Museum) で行われていたようで、それが現在は、ニューヨークの Bard Graduate Center Gallery へとやって来ています。

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John Lockwood Kipling は、実はヴィクトリア&アルバート博物館 (Victoria & Alberta Museum (V&M)) とは関係の深い存在で、昔この V&M の博物館で働いていたこともあり、また John Lockwood Kipling のイラスト作品などが V&M の博物館に所蔵されていたりもし、そんな縁で今回の特別展に至ったそうです。
とてもインドらしい異国情緒漂う作品がいっぱいです。

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当時のモスクのデザインなど様々な作品が展示されています。

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John Lockwood Kipling は、イギリス植民地下の中心都市で、著しく発展中だったボンベイ(現在のムンバイ)で、建築やデザイン関連の仕事をしていたそうです。

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合わせて、インド各地の様子をイラストで記録する仕事も行っていたそうです。

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その後、パンジャブ地方に場所を移し、美術教育や万博などへのインド工芸品の出展、ジャーナリストとしても活動していたそうです。

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タージマハールのようなインド風な雰囲気が漂う、豪華なお部屋もあり、

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美しい幾何学模様の工芸品などが並んでいます。

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東洋と西洋の影響の入り混じったガンダーラらしい仏像。

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ヒンズー教とエンジェルなど東洋と西洋の文化が混在するイラストもあります。

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イギリス帝国主義のインド統治による影響は、インドとパキスタンの分離のように様々な形で、現在でも残っていますが、その功罪は別にして、そんな時代の歴史や文化について思いを馳せることができる展示内容です。

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ロビーには、思わず手を取ってしまうおしゃれなアート・デザイン系の専門書がずらり。今回の特別展の本も置いてありました。

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Bard Graduate Center を創設したのは、現在は離婚されていますが、かつて、有名な投資家であるジョージ・ソロス (George Soros) の妻であった Susan Weber さんで、Victoria & Alberta Museum と共同で企画した今回の特別展のキュレーターの一人だそうです。
こちらのビデオでは、Victoria & Alberta Museum での展示の様子が紹介されていて、 Susan Weber さんも登場します。

また、昨年、ディズニーによる映画で話題となったジャングルブックの原作者、Rudyard Kipling さんは、John Lockwood Kipling の息子さんだそうです。1893年から1894年にかけて雑誌に掲載された動物達が登場するイラストのかわいい寓話集で、オリジナルの中には、John Lockwood Kipling の作品も混じっていたようです。作品には、インドでの体験が込められているのだと思います。

Bard Graduate Center Gallery
18 W 86th St, New York, NY 10024 MAP

アッパーウエストサイドの美しいタウンハウスのギャラリー美術館 Bard Graduate Center Gallery was last modified: 10月 4th, 2017 by mikissh