フィラデルフィア旅行で、是非訪れてみたいところというと、世界でも有数の印象派、ポスト印象派の貴重なコレクションを誇る バーンズコレクション (Barnes Collection) です。以前は、フィラデルフィア近郊の豪華なお屋敷の建物がミュージアムになっていましたが、2012年にフィラデルフィアに新しい建物が建設され、バーンズ財団美術館 (Barnes Foundation) とも呼ばれています。フィラデルフィアで必見、バーンズコレクション (Barnes Collection) の見どころと有名作品を紹介します。
バーンズコレクション(バーンズ財団美術館)は、フィラデルフィアの観光パス を利用して訪れることもできます。
バーンズコレクションは、フィラデルフィアのローガンスクエアからフィラデルフィア美術館 (Philadelphia Museum of Art) へと続く、Benjamin Franklin Parkway の途中、ロダン美術館の隣にあります。大通りから見ると、少し近寄り難いかしこまった雰囲気の建物です。
バーンズコレクションは、1922年に Albert C. Barnes さんによりアート教育を目的に設立されたバーンズファウンデーション (The Barnes Foundation) により運営されています。そのアートコレクションと、そのコレクションの配置などは、すべて Albert C. Barnes さんによって決められたものであるというユニークなミュージアムです。
入口へ向かう途中、美しい緑と水に囲まれた小道を歩いていきます。バーンズコレクションの建物は、水と木々の美しい緑が美しく融合した癒しの空間の中から現れます。
さていよいよ中に入ります。中がどうなっているのか、ちょっとワクワクさせられる入り口の作りです。
建物の入口は正面ではなく、受付も入口の正面にはないデザインで、ジグザグに進むおもしろいアプローチです。
館内は、少しフランク・ロイド・ライトの影響を感じさせるデザインとなっています。ニューヨークベースのデザイナー Tod Williams + Billie Tsien によりデザインされました。
地下には、小さなコーヒ屋さんと雰囲気のいいライブラリーがあります。
コートチェックやロッカーがあるのでここで立ち寄り、いよいよギャラリーへ向かいます。広々とした空間にこうしたくつろげるスペースがありいい雰囲気のミュージアムです。
1階に戻り、いよいよミュージアムの館内へと向かいます。
ギャラリーは1階と2階で、これでもかというくらいにぎっしりと名作が並んでいます。ルノアール、セザンヌ、マティス、ピカソ、モジリアーニ、ルソー、ドガらの印象派、ポスト印象派、モダンアートの有名画家の作品が飾られています。世界各国の遺品、ヨーロッパの古典宗教画など様々なジャンルのアートも一緒に展示されています。
バーンズコレクションのルノワールの作品のコレクションは200点近くもあり特に目を見張るものがあります。バーンズコレクションでは、昔、バーンズさん自身が飾っていた並べ方そのままに作品が展示されているので、その独特の飾り方のセンスも見どころです。以前は、館内での写真撮影は禁止になっていましたが、今はOKになっています。
バーンズコレクションの以前の豪邸ミュージアムと比較すると、建物自体のデザインは大きく変わっていますが、ギャラリー自体は以前の雰囲気を残そうという強いこだわりが感じられます。コレクションの総額は、なんと$25 billion もの評価額になるとも言われており、賛否両論あったようですが、財政的な問題から移転することとなったそうです。
ビデオでその雰囲気が伝わってくると思います。
バーンズコレクションにどんな作品のコレクションがあるかは、こちらで代表的な作品がまとめられています。
マティスがアメリカを訪れた際に、バーンズコレクションを訪れ、壁画の製作を請け負い、そんな壁画も飾られています。
バーンズコレクションの雰囲気的には、フィラデルフィアから車で20分程離れたメリオンにあった以前の豪邸の建物の方がマッチしていた気がしますが、フィラデルフィアの中心地に移転したことにより、さらに多くの人が訪れやすくなりました。
バーンズコレクションのこれほどのコレクションをたったひとりで集めた Albert C. Barnes さんって、一体どんな人なのでしょう?
実は、お医者さんであり、化学者だった人で、さらに色々なビジネスアイデアを試したりもしていました。その中で、大きな成功を収めたのが新薬の開発と販売事業で、それにより莫大な富を築いていたそうです。この Albert C. Barnes さんは、幸運の持ち主でもあり、1929年の大暴落前に素晴らしいタイミングで見事に事業を売り抜けています。
そんな Albert C. Barnes さんの趣味は、アートのコレクションで、当時、ミュージアムなどのエスタブリッシュメントにはあまり見向きもされていなかった、最先端アートであるポスト印象派、モダニズムのコレクションを積極的に集めていました。特に価格の下落した大恐慌時にはより多くの作品を買い集めることができたようです。強いビジョンを持った人だったようで、公教育を批判したり、思うがままに自由奔放に行動し、物議を醸すことの多い個性的な人物でした。こちらの記事や、少し長いですが、こちらのドキュメンタリーで詳しく、人柄が紹介されています。
バーンズコレクションの地下にはセンスのいいギフトショップもあります。
Albert C. Barnes さんの趣味からはじまり、次第にのめり込んでいき、情熱を傾けていたアートコレクションは、現在でも引き継がれており、彼の強い意志とビジョンが感じられる展示となっています。
バーンズコレクションは、フィラデルフィアを訪れたらぜひ訪れたい、印象派から近代アートまでの素晴らしい作品がそろったおすすめの美術館です。
バーンズコレクション(バーンズ財団美術館)
Barnes Foundation
2025 Benjamin Franklin Pkwy, Philadelphia, PA 19130 MAP
入場料:
大人 $25
シニア $23
学生 (ID) $5
子供 (13–18歳) $5
子供 (12歳以下) 無料
フィラデルフィアの観光パス も利用できます。
開館時間:11AM-5PM
閉館日:毎週火曜日
開館日時の変更は、こちら でチェック。
フィラデルフィアの見どころはまだまだいっぱいあります。