パリの美しい風景に欠かせないのが、パリの中心を東西に流れるセーヌ川です。そんなセーヌ川の楽しみ方として、川沿いを散歩したり、橋の上から眺めたりと色々ありますが、お天気のいい日に是非おすすめなのが、セーヌ川のクルーズです。パリの名所はセーヌ川周辺に集まっているので、セーヌ川クルーズで、ゆったりととてもパリらしい雰囲気を楽しむことができます。
セーヌ川を眺めていると色々なクルーズが出ている様子が見られますが、今回乗ったクルーズは、エッフェル塔のすぐ側から乗ることができる、バトーパリジャン (Bateaux Parisiens) というセーヌ川観光クルーズです。クルーズ船乗場のそばには、ちょっとしたドリンクや軽食を楽しめるお店もあり賑わった広場にあります。
セーヌ川のクルーズには、ディナークルーズやランチクルーズなどもありますが、今回参加したのは、お食事なしの1時間で回れる、お手軽な観光クルーズです。エッフェル塔付近から出発し、セーヌ川の東の上流方面に向かってクルーズは進んで行きます。川の中州にあるノートルダム大聖堂のあるシテ島や、サンルイ島を半時計周りに回って、元の場所に戻ってくる、所要時間約1時間程の下図の黒い矢印のコースのクルーズです。セーヌ川沿いのパリの名所や街並み、セーヌ川にかかる美しい橋の数々などが楽しめるとても気持ちのいい船旅です。
(Bateaux Parisiens Cruise Map)
バトーパリジャン(Bateaux Parisiens) 地図
Sous Le Ciel de Paris (Under Paris Skies) などパリらしい曲を思い浮かべながらセーヌ川クルーズに出発です!
パリのセーヌ川には、いくつもの美しい橋がかかっており、そんな橋の下を進んで行きます。パリの建物は石造りが多く、レンガ造りの建物を意外とあまり見かけませんが、レンガの橋があったりします。
左手に見えるのが、1900年のパリ万博時に建設されたグラン・パレです。巨大な展示場で、現在では、グランパレ ナショナルギャラリーや科学技術博物館などが入っています。
キラキラ黄金色の美しい橋が見えてきました。
一際目立つ黄金の彫刻があるこの立派な橋は、1900年に完成した、アレクサンドル3世橋 (Pont Alexandre III) です。
向かって右手側がセーヌ川左岸 (Left Bank) にあたり、軍事博物館やナポレオンの墓などのある Les Invalides があり、左手側の右岸 (Right Bank) には、グラン・パレとプチ・パレがあります。
このアレクサンドル3世橋 (Pont Alexandre III) は、ブロードウェイミュージカルの『アナスタシア』にも登場する橋ですが、パリにはこのようにブロードウェイミュージカルに出てくるシーンのスポットがいくつかあります。
ルーブル美術館やオランジェリー美術館のある Tuileries Garden と、オルセー美術館を結ぶ歩道橋が見えてきました。このあたりのミュージアム巡りはパリを訪れたら必須のスポットですね。
パリの橋には、こんな風に鍵スポットがあったりします。見事に鍵がぎっしりとつけられています。
世界一人気の美術館として、名前が挙がった美術館は、実はこちら、オルセー美術館です。ルーブル美術館を超す人気というのはすごいですね。オルセー美術館は、かつて駅だった建物を利用したミュージアムで、とてもカッコいい建築のミュージアムです。印象派の膨大なコレクションを含め、とても見応えのある美術館で、巨大な時計がシンボルとなっています。
セーヌ川を挟んで反対側には、世界最大の美術館と呼ばれる巨大なルーブル美術館があります。川沿いの建物は、Denon Wing と呼ばれ、これだけでも大きいですが、これ以外にも中央に位置する Sully Wing、向かいに位置する Richelieu Wing と3つの建物からなる巨大ミュージアムです。
ルーブル美術館を通り過ぎた後は、パリ発祥の地とされるシテ島がでてきます。お天気のいい日は、岸辺でのんびりとくつろぐ楽しそうな人々の様子も見られます。
そして、次に見えてくる橋が、シテ島の西部にかかる中世の雰囲気漂う素敵な橋、1607年に完成したパリ最古の橋である、ポンヌフ橋 (Pont Neuf) です。
シテ島西部には、巨大な司法関係の施設 パレ・ド・ジュスティス (Palais de justice de Paris) があります。中には、美しいステンドグラスで有名な教会、サント・シャペル (Sainte-Chapelle) などの見どころがあります。
さらに東に進むと、ナポレオン3世の N のロゴが刻まれた橋、シャンジュ橋 (Pont au Change) が登場。19世紀中頃、ナポレオン3世の時代に造られたものです。昔、両替商たちのお店が軒を連ねていたことから、Change 橋というそうです。
シテ島東部にはハイライトとなる、有名なゴシック建築のノートルダム大聖堂 (Notre-Dame de Paris) が出てきます。なんと12世紀から建設がはじまり、1345年に完成したという歴史ある教会です。教会の下には、ローマの古代遺跡 (Crypte archéologique de l’île de la Cité) があり、大昔から街の中心だったことがわかります。ノートルダム大聖堂の塔の上も登ってきましたが素晴らしい景色でした。塔の上から見えた美しいセーヌ川のクルーズに乗って大聖堂を見上げています。
一瞬木製の橋かと思う、まるで木のように見えるキャストアイロンの美しい橋は、ドゥブル橋 (Pont au Double)。どうして、Double橋っていうのかな?と思ったら、昔通行料が2倍かかる橋だったのだそう。ノートルダム大聖堂の右手にある橋です。
ノートルダム大聖堂は正面から見ても大きいですが、横から見ても巨大ですね。大聖堂の横を通り過ぎていきます。
シテ島のお隣は、別の島、サンルイ島があります。こちらの島には、特に有名な名所はありませんが、ヨーロッパらしい街並みが広がり、パリの中心にありながら、のんびりと過ごすことができます。
サンルイ島を越えた所で、クルーズは引き返します。帰りは、セーヌ川の北側を進んで行きます。
パリっ子たちは、本当にピクニックが大好きなようで、川岸でもたくさんの人たちがのんびりと過ごしていました。
シテ島のノートルダム大聖堂から北上し、橋を渡ると、パリ市庁舎の Hôtel de Ville があります。
ルイ16世の王妃であったマリー・アントワネットが捕えられていた牢獄、コンシェルジュリー (Conciergerie) です。
ルーブル美術館の前の橋、Pont des Arts を挟んで対岸にある美しい建物は、Institut de France です。クルーズに乗って景色を見ていて思いましたが、パリの街は本当に美しい景観が保たれています。パリでは、工事中でも外観が醜くならないように、アートなカバーや広告などで上手に隠されていています。地下鉄などでもそうでしたが、パリの人は抜群にセンスがいいのか、それとも厳しい審査でもあるのか、センスのいい広告ばかりに感じました。
オルセー美術館の横にある、これまた豪華な美しい建物は、レジオン・ドヌール勲章博物館 (Palais de la Légion d’Honneur) です。トーマス・ジェファソンが気に入った建物で、この建物を模したヨーロッパアートの美術館、Legion of Honor がサンフランシスコにあります。
コンコルド橋 (Pont de la Concorde) の奥に、ブルボン宮殿 (Palais Bourbon) が見えてきました。現在はフランス国民議会議事堂(下院)として使用されています。橋の反対側には、オベリスクが印象的なコンコルド広場があります。
美しい彫刻の橋は、アンヴァリッド橋 (Pont des Invalides) 。
10月初旬のパリでは、こんな風に所々で、とても美しい紅葉も見られました。
そして、再びエッフェル塔が見えてきました。
エッフェル塔の目の前までやってきたので、もうこれで終わっちゃう、と思ったら、最後にもう少しだけ、出発した場所を少し行き過ぎて、ちょっと違う角度からのエッフェル塔を見て、ゆっくりと引き返してきて終わりになりました。エッフェル塔の麓には、可愛いメリーゴーランドがあります。
パリの美しい風景で必ず出てくる、憧れのパリのセーヌ川のクルーズはとても楽しい体験でした。パリの街の中心部の雰囲気を堪能でき、1時間があっという間の気持ちのいいクルーズでおすすめです。
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パリは写真映えする美しいものがたくさんある街です。楽しいパリの旅を♡