食欲の秋の到来です。暑い夏が終わり、ちょっと涼しくなってきたこの時期、ふと飲みたくなるのが濃厚で味わい深いベルギービール。ムール貝と共に。以前は、ニューヨークでベルギービールというとごく少数のレストランしかありませんでしたが、最近のクラフトビールブームのおかげか驚くほど充実してきました。
例えば、酒屋さんもこんな感じ。ベルギービールはもちろん、アメリカ内外の多くのクラフトビールが所狭しとアートのように美しく並んでいます。
先日、プリンスエドワード島でムール貝を何年分も?っていうくらいたくさん食べたこともあり、今日は、ムール貝なしで、本家ベルギービールではなく、ニューヨーク、クーパースタウンのベルギースタイルのブリューワー Ommegang の銘柄を購入、おうちで夕食です。
今回試してみたのは、ビールファンによるドリームビールコンテストで選ばれたビールのイメージ像を基に、Ommegangが醸造することになったというThree Philosophersです。ベルギーのフルーツビールKriek lambicが少しブレンドされているらしく、フルーティーな酸味が少しありますが、全体としてベルギービールらしい複雑で奥の深い味をだしています。ワインの様に楽しめます。エイジングさせて楽しむのもいいようです。
2003年には、ベルギーの有名なDuvelが経営権を手にいれたことから分かるように、ここは本気のベルギースタイルビールをつくっています。ここだけではありません、最近では、例えばメイン州のAllagashなど、アメリカ内でも多くのベルギースタイルビールが流通するようになりました。
以前、アメリカと言えば、大手Budweiser、Coors、Miller等のライトビールが全盛でしたが、最近は売り上げが毎年ダウンしているようです。
ワインなどその他酒類におされて、ビールの売り上げが年々下がる中、クラフトビールだけは売り上げが20%近く成長しているようです。思えば、昔はアメリカ国内の気のきいたビールと言えば、Samuel Adams、Sierra Nevada Pale Ale、Brooklyn Lagerくらいしかなかったような気がしますが、今はすごい数並んでいます。
最近ニューヨークには、クラフトビールのみを扱う専門店も増えており、クラフトビールをドラフトで、その場で試飲、購入することもできます。さすが商業都市、変わり身が早いですね。グロウラーを持って、店員と話をしながらドラフトビール選び。楽しそうです。
外ではどこで楽しめるの?という人のために、特にクラフトビールが出回る以前に重宝したベルギービールが楽しめる店を何件か紹介しておきます。
一軒目は、ベルギー料理レストラン、Markt です。何軒かあるベルギーレストランの中で、一番ムール貝が美味しかった印象があります。またHoegaarden 、Leffeなど有名な銘柄をドラフトで楽しむことができます。もう一軒が、イーストビレッジのBurp Castleです。聞いたことのないような銘柄も多くあり、それらをドラフトで楽しめます。モンクの恰好をした店員、壁に描かれたアーティスティックな絵、店内がうるさくなってくると、店の人が「シー」と言ってみんなに静かにするように促すという、ちょっと変わった独特の雰囲気のあるパブです。