ニューヨークのセントラルパークに昨秋に姿を見せて以来、ずっとセントラルパークで暮らしていた、バリーという愛称で親しまれていた人気者のアメリカフクロウが、交通事故により亡くなってしまいました。セントラルパークを訪れる度に、バリーに会いに行っていた、バリーに会うためにセントラルパークを訪れていた人も多いくらい、本当にみんなに愛されていた、とても可愛らしいフクロウでした。連日、元気な姿を見せていただけに、突然の悲報に悲しみに暮れています。
今日、突然のセントラルパークの悲報ツイートにより、悲しい気分で過ごしているニューヨーカーも多いと思いますが、昨秋から多くのニューヨーカーと一緒に過ごして来た、アメリカフクロウのバリーが、深夜2時半頃、公園のメインテナンス車と衝突し、交通事故で亡くなってしまいました。
It’s with a heavy heart we share that a barred owl, a beloved Central Park resident, passed away early this morning. pic.twitter.com/AYEV0gXZIr
— Central Park (@CentralParkNYC) August 6, 2021
昨秋10月に登場して以来、ほぼ連日、元気な姿を見せてくれていて、公園で暮らはじめてから、もうすぐ一年を迎えようとしていました。セントラルパークには、時々フクロウが姿を見せますが、通常、数日ほど滞在するだけで、すぐに立ち去っていってしまいます。そんな中、バリーは、珍しく人間を恐れず、好奇心旺盛で、セントラルパークを気に入り、ずっと住み着いていました。とても愛嬌のあるフクロウで、いつも元気いっぱい、餌の豊富なセントラルパークで、のびのびと生活している様子だったので、いつ行っても会える、安心感がありましたが、こんな形で突然いなくなってしまい、本当に悲しいです。
今日夜中2時半頃、餌を探していた、バリーとセントラルパークのメインテナンス車がぶつかって起きた事故のようですが、元気そのものだった野生のフクロウが、車に気づかず簡単にぶつかって死亡するとは思えないので、おそらくそれなりのスピードで走行していた車にぶつかられてしまったのだと思います。セントラルパークがオープンしているのは、早朝6時から深夜1時までで、深夜は、スタッフが整備など様々な作業を行っていて、そのセントラルパークのメインテナンス車による交通事故でした。
アメリカフクロウのバリーが最初にセントラルパークにやってきたころは、まだ、パンデミックの真っ只中で、人も車も少なかったのですが、今では、日中に訪れる人の数はもちろん、おそらく深夜のスタッフの活動も、昨年と比べると圧倒的に増えています。バリーにとって、天敵となるような危険な動物はいなかったので、セントラルパークはいつまでも平和に暮らせる理想の森だったのですが、今となっては、バリーの最大の天敵は、人間の運転する車だったと言えます。
野生動物の交通事故は、人間が活動する範囲で動物たちが生活している以上、避けられない部分はあります。野生動物は、通常、用心深く、危険を察知する能力が高いので、人が接近したり、危険を感じたら、敏速に逃げることができるはずなのですが、車はやはり危険な存在です。今回の交通事故が、まさかのセントラルパークのメインテナンス車による交通事故だということもやるせなさを感じます。
100年に一度のパンデミックという機会に、みんなに癒しを与えてくれて、バードウォッチングの楽しさを教えてくれたのが、セントラルパークのフクロウ、バリーでした。思い出の手記も貼っておきます。
可愛いフクロウ、バリーに出会った頃。小さな子供たちから大人たちまで、バリーを見にみんなセントラルパークに集まってきていました。初めて見つけた野生のフクロウでした。
雪が降り積もる極寒の中でも、暗くなると、元気に狩りに出かけていました。この日は、初めてフクロウが飛ぶ姿を見ることができました。
バリーにお友達のフクロウができ話題になりました。
初春を迎え、「ホッホッホホー、ホッホッホホーォ」って鳴き始めたバリー、ますます人気者に。英語ではこのフクロウの鳴き声を、”Who cooks for you? Who cooks for you-all?” って表現されたりします。
本格的な暖かい春の訪れとともに、ニューヨークの街に人がたくさん戻ってきて、セントラルパークがとても賑やかになりました。その頃、バリーが見せる癒しの可愛いあくび姿に、またまた人気者になっていました。
暖かい春の日、あくびを連発していた可愛らしいバリーの様子です。