真冬日が続いているニューヨークでは、今日の午後から雪が降り続いています。昨日は、嵐の前の静けさという感じで、ピカピカに晴れあがり、セントラルパークには、たくさんの人たちが遊びにきていました。そして、驚いたことに、人間たちだけでなく、たくさんの色々な鳥たちまで大集合していて、とても賑わっていました。スケートリンクでは、人がスイスイ滑っている一方、ザレイク (The Lake) などの池では、カナダガン (Canada Goose) をはじめたくさんの鳥たちが氷の上で楽しそうに遊んでいました。セントラルパークでは、数日前に、シロフクロウ (Snowy Owl) が、130年振りに目撃され話題になっていましたが、同じく珍しい、マガン (Greater White-Fronted Goose) という鳥や、タカの一種のアカオノスリ (Red-tailed Hawk) をはじめとした常連の鳥たちも勢揃いしていて、セントラルパークのあちらこちらに鳥たちが出没しました。短い時間にも関わらず、あまりにたくさんの種類の鳥たちに出会うことができたので、本当に驚いた日だったのですが、寒いからか、どの鳥たちも大人しくじっと木に止まっていることが多く、写真撮影もしやすく、行く先々で人々がバードウォッチングを楽しむ光景が見られました。
セントラルパークの冬の定番の遊びといえば、アイススケート!素晴らしい青空の下、たくさんの人たちがセントラルパークでアイススケートを楽しんでいました。
氷上で楽しそうに遊んでいるのは、人間たちだけではありません。セントラルパークの池のあちらこちらでは、鳥たちも氷の上で楽しんでいたのです。今までにみたことがないくらいたくさんの水鳥たちが大集合していてとても面白い光景でした。カナダガン (Canada Goose) をはじめとした水鳥たちが氷の上で、賑やかに過ごしています。人間と同じで、鳥たちも滑って転びそうになる瞬間があり、オットットとバランスを取る様子がなかなか可愛いらしく目が離せませんでした。
池のほんの一部の凍り付いていない場所を見つけて、ハシビロガモ (Northern Shoveler) というカモさんたちが、集団でグルグル回転していました。ハシビロガモは、黄色いくちばしのマガモに似ていますが、シャベルのような黒いくちばしが特徴のカモさんです。
あまりに極寒のため、鳥たちもエサを食べる時以外は、動かずじっと大人しくしています。ぷっくりとした、イエスズメ (House Sparrow) たちは、集団で、木に埋もれながら、日光浴をしていました。
セントラルパークの最南端の池、ザ・ポンド (The Pond) も大部分が凍りついていて、その岸辺に、とても珍しいゴージャスなルックスの鳥を発見しました。オオアオサギ (Great Blue Heron) です。毛皮のコートを着ている感じの胸の羽が印象的です。
ベセスダ噴水のそばにある、ザ・レイク (The Lake) も、そのほとんどが凍り付いています。
ザ・レイクの北側に広がる森、ランブル (The Ramble) は、セントラルパークの人気バードウォッチングスポットの一つです。
秋以来ずっと園内に滞在している、アメリカフクロウのバリー君もボートハウス近くのランブルにいます。
この日は、ランブルのバードフィーダーにびっくりするほどたくさんの人が集まっていました。
みんなの注目の的になっていたのは、この子です。まだ若く、あどけなさが残る、アカオノスリ (Red-tailed Hawk) という、鷹さんです。
周囲の鳥やリスに目を配りながら、大人しく止まっていました。
鷹の子は、とてもよく見える場所にいたので、本当にたくさんの人たちが周りを取り囲んでみていたのですが、こんな可愛らしい鷹さんです。途中リスが遊びに来たりして、みんながハラハラドキドキした瞬間もありました。
セントラルパークの色鮮やかな鳥の代表が、こちらの赤い鳥さんです。オスは、特に赤くて美しいのですが、ショウジョウコウカンチョウ (Northern Cardinal) という鳥です。面白い顔をしています。
こちらは、キツツキの一種、セジロコゲラ (Downy Woodpecker)。飛び回っていて落ち着きがない子なのですが、とんとんと可愛らしい動きをしていました。
可愛い顔のエボシガラ (Tufted Titmouse)。
美しい青い鳥、アオカケス (Blue Jays)。その美しい見た目とは違って、鳴き声は、とても騒がしく賑やかです。
こちらも美しい青い鳥、ムナジロゴジュウカラ (White-breasted Nuthatch)。
とても美しい鳴き声のノドジロシトウ (White-throated Sparrow)。
コマツグミ (American Robin)。
高い木の枝に集団で止まっているのが、オオクロムクドリモドキ (Common Grackle)。
この他、アメリカフクロウのバリーが、ボートハウス近くのランブルにずっと滞在していて、この日もいたのですが、熟睡中で動きを見せてくれませんでした。タイミングによっては、とても可愛い動きを見せてくれて楽しませてくれます。もう一羽のアメリカフクロウ、バーナードは、ここしばらく目撃されていません。
2021年1月27日には、シロフクロウが、セントラルパークのノースメドウに登場しました。シロフクロウは、海沿いのビーチなど開けた場所に現れることが多く、セントラルパークで見かけるというのは、とても珍しいことで、1890年に記録がある以外には、目撃情報はありませんでした。見慣れない存在のシロフクロウは、夜になると攻撃の対象になるカラスやタカたちから嫌がらせを受けていたようです。当日は忙しかったので、翌日もいたら見に行こうと思っていたら、残念ながら一日で飛び立っていってしまいました。
こちらは、その日の様子の映像です。
The SNOWY OWL of the Central Park North Meadow was not much bothered by the crows that gathered around it earlier and that have now returned. People are staying behind distant fences and being quiet and respectful. pic.twitter.com/BKjGPRiKCZ
— Manhattan Bird Alert (@BirdCentralPark) January 27, 2021
ニューヨーク周辺で見られるフクロウについては、こちらで紹介しています。
完全に凍った池の光景も芸術的です。
カナダガンの群れの中に、実は、一羽だけ珍しい、マガン (Greater White-Fronted Goose) が紛れています。ウォーリーを探せ、のような感じで、見つけ出すのが難しいのですが、双眼鏡があると探しやすいと思います。実は、後からこちらに写っているのを発見しました。カナダガンは、足とくちばしが黒いですが、マガンの足は、黄色く、くちばしのまわりの羽毛が白いのが特徴です。
ピンク色に染まった空を背景にしたボウブリッジ。
日が暮れてくると、カナダガンたちも帰宅時間が近づいて来て、そわそわと動きが活発になります。
カナダガンたちの群れは、夕方になると大集団で、美しく隊列を作って、飛び去って行きます。
今ニューヨークは、雪が降り続いていますが、雪が止んだ後は、セントラルパークは、雪遊びで賑やかになります。