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人気ブロードウェイミュージカル『ハミルトン』チケットの超高騰! 実は自動プログラム”Bots”のしわざ?!

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昨年、オフブロードウェイに登場し、大人気の中、ブロードウェイにデビューし、すっかりニューヨーク・ブロードウェイの話題をさらってきたミュージカル『ハミルトン』ですが、話題になっていると、さらに注目を集め、人気が高まってしまうのは避けられません。チケットを買いたい人が増えすぎてしまう、そんな需給のアンバランスが存在すると必ず登場してしまうのが、それを逆手に取ったビジネス。チケットの値段の高騰や、偽チケットの登場で、多くの人が見ることができない状況が続いています。
チケット転売というと、古くからの会場で声をかけてまわるようなローテクな手法でのイメージがありますが、最近では、そんな世界にもコンピューター自動プログラム、”Ticket Bots” が登場し、効率良く転売を繰り返しているようで、ハミルトンのクリエイターである Lin-Manuel Miranda さんをはじめ、そんなビジネスに対して反対の声があがっています。

先日、チケット発売と同時にすごいスピードで買い占める”Ticket Bots”のようなやり方に対して、Lin-Manuel Mirandaさんの反対意見を表明したOp-edがニューヨークタイムズに掲載されました。

現状では、このような転売に対して罰則が科されたとしても軽い罰金のみで、チケット転売ビジネスで儲けることができる利益から考えるとビジネスを行う上での経費程度の状態で、頻繁な違反者に対する厳しい罰則の制定や転売サイトで取得価格の表示を必須にするなど、より厳しい対応を行政に求めています。

ブロードウェイミュージカル『ハミルトン』で現在大活躍のLin-Manuel Mirandaさんは、実は2018年公開予定のディズニー映画『メアリーポピンズ・リターンズ (‘Mary Poppins Returns’)』に出演することが決まり、Lin-Manuel Mirandaさん自身は7月9日の公演が最後となってしまいます。
転売サイトのStubhubを見てみると、7月9日のオーケストラ席はなんと1万5千ドル程にもなっています。

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ハミルトンの制作陣、投資家も大ヒットに喜んでいると思いますが、実は、チケットの転売屋も大喜びのようで、毎週24万ドルの利益を上げているという記事も出ています。

先日、ツイッター、Uberなどテック関連のベンチャー投資家のChris Saccaさんも、チケット売買サイトのStubHubで、自身の誕生日に話題のミュージカルを見るために高額で『ハミルトン』のチケットを入手したのですが、その手に入れたチケットが劇場を訪れてみると偽物だったようで、ちょっとしたニュースになっていました。

その他、Craigslistなどでも偽チケットの販売が後を絶たないようで、多くの人が残念な思いをしているようです。これらの問題は、昔のまま、偽造されやすい紙ベースのチケットのやり方を続けていることも原因で、ミュージカルをはじめとしたイベント業界にも問題があるような気がします。誰が正式なチケットを保持しているかをしっかりとトラックできれば解決することができます。

コンピューターの自動プログラム “Bots(ボット)” が活躍しているのは、チケットの転売だけではありません。為替、株式など、流動性の高い金融マーケットをはじめ、こちらの記事によるとオンライン広告スペースの売買など、より巨額な資金が動く分野に及び、”Bots”のような存在が想定外な現行の法律の下、様々なアドバンテージを利用していると思われます。
人間はスピードと正確性では、ソフトウェアの自動プログラムにはかないません。”ボット (Bots)”の自動取引を念頭において、不必要にスピードが特定のビジネスのアドバンテージにならないなど勝負がフェアとなるようなルール作りがあらゆる分野で求められていると思います。

人気ブロードウェイミュージカル『ハミルトン』チケットの超高騰! 実は自動プログラム”Bots”のしわざ?! was last modified: 8月 21st, 2016 by mikissh