マンハッタンダウンタウンの東側にあるサウスストリートシーポートに隠れ家的なとてもおしゃれで雰囲気のいいステーショナリーショップを見つけました。そのお店は、サウスストリートシーポートミュージアムの一部で、19世紀の印刷技術を使ったステーショナリーを買うことができます。ちょっと感動したのはこのお店の雰囲気。雪の日に、フレンドリーなお店のおじさんに誘われるままに店内に入ってみたら、なんだか一瞬、映画の世界に迷い込んだような錯覚。オルゴールミュージックのような癒しの音楽が流れる店内、カウンター越しに働いているおじさんの姿がまるで映画の一場面のように見えました。
このお店の名前は、Bowne & Co. Stationers。1775年という大昔に設立された Bowne & Co.は、19世紀から20世紀にかけては金融関係の印刷を中心に行っていた会社だったようです。1975年にSouth Street Seaport Museum とパートナーになり、19世紀スタイルの印刷をするお店としてオープンしました。長く同名でビジネスを行っていたBowne & Co.ですが、2010年に、 Fortune 500にも入っている同業大手のRR Donnelleyに吸収されてしまったようです。
雪の日で、帽子まで雪をかぶって真っ白になっていた私たちを、中にお入りなさいと、おじさんに店内に招き入れられました。
お店の中はかわいいペーパーグッズがいっぱいです。
子供向けのかわいい本や、カラフルなペーパーグッズが綺麗に並んでいます。
19世紀の印刷スタイルで印刷されたメモ帳、レターパッド、カードなど。印刷スタイルが違うだけで、何気ないものも素敵に見えるマジックに感心してしまいました。マンハッタンの摩天楼が印刷された絵がとても素敵で人気の一品のようでしたが、特別な印刷技術なだけあり、なかなかのプレミアム価格。プレゼントや旅行の思い出になるおみやげとしていいかもしれません。
店内の一部は印刷専用のワークスペースになっています。ペーパーもののステーショナリーや招待状などをオーダーすることもできるので、一味違ったこだわりのカードやステーショナリーを求めている人は、こういうところでオーダーするのもいいかもしれません。
この19世紀スタイルのレタープレスの印刷を体験させてもらうこともできるそうです。
実は、3年前のハリケーンサンディの時、ニューヨークは大きな被害を受けましたが、このお店も浸水してしまって大変だったようです。大勢のボランティアの人々がこの昔ながらの印刷技術を守るため、印刷用の小さな文字のピースの一つ一つも逃さないよう、一つ一つ丁寧に元の姿に戻るようがんばりました。
雪の日だったからなのか、このお店で過ごしたのはほんの短い時間だったのですがとても印象的でした。昔ながらの映画に出てくるお店の一場面ってこんなイメージなのかも。おじさんがいい人だったからなのか、お店の雰囲気が素敵だったのか、とても記憶に残っている雪の日に遭遇した素敵な隠れ家でした。
Bowne & Co. Stationers
211 Water St., New York, NY 10038 at Fulton St. MAP
ニューヨークでもう少しタイムスリップしたい時はチャップリン映画のようなこんな昔のニューヨークの映像もどうぞ。20世紀初期のニューヨークですが、今でも見られる光景もたくさん映っています。