最近、ニューヨーク周辺でもたくさんのクラフトビールのブリュワーが誕生していますが、ニューヨークのクラフトビールの老舗と言えば、ブルックリンブリュワリー (Brooklyn Brewery) です。日本へ帰る時にちょっとしたお土産として買っていくこともあるビールなのですが、今回、日本のビール会社、キリンがブルックリンブリュワリーの株式の24.5％を取得し、パートナーシップの関係が成立したようです。ブルックリンブリュワリーブランドのビールが日本で広く流通する日も近いかもしれません。
ブルックリンブリュワリー (Brooklyn Brewery) は、1987年に創業した、アメリカのクラフトビール業界の中でも 12位に位置するかなり大手のクラフトビールメーカーです。
ラガーという名前にもかかわらず、エールビールのように味があり、美味しく飲みやすいブルックリンラガーが最も知られている代表作ではないかと思います。
そんなアメリカクラフトビール業界の中でも大手のブルックリンブリュワリーですが、こちらのニュースにあるように、キリンがブルックリンブリュワリーの24.5% を取得し、パートナーシップを結び、来年1月から日本でジョイントベンチャーを立ち上げ、オリジナルビールの開発やレストランなどへの進出を考えているようです。また、キリンの進出はそれだけにとどまらず、その後ブラジルへの進出も計画しているようです。関税、酒税そして様々な見えない圧力もあるのでしょう、日本での海外からの輸入ビールのシェアはなんと全体のたった 2% 以下だそうで、シェアを伸ばすには日本でのディストリビューションパートナー、日本国内での生産も考えたりする必要があるようです。
ブルックリンブリュワリーは、Brooklyn Navy Yardにビール製造設備やビールを楽しめるカフェを2018年にオープンする予定だそうで、今回の投資はそのために使われるようです。
ちなみに、同業外部株主の所有率が25% を超えないことは、アメリカにおけるクラフトブリュワーのステイタスを保つのに必要なぎりぎりのラインだそうです。
現在、ビール業界において、大量生産ビールの売上が平坦で、下降基調の中、際立った成長を見せているのがクラフトビールということで、世界中で大手ビール会社によるクラフトビール会社の買収やパートナーシップを結んだりする動きが盛んになっています。以前は、アメリカというとバドワイザーのような味に深みのない軽いラガーという印象で、美味しいビールというとベルギー、ドイツ、チェコなどヨーロッパ勢が思い浮かびましたが、近年、様々な工夫を凝らし、最も目覚ましく発展を遂げているのはアメリカではないかと思います。
下のチャートは、Brewers Associations によるもので、アメリカのクラフトビール業界の売上の伸びは、8年連続で10%以上だそうで、昨年もUSドルベースで16% 売上が上昇したそうです。
製造量に関しても、ビールの製造量がほぼフラットの中、クラフトビールは二ケタ以上の成長を記録しています。
ブルックリンブリュワリーは、そんなクラフトビール業界の中でも12位に位置するかなり大手のブリュワーです。ちなみにこちらで大手ブリュワーのランキングリストが紹介されています。
ブルックリンブリュワリーは、ウィリアムズバーグにあり、こちらにあるように、テイスティングルームがあったり、見学ツアーも行われています。今まで何度か訪れたことがありますが、ここ最近、ますます人気となっているようで、週末には特に大行列ができています。
ということで、ブルックリンブリュワリーのビールを日本でも目にすることが多くなるかもしれません。
ニューヨークならではのお土産の候補がまた一つ減ってしまいそうです。アメリカの有名店が次々と日本へ進出していくので、日本未上陸商品のお土産を探すのが年々難しくなってきてしまいますね。
ニューヨーク産ではありませんが、アメリカの美味しいクラフトビールブランドで、ニューヨークでも割と入手もしやすい、おすすめのブランドというと、以下の2つがあります。
ビール会社へのパートナーシップのおすすめというわけではありませんが（笑）、わりと最近、生産量も増やしていて、ディストリビューション網の拡大にも力を入れている、入手しやすくなってきている人気のブランドなので、お土産用のビールを探している人へのおすすめです。
ミシガン州、グランドラピッズのファウンダーズ・ブリューイング (Founders Brewing)。
ペンシルバニア州、フィラデルフィアのヤーズ・ブリューイング (Yards Breweing)。
