今冬のラスベガスへの旅では、グランドサークルのアメリカ国立公園巡りコース上にある、ユタ州のブライスキャニオン国立公園 (Bryce Canyon National Park) へも訪れてみました。グランドサークルはこれまで何度か訪れていますが、冬にやって来たのは初めてでした。ブライスキャニオン国立公園などのグランドサークルへは、春から秋に訪れることが多く、一年中暑い印象がありますが、実は、標高の高いところにあり、冬はかなり寒く、こんな美しい雪化粧の無数の赤い柱状奇岩群の絶景も楽しめます。アメリカでは夏の始まりを告げるメモリアルデーを控え、夏の旅行計画を練っている人も多いと思いますので、ブライスキャニオン国立公園の基本情報や見どころを紹介します。
ブライスキャニオン国立公園
ブライスキャニオン国立公園 (Bryce Canyon National Park) は、ラスベガスから車で4時間程、ザイオン国立公園 (Zion National Park) やカナブ (Kanab) から1時間半程、キャピトルリーフ国立公園 (Capitol Reef National Park) から2時間程の場所にあるアメリカの大人気の国立公園です。2400~2700メートル (8000-9000 feet) というとても標高の高い場所にあり、敏感な人は何もしなくても空気の薄さを感じると思いますが、特に運動すると高地だということを実感します。
(Map)
ブライスキャニオンがナショナルモニュメントに指定されたのは1923年、国立公園に指定されたのは1928年と長い歴史を誇る公園です。ブライスキャニオンという公園の名称には、渓谷(キャニオン)が使用されていますが、地形的には、川の流れによりできた急峻なV字谷ではなく、雨や雪による水が凍ったり、溶けたりを繰り返すことによりできた赤いトーテムポールのような柱状の岩、フードゥー (Hoodoo)が林立する、世界で最も多くのフードゥー (Hoodoo)が見られる場所として知られています。ブライスキャニオンの一番の見どころは、フードゥーがいっぱいの円形競技場 (Bryce Amphitheater) の壮大な景観です。園内は、尾根部分 (rim) に車道があり、それぞれのトレイルヘッドや展望スポットには駐車場がありますが、それぞれの駐車スペースが少ないので、4月から10月までの繁忙期は、ビジターセンターなどに車を停めて シャトルバス で園内を移動することになります。尾根上の展望スポットを巡るだけでも素晴らしい絶景が楽しめますが、時間があれば、谷の下まで降りて、実際に目の前に柱状の赤岩が林立する中をトレイルで歩いてみるのがおすすめです。
ブライスキャニオン国立公園 見逃せない展望スポット
ブライスキャニオン国立公園には、公園内の尾根沿いに様々な展望スポットがありますが、ブライスキャニオンロッジ近くの壮大な円形競技場 (Bryce Amphitheater) を見渡せる4つの展望台がアクセスも簡単で特に人気があります。
1. サンライズポイント (Sunrise Point)
2. サンセットポイント (Sunset Point)
3. インスピレーションポイント(Inspiration Point)
4. ブライスポイント (Bryce Point)
あまり時間を取れない時は、これらの展望ポイントを巡るだけでもブライスキャニオンのハイライトが楽しめます。
ブライスキャニオン国立公園 おすすめのトレイルコース
ブライスキャニオン国立公園は、展望台のあるスポットを結んでいる道を景色を楽しみながら歩いて行くこともできます。平らな整備されている道なのでこれがもっとも簡単なトレイルコースです。
ブライスキャニオン国立公園で一番のおすすめトレイルは、キャニオンの下へと降りていく、クイーンズガーデントレイル (Queens Garden Trail) と ナバホループトレイル (Navajo Loop Trail) です。サンライズポイントとサンセットポイントを結ぶこの二つを合わせたループトレイルを、以前、歩いたことがありますが、赤い岩のフードゥーに囲まれた道を迷路のように進んで行く、所要時間 2-3時間のトレイルで、それ程難易度も高くなくとても楽しめました。
今回冬に訪れた時は、すっかりトレイルが雪道となっていて、さらに完全に凍りついたアイス状になった部分も多く滑りやすく危険だったため、少しだけ様子を見に行ってすぐに引き返して来ました。きちんとした装備をしてきている人は、雪や氷の中でもトレイルをしています。個人的にはトレイルは夏の方が断然おすすめですが、雪の景色のブライスキャニオンもとても綺麗なので、冬は冬で魅力がある人気の国立公園です。
雪がない時は普通は、こういうフードゥーの間の道を歩いて行く、とても楽しいトレイルです。
ブライスキャニオン国立公園で一番のおすすめトレイル、クイーンズガーデントレイル (Queens Garden Trail) は、サンライズポイント (Sunrise Point) からスタートします。サンライズポイント の展望台のところからトレイルへの入り口があり、谷を下ってきて、クイーンズガーデントレイル (Queens Garden Trail) を進みます。クイーンズガーデントレイルでは、ゴール付近に、こんな女王の姿をした クイーンビクトリア (Queen Victoria) と呼ばれるフードゥーに出会うことができます。クイーンズガーデントレイルの所要時間は1時間半くらいです。このゴール地点から引き返すこともできますが、さらに進んで、もう一つの人気トレイル ナバホトレイル (Navajo Trail) に合流して、さらに+1時間トレイルを歩くこともできます。多くの人はそのまま続けて、この二つのトレイルコースを楽しみます。ナバホトレイルをずっと行くと、ゴールは、スタート地点と違う、サンセットポイント (Sunset Point) になります。難しくない人気のループコースなので、気候がよければおすすめです。
途中、今にも壊れそうな繊細なバランスを保ったものなど様々な形状のフードゥーを間近で見ることができ、壮大な自然の姿に圧倒されます。
ブライスキャニオン国立公園 時間がある人はさらに奥へ行ってみよう!
ブライスキャニオン国立公園のメインの展望スポットが、先ほど紹介した4つのスポット(1.サンライズポイント 2. サンセットポイント 3.インスピレーションポイント 4.ブライスポイント)なので、時間に余裕がない場合はこのメインの展望台だけ見てブライスキャニオン国立公園の観光を終える人も多いです。
今回オフピークシーズンに訪れたため、車で自由に園内をドライブできたので、ブライスキャニオン国立公園の奥の方の展望台も楽しんできました。
奥の方の展望台は、
1.ナチュラルブリッジ (Natural Bridge)
2.アグアキャニオン (Agua Canyon)
3.ファービューポイント (Farview Point)
4.ポンデロサキャニオン (Ponderosa Canyon)
などがあります。詳しい地図(PDF)は こちら です。
実は今回雪のブライスキャニオンだったため、一番奥から3つの展望台へのアクセスが閉鎖されていました。
訪れた奥の展望台の中で一番印象的だったのは、ナチュラルブリッジ (Natural Bridge) の展望台です。
ブライスキャニオン国立公園で、フードゥー以外にも、アーチーズ国立公園などグランドサークルの様々な場所で見られる巨大なアーチを見ることができ、驚きました。展望台からの ナチュラルブリッジ (Natural Bridge) の景観です。とっても綺麗で幻想的でした。
こちらは、Agua Canyon の展望スポット。印象に残る立派なフードゥーが見られました。
夏季は、シャトルバスまたは尾根沿いの リムトレイル (Rim Trail) を歩きながら、色々な展望台からの眺めを楽しむことができます。
公園へと続く道の途中にもこんなトンネルがあったりと、ビッグサンダーマウンテンのような雰囲気です。
ブライスキャニオン国立公園の幻想的な日の出から日の入りまでの絶景をご覧ください。
半日から丸1日程度で一通り楽しめるおすすめの公園で、グランドサークルでも、グランドキャニオン、ザイオンと並んでとても人気のある国立公園です。
ブライスキャニオン Bryce Canyon National Park 地図
ブライスキャニオン国立公園は、ザイオン国立公園と合わせて訪れることが多いです。
長期旅行であれば、グランドサークルの様々な見どころを巡るのもおすすめです。
ブライスキャニオンを訪れる時間がない場合は、Kanab と Page の間にこんなフードゥーが見られるトレイルもあります。