カピトリーニ美術館の見どころ ローマ観光で見逃せない世界最古の歴史ある人気彫刻ミュージアム

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カピトリーニ美術館 (Musei Capitolini) は、イタリアの首都、ローマにある、世界最古のミュージアムです。古代ローマの中心だった、フォロ・ロマーノの隣にある小高い丘、カピトリーニの丘の上にあり、古くは、古代ローマ時代のものからローマ教皇が絶大な権力を誇った 15-18世紀頃の作品まで、彫刻を中心に、その他、イタリアバロック期の巨匠、カラヴァッジョ、グエルチーノらの絵画作品など見どころが多く、アート・歴史好きにおすすめの美術館です。

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カピトリーニ美術館

カピトリーニ美術館は、15世紀後半まで遡ることができる、世界最古のミュージアムです。起源は、1471年、時のローマ教皇、Pope Sixtus IV により寄贈された彫刻作品のコレクションからはじまり、その後、数世紀を経て、1734年に一般公開されるようになりました。カピトリーニ美術館があるのは、古代ローマの中心、フォロロマーノや、パラティーノの丘、コロッセオの近くです。アメリカの国会議事堂、Capitol の語源にもなっている、カピトリーニの丘 (Capitoline Hill) の上には、ミケランジェロがデザインした広場、カンピドーリオ広場 (Piazza del Campidoglio) があり、そこに、カピトリーニ美術館があります。

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カピトリーニ美術館 Musei Capitolini
Piazza del Campidoglio, 1, 00186 Roma RM, Italy 地図

カンピドーリオ広場の中央にある、マルクス・アウレリウス・アントニヌス (Marcus Aurelius) の騎馬像の正面に向かって右手に、カピトリーニ美術館の入り口があります。
カピトリーニ美術館 (Musei Capitolini) は、3つの建物からなる大きなミュージアムです。
コンセルヴァトーリ宮殿 (Palazzo dei Conservatori) 、新宮殿、市庁舎の3つの建物があり、入り口があるのが、コンセルヴァトーリ宮殿 です。
周囲三方向は3つの建物に囲まれていますが、残りの一方向に素晴らしい眺望が楽しめます。

カピトリーニ美術館の入口、コンセルヴァトーリ宮殿からミュージアムへ入場します。カピトリーニ美術館は、バチカン美術館ボルゲーゼ美術館同様ローマを代表する素晴らしいミュージアムですが、特に事前予約の必要はありません。
セキュリティチェックを済ませ、入館すると、カピトリーニ美術館は、こんなフロアプランになっています。→ 館内地図

グランドフロアの入口の正面に現れるコートヤード (Courtyard) には、巨大なコンスタンティヌス帝の像 (Colossal statue of Constantine: head) の一部が展示されています。

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イタリアなので、フロアの数え方・呼び方が、日本やアメリカとは異なります。
例えば、日本で言う、1階フロアは、イタリアでは、グランドフロア、と呼びます。
2階フロアは、イタリアでは、1階です。ここから先、カピトリーニ美術館で表記されている、イタリアのフロア階数で紹介していきます。

1階 Palazzo dei Conservatori

グランドフロアから、階段を上った1階には、お屋敷セクション (Conservators’ Apartment) と 通常のギャラリーのセクションの二つがあります。お屋敷セクションで、まず最初に登場するのが、二人の教皇像が飾られている最も巨大な部屋、Hall of the Horatii and Curiatii としても知られる、グレートホール (The Great Hall) です。ベルニーニ作、教皇ウルバヌス8世の座像が出迎えてくれます。

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ホールの奥には、教皇インノケンティウス10世の座像があり、周囲を巨大なフレスコ画で囲まれた、とても迫力のある部屋です。

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グレートホールのお隣は、キャプテンの部屋 (Hall of the Captains)。教皇を支える枢機卿 (Cardinal) たちの像が並び、天井、壁には、こちらも豪華なフレスコ画が描かれています。

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古代ローマの宿敵、カルタゴの将軍、ハンニバルが描かれた部屋。

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チャペルまであります。

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タペストリーの部屋。

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ローマの成り立ちの神話に登場し、ローマのシンボルとされている、Capitoline Wolf、15世紀の彫刻です。雌狼と後にローマを建国したとされる双子の兄弟、ロムルス
(Romulus) と レムス (Remus) がいます。

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ガチョウの彫刻が印象的な グースの部屋 (Hall of the Geese)。今回の訪問時は、残念ながらありませんでしたが、通常、ベルニーニのメデューサが展示されています。

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ワシの部屋 (Hall of Eagle) には、一目見たら忘れられない形をしている、エフェソスのアルテミスのレプリカなどがあります。

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お屋敷の一室からは、バチカンの方角に、美しくライトアップされた、サンピエトロ大聖堂が見えます。

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お屋敷セクションの奥には、歴史的な彫刻の数々が展示されているギャラリーが広がっています。こちらは、2世紀後半頃の作品とされる、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの騎馬像。外の広場の中央にあるのは、こちらのレプリカです。

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4世紀頃の巨大なコンスタンティヌス帝のブロンズ像もあります。

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ライオンが馬を攻撃している迫力ある作品。こちらは、紀元前4世紀頃の作品です。

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2世紀頃のヘラクレスのブロンズ像。

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4世紀末頃の戦うヘラクレス像。

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2階 カピトリー二絵画館

カピトリーニ美術館の2階は、カピトリー二絵画ギャラリー (Capitoline Picture Gallery) と呼ばれ、絵画を中心に装飾作品などが展示されています。こちらは2世紀頃のモザイク作品です。

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数ある絵画作品の中でも、一際巨大で目立つのが、17世紀前半にローマとボローニャで活躍した、グエルチーノ (Guercino) の The Burial of St. Petronilla です。ボローニャ出身の教皇、グレゴリウス15世に重用されたアーティストで、もともとは、バチカンのサンピエトロ大聖堂の祭壇の一つに飾られていたものです。

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グエルチーノの作品は、ニューヨークのメトロポリタン美術館にもあります。こちらは、メトロポリタン美術館にある作品、Samson Captured by the Philistines です。黒と青の使い方が印象的なアーティストです。

Metropolitan Museum (64)

絵画ギャラリーは、18世紀中頃に設立され、16、17世紀に活躍した、ベネチア派やバロック期のイタリア人アーティストの作品が中心となっています。左の作品は、Domenichino の作品、The Sybil。グエルチーノ、ドメニキーノ、カラッチらボローニャ派のアーティストの作品が多く展示されています。

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バロック期を代表するアーティスト、カラヴァッジョの作品、The Fortune Teller です。こちらの作品は、目が悪い人でも鑑賞できるようにと作品のお向かいに点字パネルが用意されていました。

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こちらは、ベネチア派を代表するアーティスト、ティッツァーノ (Titian) の作品、キリストの洗礼 (Baptism of Christ) です。

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ヴェロネーゼのギリシア神話をモチーフとした作品、Rape of Europe。

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ティントレット作、悔い改めるマグダラのマリア (The Penitent Magdalene)。

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この他、絵画ギャラリーには、ベラスケスや、アンソニーヴァンダイクなど、イタリア人以外の作品もいくつかあります。

グランドフロアでは、特別展用のギャラリーやミュージアムショップがあります。

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ミュージアムの建物を一周し終わり、終わったと思って、ここで外に出てしまう人もいると思いますが、実は、カピトリーニ美術館にはもう二つ建物があり、その二つの建物へは、地下道を通って行きます。地下道の途中を右折すると、3つの建物の中央に位置する最古の建物、Palazzo Senatorio があり、奥には、正面左手に位置する Palazzo Nuovo があります。

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Palazzo Senatorio

中央に位置する Palazzo Senatorio は、13から14世紀にかけて建てられた、3つの建物の中で、最も古い建物です。作品が並ぶギャラリーというよりは、歴史的な建物の雰囲気を楽しむ場所となっています。

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丘の下に広がる、古代ローマの中心だったフォロロマーノがよく見渡せます。

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Palazzo Nuovo

失われてしまった3世紀の作品のレプリカ、The Dying Gaul。

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Cupid and Psyche

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2世紀頃の作品、Faun in rouge antique marble

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Palazzo Nuovo で最も大きな部屋が、グレートホールで、たくさんの彫刻がずらりと並べられています。

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皇帝の間。

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小部屋の中央に立っているのが、カピトリーニのヴィーナス (Capitoline Venus) と呼ばれる女神像です。

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廊下にまでずらりと彫刻が並んでいます。

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グランドフロアにも展示が続いています。優美な美しい彫刻が施された大理石の棺などがあります。

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サルやワニなど珍しい像も見られる古代エジプトの彫刻のギャラリーもあります。

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出口の付近にあるパティオの噴水部分で、水辺に寝そべっているのは、巨大なマルフォリオ像(Oceano: Marforio) です。川の神とされたマルフォリオを描いた1-2世紀頃の作品です。

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ローマを訪れたら、アート好きは、カピトリーニ美術館と合わせて、バチカン美術館、ボルゲーゼ美術館もおすすめです。

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カピトリーニ美術館の見どころ ローマ観光で見逃せない世界最古の歴史ある人気彫刻ミュージアム was last modified: 1月 27th, 2020 by mikissh