テキサス・ニューメキシコの旅2日目、朝一番に向かったのは、カールスバッド洞窟群国立公園 (Carlsbad Caverns National Park) です。世界最大級の鍾乳洞で今までに訪れたことのある洞窟とは規模が全く違い驚かされます。
巨大な鍾乳洞内をツアーで巡ったり、その他、時期によって見ることのできる早朝、夕方のコウモリの大群の飛翔が一大名物となっています。
(Carlsbad Caverns National Park)
カールスバッド洞窟群国立公園 (Carlsbad Caverns National Park) には全部で83の洞窟があり、世界でもトップ10に入るという本当に巨大な洞窟公園です。1923年に初めてナショナル・モニュメントに指定され、1930年には国立公園になりました。そして1995年には、世界遺産、世界自然遺産に登録されました。
参加を考えていたツアーは早朝8時30分から始まるので、前日は国立公園から近い、カールスバッドの こちらのホテル に宿泊し、8時過ぎには国立公園の受付に到着するようにしました。早朝のドライブは最初はどこを走っているのかわからないくらい濃い霧がかかっていましたが、少しづつ晴れ間が見えてきた瞬間、この霧がかかった光景がとても幻想的で綺麗でした。
公園のインフォメーションセンターに到着後、さっそく国立公園パスとツアーのチケットを購入。いくつもあるツアーの中から、Lower Cave Tourというツアー行程3時間という少しハードなアドベンチャーツアーに参加してみようと考えていたのですが、10名の定員で、すでに予約でいっぱいとのこと。直前になり、もう来ないだろうということでスタンバイ状態のチケットを購入します。公園のスタッフはとても親切でツアーに入れるはずよと言ってスタンバイチケットを手配してくれたのですが、結局、少し遅れながらも全員来てしまい、ぎりぎりの所で参加することができませんでした。でも後になって考えてみたら実はそれでよかったのかも。どれくらいハードなアドベンチャーツアーなのか知りませんでしたが、暗い洞窟へと続く縄はしごが転がったこんな入り口を見た時に思いました。実際にはここが入口というわけではありませんが、他に魅力的な行くべき場所が色々あることをそのあと教えてもらえたので行かなくてよかったかも、と思ってしまいました。当たり前ですが地下の通常よりさらに下、ロウアーの洞窟は未整備状態で真っ暗闇の世界、そこをツアーするのってなかなかすごいこと。ヘッド懐中電灯と軍手が必要なんです。それに何よりも時間的にはそのツアーに参加していたら、他の洞窟を見る時間はなかったので、一番綺麗な見所を見逃すところでした。この後デスクに戻ってみたところ、スタッフによると一番見ごたえがあって美しいのは、Kings Palace と Big Roomで、ロウアーケイブは見ることを楽しむと言うよりはアドベンチャー体験を楽しむところとのことでした。小人数制なので参加したいツアーが決まっている場合は早目に予約をしておくことをおすすめします。
代わりに10時半からのキングズパレスツアーに変更し、それまで1時間半程あったので、ゆっくりとナチュラルエントランスを通ってツアーの集合場所まで行くことにしました。ナチュラルエントランスの前には、コウモリの飛翔の見学で有名な円形劇場があります。残念ながら、冬のこの時期は、コウモリは全くいなくなってしまい見ることができません。春から秋にかけては、日中は洞窟の中に隠れている100万匹ものコウモリが夕刻になると一斉に洞窟から空へ飛び立つ様子をここで見ることができるのです。最初はぱらぱらっと飛び立つのですが、ある瞬間から一斉にそして、その後30分以上その飛び立つ群れは途切れることなく続き、その勢いと迫力はすごいのだそう。
コウモリってなかなかじっくり見る機会がありませんが、これがコウモリです。残念ながら本物を見たわけではありません。
このコウモリは夏の間ここに住み、夕方になると外に飛び立ち、一晩中えさを求めて飛び続け、朝になるとまた洞窟に戻ってくるという生活をしています。では、どうして冬はいないのか?というと、寒いので暖かい地、メキシコの方へ飛び立っていってしまい、またこちらの気候が暖かくなった頃に戻ってくるそうです。
円形劇場の下に続くナチュラルエントランス。時々レンジャーさんとすれ違うことこそあれ、周囲に観光客の全くいない洞窟は、なかなかわくわくして楽しいもので、本当の静けさを味わうことができます。冬のオフシーズン早朝ならではの楽しみ。
明るい入り口からは離れていき、どんどん奥深く、闇へと突き進んでいきます。あるところから完全に光が消え真っ暗に。音も消え、感じるのは自分たちの気配だけ。もう少し行くと、洞窟のライトアップがされ始め、鍾乳洞の景色を眺めながら地下の広場まで1時間程歩き続けます。
キングズパレスのツアーは、地下の広場発。通常はみんなツアーの直前にインフォメーションに到着し、すぐ脇にあるエレベーターでこの地下の集合場所に下りてきます。でもそこをあえて、空いている時間であれば、ナチュラルエントランスから1時間程かけて下りて来るのもなかなかおすすめですよ。
キングズパレスは、ツアーに参加しないと入れない領域にあります。とても芸術的な姿をした鍾乳洞でみんな感動。自然の偉大さを感じます。レンジャーさんはこの洞窟の発見の歴史のお話をしてくれ、また洞窟の中でしか体験できない本当の闇を体験させてくれます。電気を完全に落とし、人工的な光も自然の光も何もない完全な闇、確かになかなかそういう体験ってできません。1時間半程のツアーで、見所は多いのですが、のんびりと周るので体力的には楽なツアーです。
このカールズバッドの洞窟は、ジム・ホワイトというカウボーイによって世に知られるようになりました。彼はこの洞窟に魅せられ、ずっと洞窟探検を続けてきたのです。1925年に彼はchief park guideになりました。 このカールズバッドが国立公園になったのはその5年後です。
キングズパレスのツアー解散後は、続いてビッグルームへ向かいます。こちらの洞窟も所要時間1時間程かかる広大な洞窟です。セルフガイドで訪れることができる場所ですが、ここだけでも十分このカールズバッドの魅力を味わうことができます。とても美しい鍾乳洞の自然のアートの連続です。
この3つのコースを回ってちょうど昼過ぎまでかかりました。
かなり歩き回るのでけっこう疲れますが、午前中をフルに使って回る人におすすめのコースです。
カールズバッド洞窟群国立公園のおすすめコース
- 1-2時間しか時間がない場合 セルフガイドのビッグルーム1時間 or ツアー参加のキングズパレス1.5時間
- 半日程度ある場合 朝一番または午後早くに到着して、ナチュラルエントランスコース1時間+キングズパレス1.5時間+ビッグルーム1時間
- アドベンチャーな体験をしたい人、2度目以降の場合 曜日により異なるアドベンチャーツアー、ロウアーケイブコース(3時間)、Hall of the White Giant(4時間)、Spider Cave(4時間)など
洞窟の中の鍾乳洞なんてどれも同じに見えてくる、という気持ちも少しわかりますが、このカールズバッドの鍾乳洞はそれぞれ個性的で全然異なる空間を楽しむことができます。
ビッグルームはとにかく開放感溢れる、びっくりするくらい広い空間に綺麗な鍾乳洞が広がっていますし、
キングズパレスはさらに地下にもぐり、秘密の洞窟の中に隠された誰も知らない美しい世界を覗きに行くようなわくわく感を味わえます。
半日ずっと洞窟の中にいるともぐらになった気分で、地上に出てきた時の太陽が本当にまぶしいです。アメリカならではの大自然、自然が長い年月をかけて作り上げた不思議な美しい世界を是非味わってみて下さい。
Big Room 内の Giant Dome と Twin Dome
天井からは無数の鍾乳石。
歩道などとてもよく整備されており、エレベーターもあるので体力や時間に応じた楽しみ方ができます。
ここでは、水面に反射する美しい景観はあまり多くなかったような気がします。水面反射が美しい鍾乳洞と言えば、バージニアのLuray Caverns を思い出します。大きさこそ敵いませんが、美しさはなかなかだと思います。
次に訪れることがあればコウモリの飛翔、是非見てみたいですね。まだまだある、テキサス・ニューメキシコ のおすすめ記事 もご覧ください。
ホワイトサンズ国立公園 も合わせて訪れることができるおすすめの国立公園です。
カールズバッド洞窟群国立公園の紹介ビデオです。