ニューヨークの人気老舗ディスカウントデパート、センチュリー21 (Century 21) が、コロナの影響により経営破綻し、チャプター11を申請しました。今後のビジネスの継続は目指さず、清算予定ということで、残念ながら、ロウアーマンハッタンのワールドトレードセンターに隣接するフラッグシップ店を含め、ニューヨーク周辺の店舗をはじめ全13店が閉鎖となってしまいます。
パンデミックとなってから約半年、コロナの影響は、様々な所で出て来ていますが、またニューヨークのお馴染みのリテールブランドが経営破綻してしまいました。
センチュリー21 (Century 21) は、SATC のドラマで、キャリーがショッピングをしているシーンとして登場したこともありますが、高級ファッションブランドをはじめ、定番ブランドの様々な商品の掘り出し物が見つけられる、お得なショッピングスポットして旅行者にも大人気でした。そんな大人気の 1961年創業の歴史あるディスカウントデパートセンチュリー21までもが、経営破綻し、チャプター11を申請することになってしまったのです。これまでも数多くのリテールブランドが、コロナの影響で経営破綻し、経営再建を前提としてのチャプター11の申請がされてきましたが、センチュリー21は、完全にビジネスを終了する予定のため、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルバニア州、フロリダ州にある全13店舗の閉鎖を発表しました。現在、1400人程の従業員がいるそうです。
センチュリー21のフラッグシップ店は、ワールドトレードセンターのすぐ隣にあり、911事件の時は、事業中断保険により乗り越えることができたそうですが、今回は、パンデミックによる閉鎖ということで、事業中断保険で、見越していた 1億7500万ドルが支払われなかったことが、直接の原因だそうです。詳細は、こちら です。パンデミックは、一生に一度遭遇するかしないかの予期できない希少イベントで、影響範囲も大きいため、保険の特記事項で除外されていたり、不可抗力による責任の免除 Force Majeure が適用されたりと、普段はなかなか想像もしなかった弱点が明らかになりました。平時に長期間に渡りきちんと保険料を払い続けてきたビジネスにとっては今回不公平な思いが残ることになってしまったと思います。
ニューヨークのロウアーマンハッタンにあるセンチュリー21のフラッグシップ店も、無事6月下旬に再開を果たしていただけに、今回の発表は残念です。特に、ヨーロッパや中国をはじめ国外からの旅行者に大人気のスポットということもあり、お店が再開した後、そんな旅行者がほぼいない状態が続いていた影響も大きかったと思います。
今後、全店舗及びオンラインで、大閉店セールを行っていくそうなので、閉店前にお店を覗いてみましょう。色々とお買い得品が見つかるかもしれません。
今回のコロナによる、デパートの経営破綻といえば、ニーマンマーカスと JC Penny がありますが、それぞれ経営再建の目途が立ちつつあります。
ニーマンマーカスは、経営に深く関わっていた、ヘッジファンドのマネージャーが逮捕されるなどちょっとしたドラマがありましたが、経営再建案が承認され、9月末までにはチャプター11状態を脱することができる予定になっています。
JC Penny は、ショッピングモール経営会社で、ランドロードでもある Simon Property Group と Brookfield Property Partners の二社が、3億ドルのキャッシュと 5億ドルの負債を引き受け、全体で、17.5億ドルの評価額で、買収に合意したとされています。
日常の生活が少しづつ戻ってきて、街の賑わいを感じられるようになってきていた中だったので、センチュリー21の人気ディスカウントデパートの閉店のニュースはみんなを驚かせる非常に残念なニュースです。