ジューイッシュミュージアムで今とてもかわいいクマのアートの世界広がる Charlemagne Palestine の特別展が開催されています。これでもかというくらいたくさんのクマたちが集まり、徹底してコレクションされたカラフルなぬいぐるみたちがアーティスティックに並ぶお部屋はまるで夢いっぱいの子供のお部屋。思わずわぁーっと心躍ってしまう楽しい世界が広がり、大人たちも子供に戻ったような感覚になってしまいます。
こちらは、ブルックリン出身で、現在ブリュッセルで活躍しているユダヤ系のアーティストで音楽を中心に幅広い分野で独自のアート(世界)を展開している Charlemagne Palestine さんの “Bear Mitzvah” という作品です。Charlemagne Palestine さんが幼少期に住んでいたのはブルックリン。そのブルックリンで誕生したというテディベアには特に思い入れがあるようで、トレードマークのようになっているようです。
クマのピアニストの演奏会。おしゃれな美しいピアノの上にはコグマたちが勢ぞろい。
エルサレムの嘆きの壁などで見かける、熱心なユダヤ人が被っている白と黒の Tallit をまとっています。
暖炉の上には、なんともお行儀よく整列したカラフルなクマさんたちがいて、その上にはちょっと神々しい5つのミラーが並んでいます。
子供の頃、一番近いお友達のような、とても大切な存在だったぬいぐるみ。ところがある時期を過ぎると忘れ去られ、いつの間にか捨てられたり寄付されたりして、いなくなってしまうことも多いです。そんなぬいぐるみたちを集め、別のスピリチュアルな存在として変身させる、それが彼のアートです。
少し長いですが こちら では、かなり飛んだ雰囲気の Charlemagne Palestine さんが、こちらのテディベアの作品も含めた、自身のアートのコンセプトについて語ってくれています。
キラキラミラーボールが輝くお部屋の中央には、溢れそうなぬいぐるみたちが乗っている船があります。これだけたくさんぬいぐるみたちが集まると、スピリチュアルな世界を感じます。
ジューイッシュミュージアムでは、Charlemagne Palestine さんのテディベアアートの他に、著名なドイツ系ユダヤ人の哲学者であり、思想、文筆家でもあった Walter Benjamin の特別展も行われています。
Walter Benjamin の生涯を通じたライフワークとも言える作品が、The Arcades Projectです。パリに数多くあるアーケードに魅了されたようで、様々な社会的な視点からアーケードにまつわるエッセイを書き綴ったもので、ナチスからの逃亡中、予期せず亡くなることになりましたが、後に発見され出版されたそうです。
そんな The Arcades Project のテーマに沿った作品が集められています。
パリではありませんが、ニューヨークの街並みから飛び出てきた作品も。
クールな雰囲気の展示となっています。
ジューイッシュミュージアムの特別展はいつも見応えのあるかっこいいものが多いので、時々やってきますが、今回もなかなかおもしろい展示となっていました。これらの特別展は、8月6日までとなっています。
ジューイッシュミュージアムは現在模様替えのため、常設展は閉鎖中です。
もうひとつ素敵な特別展が開催されていて、メルヘンチックな画風のアーティスト、フローリン・ステットハイマーさんの特別展もおすすめです。