先日、ロウアーマンハッタンで開催された Night at the Museums 2018 では、今まで訪れたことのないミュージアムを中心に色々と巡ってみました。こちらは ワンワールドトレードセンター から少し南にいったところにある、中国の文化をアメリカに伝える活動をしている、チャイナインスティチュート(China Institute) という中国の文化機関です。チャイナインスティチュートのギャラリーでは、中国の美しい山々をテーマとした写真の特別展が開催されていました。
ニューヨークのチャイナインスティチュート (China Institute) は、なんと1926年に設立されたという、とても歴史がある NPO で、現在もニューヨークで中国の文化を広く伝えていくために、中国の教育やアート、文化、ビジネスに関する様々なイベントが行われています。コミュニティーセンターという側面が強いですが、現在は、中国の魅力が伝わってくる、中国の山をテーマとした写真展、”Art of the Mountains – Through the Chinese Phtographer’s Lenses” が開催されています。
中国には、泰山、黄山、峨眉山など様々な名山がありますが、そんな山々が登場します。
まずは、カラー写真による山の光景です。こちらは、道教の聖地とされる泰山の岩に刻まれた有名な五岳独尊。泰山の重要性を表しています。岩に文字を刻むのは、日本ではあまり見かけませんが、中国らしい習慣なのかもしれません。
雲の上に突き出た雄大な山々など、
美しい中国の山の写真の数々が展示されています。
そして、がらっと雰囲気が変わってモノクロ写真コーナーです。一緒に水墨画も展示され、様々な山の表情を捉えた白黒写真は、まさに水墨画のような世界で表現されています。
山に雲がからまり、まるで筆で描いたような繊細な作品となっています。
巨大で迫力ある作品です。
そして、最後は、現代的な作品が並んでいます。
実はこちらの3つの作品は、同じ場所を描いています。下から順番に歴史的な変遷で並べられていて非常に面白いです。自然豊かだった場所に、工場が建ち、煙を出し、山も姿を変えてしまった、そんな状況が伝わってくる、メッセージ性の強い展示でした。
現代の中国映画に登場しそうな美しいワンシーンです。
手前のカラフルな岩と遠くの山が上手くマッチした作品です。中国などアジアのアートに興味を持つアメリカ人も多いようで、この日も、熱心に意見を交わしながら作品を楽しんでいる人々がいました。
写真好き、山好きの人は楽しめる展示となっています。展示の他、中国に関する様々なコースやイベントがあるようなので、中国文化に興味がある人は、チャイナインスティチュートを訪れてみるのもいいかもしれません。
チャイナインスティチュート China Institute
100 Washington St, New York, NY 10006 地図
ニューヨークのチャイナタウンにも、中国系のミュージアム、Museum of Chinese American があります。
ニューヨーク チャイナタウンにある チャイニーズ・ミュージアム Museum of Chinese in America