巨大彫刻ポップアートでお馴染みの著名現代アーティスト クレスオルデンバーグ特別展 ニューヨーク チェルシーのペースギャラリー

Claes & Coosje Pace Gallery (2)

ニューヨークの人気アートスポットの一つと言えば、数多くのアートギャラリーが立ち並ぶ、チェルシーです。一年を通じて様々なアーティストの特別展が行われていますが、激動の一年を経てきた中でも、ギャラリーは安定した人気を誇っており、全般的にギャラリー数は増えているのでないかという印象を受けます。そんなチェルシーの著名ギャラリーの一つ、ペースギャラリー (Pace Gallery) では、現在、日常品を巨大彫刻で表現する面白いポップアートの作風で知られる、クレス・オルデンバーグ (Claesz Oldenburg) とその妻、Coosje van Bruggen さんの個展が開催されています。とても存在感のあるヨーロッパ風の巨大なポップアート作品の数々が展示されています。

Claes & Coosje Pace Gallery (3)

チェルシーのギャラリーの中でも、一際大きい、ペースギャラリー (Pace Gallery) のヘッドクオーターでは、現在、カップルで活躍するアメリカ人現代アーティスト、Claes Oldenburg & Coosje van Bruggen の特別展、Claes & Coosje – A Duet が開催されています。
展示は、1階と7階の二つのフロアに渡っています。一階のギャラリーの入口では、早速、巨大なフォークで絡めたパスタの作品が登場し、これからどんな作品が登場するのか、ワクワクした気持ちになってきます。

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中に入っていくと、さっそく目を引く、可愛いお花の作品があります。少しヨーロッパ風な感じのこちらのカラフルな花々の作品は、Dropped Bouquet です。お花をはじめ、日常よく目にするものたちが、可愛いポップな色使いで巨大になって並べられていて、小人になった気分がします。作品の前は人気の写真撮影スポットになっていました。

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空に向かって伸びるネクタイや、大きく広がるバトミントンの羽、ハートの作品など。

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本やランプが並ぶ書斎のような雰囲気です。

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様々な楽器が並ぶ、ミュージックルームのような楽しげな展示もありました。

Claes & Coosje Pace Gallery (11)

展示は、7階にも続いています。もともとパフォーミングアートや講演会など特別なイベントの会場用の場所で、通常、閉鎖されていることが多いのですが、今回の展示では、1985年に、イタリアのベネチアで展示された、サイトスペシフィックアート、Il Corso del Coltello が、一部再現されているギャラリーになっています。

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合わせて、当時の写真や映像なども展示されています。Claes & Coosje – A Duet は、5月9日までの開催です。

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クレス・オルデンバーグ (Claes Oldenburg) は、スウェーデン出身で、後にアメリカに移住、1960年代に、ニューヨークで活動し、その後、LAに移り活躍しました。オランダ出身の Coosje van Bruggen さんとは、1977年に結婚し、その後、二人組のアーティストとして活躍しています。

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クレス・オルデンバーグ (Claes Oldenburg) の作品は、実は今回見たのが初めてではなく、旅行先でもたびたび遭遇していて、旅の思い出とともに記憶がよみがえりました。
サンフランシスコデンバー美術館フィラデルフィアの Pennsylvania Academy of the Fine Arts の隣 など、アメリカ、そして世界各地に、パブリックアートとして巨大なポップアート作品が飾られています。そんな各地にある作品の数々も写真で紹介されていました。

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一階の図書館では、作品のミニチュアやイラストが飾られています。

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クレス・オルデンバーグ (Claes Oldenburg) は、巨大な日常品のポップアート以前は、BLT やハンバーガーなどの食べ物をテーマにした作品を作る、ソフト・スカルプチュア (Soft Sculpture) のアートで知られていました。クレス・オルデンバーグは、草間彌生さんと同じ年に生まれ、1960年前後は、共にニューヨークで活動していたこともあり、こちらの記事によると、草間彌生さん曰く、オルデンバーグさんに、ソフト・スカルプチュアのアイデアを奪われたと感じていたようです。インスピレーションを受け、いいアイデアを自分なりの表現に変えていくのがアートであるため、その後、どちらが広く知られ、認識されているかが重要になってしまいます。当時は、一般には無名だった草間彌生さんですが、おそらくアーティストたちには、大きな影響を与えたのではないかと思います。そんな草間彌生さんですが、現在は、多くの人たちに知られる世界的なアーティストに変身しました。
ホイットニー美術館では、そんな草間さんとオルデンバーグさんのソフト・スカルプチャーの作品が並んで展示されています。

Yayoi Kusama

3階では、サンパウロで活動するブラジル人アーティスト、Marina Perez Simão の個展 が開催されています。カラフルですが、薄暗い感じの独特の色使いで、抽象画のような風景画を描いています。

Marina Perez Simão Pace Gallery (1)

お天気のいい日は、6階のテラスで休憩するのも気持ちがいいです。

Pace Gallery (1)

ヘッドクオーターと同じ通りの別の建物のギャラリーでは、NFT に向いていそうな、面白いデジタル&テクノロジー系アートのグループ展が行われています。

Pace Gallery (2)

チェルシーを訪れたら、色々なギャラリーを巡ってみるのもおすすめです。

チェルシーギャラリー街 おすすめ有名ギャラリー&回り方マップ

巨大彫刻ポップアートでお馴染みの著名現代アーティスト クレスオルデンバーグ特別展 ニューヨーク チェルシーのペースギャラリー was last modified: 4月 22nd, 2021 by mikissh