ニューヨーク新クラスター対策 ホットスポットを部分的にシャットダウンへ ブルックリン南部やクイーンズの一部対象に

Central Park (3)

ニューヨークでは、世界のコロナ感染の中心地となった4月以降、順調に状況は改善して来ていましたが、9月を迎え、ビジネスや学校が再開し、避難先から帰って来た人も多く、街には人が増え、人々が集まる機会が増えて来ています。そんな中、秋となり、最近、増えて来ているのが、感染者が一部の地域で急増している、ホットスポットです。ニューヨーク州知事のクオモさんは、今日、新クラスター対策として、ホットスポットでの経済活動を部分的にロックダウンし、その周辺地域の経済活動も段階的に制限していくことを発表しました。

ニューヨーク州は、全体的には、検査陽性率を 1% 前後に保っていますが、ここ最近、心配なのが特定の地域で感染者が急増している、ホットスポットの増加です。入院患者も、久しぶりに700人以上に達しています。トップ20の郵便番号 (Zip Code) の検査陽性率は、5.5% に達しています。昨日時点でのホットスポットのジップコードとその検査陽性率は、こちらです。ニューヨーク州では、そんなクラスターを周囲に拡散させないため、クラスターアクションイニシアチブ (Cluster Action Initiative) と銘打った新クラスター対策が発表されました。

新クラスター対策では、ホットスポットでは、グローサリーストアなどのエッセンシャルビジネス以外のビジネスは閉鎖となり、飲食店もテイクアウト、デリバリーのみに、学校もリモートのみとなり、大勢による集まりの禁止、宗教的な集まりもかなり制限され、実質上、ロックダウン時に近い状態になります。ホットスポットの周辺地域は、ホットスポットとの距離に応じ2段階に分け、段階的に、経済活動を制限し、人の集まりを減らし、状況を改善させることを目的としています。それぞれの地域の政府と調整し、早ければ明日から、遅くとも今週の金曜日までにはスタートさせる予定だそうです。

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ホットスポットは、ジップコードではなく、感染者データを基に、ホットスポットとその周辺を3段階に色分けし、新ルールの制限が適用されます。NYC では、10月8日から、少なくとも2週間は継続されることが、市長により発表されています。
ニューヨークでは、ブルックリン南部の広範囲、

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フォレストヒルズやレゴパーク周辺、

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ファーロッカウェイ周辺がホットスポットの対象となっています。

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NYC により、ゾーンの詳細がわかるインタラクティブ地図、Covid-19 Zone Finder も提供されています。

州全域では、Rockland County、Orange County、Binghamton 周辺などが例に挙げられていました。詳細は、こちらです。

ちなみに、ニューヨークシティの直近での検査陽性率の分布は、以下のようになっています。

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(NYC Covid Recent Data)

ニューヨークの新型コロナ危機の経緯は、こちらです。

ニューヨーク 新型コロナ危機の経過とまとめ NY感染ピークまでの軌跡を振り返って

ニューヨークでは、これまで段階的に慎重に経済再開が進められてきました。9月下旬からは、学校や レストランのインドアダイニング も再開しています。劇場や映画館など一部のビジネス以外のニューヨークのほとんどのビジネスがウィズコロナ状態ですが、取り敢えず再開可能になっています。

ニューヨーク リオープン!経済再開 フェーズ1~4 スケジュール & できるようになること

今回のホットスポットは、ブルックリン南部とクイーンズの一部エリアだけが対象となるので、それ以外の地域、マンハッタンなどは今まで通りです。
慎重な経済再開のおかげでスムーズに回復できそうかな、という期待がありましたが、あせらずゆっくりと前進していくしかなさそうですね。

ニューヨーク新クラスター対策 ホットスポットを部分的にシャットダウンへ ブルックリン南部やクイーンズの一部対象に was last modified: 10月 7th, 2020 by mikissh