イタリアは、ロックダウンが解除されて、少しづつ自由になってきているようですが、今日は、半年ほど前に訪れた大好きなイタリアのローマにちょっと思いをはせていました。ローマと言えば、西洋文明の礎ともいえる、古代ローマ帝国の中心地ですが、今から約2000年程も前に建てられた建物の遺跡が今も残されており、その代表的な有名な美しいローマ古代建築といったら、コロッセオ (Colosseum) や、パンテオンなどがよく知られています。コロッセオは、1980年に世界遺産に登録され、イタリア、ローマ旅行の観光名所としてあまりに有名なスポットなので、それはそれは大変な行列ができる、大人気の見逃せないスポットの一つとなっています。
コロッセオとは
コロッセオ (Colosseum) は、古代ローマ帝国により、紀元70-80年ごろに建設された、当時、フラウィウス円形闘技場 (Amphitheatrum Flavium) と呼ばれた、巨大円形闘技場で、現在でも訪れることができ、かつての姿に思いを馳せることができます。古代ローマ帝国時代の政治の中心、フォロ・ロマーノやローマを築いたとされるロムルスとレムスが住んでいたとされるパラティーノの丘に隣接した場所にあります。
当時のローマ皇帝、ウェスパシアヌス帝(ティトゥス・フラウィウス・ウェスパシアヌス (Titus Flavius Vespasianus))の名が冠された円形闘技場は、大火事やヴェスヴィオ火山の噴火などに見舞われたローマの再建プロジェクトの目玉で、ローマ市民の娯楽施設として建てられました。
「コロッセオが滅びる時、ローマは滅び、その時世界も滅びる」とまで言われたほど、ローマ市民にとってコロッセオは隆盛の象徴で、絶対的な存在で、帝国が衰退した後も、6世紀初頭頃まで使用されていました。
コロッセオの歴史については、こちらの映像で詳しく紹介されています。
世界最大の円形劇場は、ローマのコロッセオですが、古代ローマが建設した円形劇場は、例えば、イタリアのヴェローナや南仏、トルコのエフェス、クロアチアのプーラ、北アフリカなど領土だった地中海沿岸各地に残されています。
古代ローマは、今から約2000年程前の紀元2世紀頃には、地中海一帯から遠くはイングランドまで広がる巨大帝国を築き、後の西洋文化の礎となりました。そんな古代ローマについては、こちらで分かりやすく紹介されています。
古代ローマといえば、大きな転換点となったのが、共和制から帝政への移行期となった、カエサルやアウグストゥスの時代です。
古代ローマに興味がある人は、HBO のドラマ、Rome (予告編) もおすすめです。
コロッセオ チケット購入
コロッセオの当日券チケット売り場は、朝から大行列です。ローマでひとつだけ観光するならば、コロッセオへ行きたい!そんな人がたくさんいる、ローマ観光初心者にも定番の観光名所となっています。そんな大人気のコロッセオのチケットを、事前予約なしで当日チケット売り場に並ぼうとするととても大変なことになるので、前もっての購入が必須の場所でした。今となっては懐かしい、びっくりするほどの大行列でした。
コロッセオ アリーナ
ローマ市民の娯楽施設として建てられた、コロッセオの円形闘技場では、剣闘士たちの戦いが行われていました。古代ローマ時代を描いた映画『グラディエーター』(予告編) の世界で、命がけで剣闘士たちが闘いを繰り広げました。猛獣vs剣闘士、剣闘士vs剣闘士の闘いにローマ市民たちは夢中になり、剣闘士は、ローマの文化のひとつとなっています。
コロッセオは、1階から4階席まで観客席があり、その中央に当時は円形アリーナでしたが、今は半円形のアリーナが再現されており、もう半分の部分は地下の階が見えるようになっています。コロッセオのアレーナの下の地下には、当時の猛獣たちの檻、そして、剣闘士たちが闘いの前に待機していた場所があります。闘いの際には、この地下から地上へと剣闘士や猛獣たちを上げるための仕掛けが作られていて、会場を大興奮させるような登場だったそうです。
コロッセオ 観客席
コロッセオの観客席は、1階席から4階席まであり、アレーナの周囲をぐるりと一周取り囲むように、すごい数設置されていました。
古代ローマ時代は、身分の階級があり、コロッセオの観客席は身分の階級により階が分かれていました。1階席は貴族階級、2階席は騎士、3階席は一般の市民たち、そして、4階席は奴隷たちの席だったそうです。
コロッセオ アレーナ 屋上
コロッセオのチケット購入時に、チケットの種類がいくつかあり、中に、屋上へのアクセスができる、特別なツアーに参加するチケットがあります。この屋上は、当時の4階席の観客席なのですが、当時は、身分の低い人々が通される場所でしたが、今では逆に特別なツアーに参加した特別なお客さんだけがアクセスできる場所になっています。コロッセオの全貌を一番高い見晴らしのいい場所から見ることができます。
このアレーナの屋上に当時の驚きの技術を知ることができる跡が残されています。なんと、日差し除けのための天幕が、実はこのコロッセオにはあったのだそうです。
コロッセオ 十字架
コロッセオには、2000年に、当時のローマ教皇ヨハネパウロ2世により寄贈された十字架があります。古代ローマとキリスト教には、深い関係があり、当初は迫害の対象となっていましたが、後に公認され、その後の拡大の基盤となりました。現在でも、グッドフライデーの聖金曜日には、毎年、十字架の道行きのイベントが開催され、キリスト教とも関係の深い場所となっています。
コロッセオの全景と周囲の眺望を楽しむ
コロッセオは、入場した後、好きなところから見て回ることができます。まず、気になるのは円形のコロッセオの外観です。上の方へ上っていって、くるっと一周景色を楽しみます。こうして見渡してみると、人間がとっても小さく見えますが、コロッセオの大きさを実感できます。人が集まっている場所がアレーナと呼ばれる場所です。ここは、いわゆる、剣闘士の闘いが行われた場所を再現したところなのですが、一部分だけ再現されていて、残りの部分は、地下の様子が見えるようになっています。このアリーナへは、みんながアクセスができるわけではなく、アリーナを訪れる特別なツアーに参加した人だけが行くことができるようになっています。
コロッセオは内側だけでなく、外側の景色も楽しめます。所々の窓から人々が景色を楽しんでいます。
コロッセオのすぐお隣には、フォロ・ロマーノとパラティーノの丘があります。コロッセオとの共通券で、コロッセオ見学後にこちらも見学しましたが、さらに古代ローマの世界を感じることができるスポットです。
コンスタンティヌスの凱旋門 (Arch of Constantine) もコロッセオから見下ろせます。
コロッセオ ミュージアム
コロッセオ内には、ミュージアムもあります。くるっと気軽に見て回れるようになっていて、剣闘士と猛獣の闘いのモザイクなど、コロッセオの様々な出土品などが展示されています。
コロッセオは、新世界七不思議の一つに選ばれていますが、古代世界7不思議の一つに、バベルの塔があります。バベルの塔は、バビロンの空中庭園のお隣に立っていたとされ、聖書にも登場します。こちらは、16世紀にフランダースで活躍したアーティスト、ピーテル・ブリューゲルが描いたバベルの塔ですが、ブリューゲルが実際にローマを訪れた際に見たとされる、コロッセオを元に描かれているそうです。
平家物語でもお馴染みですが、バベルの塔と、コロッセオにも、驕れる者久しからず、と言う教訓が込められています。
コロッセオをはじめ、世界の有名観光地は、コロナ前までは、本当に人で溢れ返っていましたが、コロナ後の観光はどんなスタイルになるのでしょう?
人がいない美しい街の様子の動画が色々でていますが、こちらも、美しいコロッセオをはじめ、ローマの名所が色々登場する素敵な映像です。ロックダウン中のローマなのかと思ったら、実は撮影が行われたのは、普通の日でした。普段でも早朝だとこんな撮影も可能なんですね。
イタリアでは、5月18日以降、美術館なども順次オープンしていくようです。しばらくの間は、人数制限のための事前予約やマスク着用などの特別ルールが適用される模様です。
ローマには、様々な素晴らしい美術館があります。一日も早くまたイタリア旅行を楽しめる日が来るといいなと思います。