クーパーヒューイットミュージアム再開! ニューヨークの人気デザイン邸宅博物館 10月末まで無料

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ニューヨークの人気デザイン博物館、クーパーヒューイットデザインミュージアムがいよいよ再開となりました。ニューヨークの多くのミュージアムは、昨秋から順次再開していましたが、クーパーヒューイットは、ワシントンDCを本拠とする国立スミソニアンミュージアムの系列ということもあり、他のスミソニアン系ミュージアム同様、昨年3月以来、長期間の閉鎖がずっと続いていました。いよいよ今月6月10日から、事前予約必須、マスク着用などコロナ対策の上での再開です。うれしいことに、2021年10月31日まで、クーパーヒューイットミュージアムの入場料が無料となります。再開初日、クーパーヒューイットミュージアムの入口に美しい花々が飾られ、まさにお祝いという感じの素敵な雰囲気になっていました。80年代のニューヨークのストリートファッションから、イスラム圏の現代女性ファッション、美しいテキスタイルデザインなど、デザインをテーマとした面白い特別展が現在開催されています。

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ニューヨークのアッパーイーストサイド、ミュージアムマイルにある、クーパーヒューイットデザインミュージアムは、ファッションや工芸など、デザインに特化した珍しい博物館です。建物は、かつて鉄鋼王と呼ばれた大富豪、アンドリュー・カーネギー邸で、威厳ある雰囲気のお屋敷ミュージアムです。

ニューヨークの多くのミュージアムは、既に昨秋から順次再開を果たしていて、クーパーヒューイットは、その中で長期間閉鎖を続けていた数少ないミュージアムでしたが、ワシントンDCのスミソニアン系ミュージアムの再開スケジュールに沿って、6月10日からの再開となりました。そのためニューヨークの他のミュージアムと比べて現在でもかなりしっかりとコロナ対策をしていて、マスク着用や 事前予約 が必須となっています。2021年10月31日までは、入館無料、さらに、しっかりと人数制限がされているため、館内はとても空いていて、ゆっくりと見て回ることができ、今とてもおすすめです。ただし、売切となっていることが多いので、見つけたら即予約がおすすめです。

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1階のギャラリーでは、20世紀後半、ニューヨークで活躍したファッションデザイナー、Willi Smith さんの特別展、Willi Smith: Street Couture が開催されています。もともとは、2020年3月13日にスタートした、昨年中開催予定の特別展でしたが、ミュージアムがずっと閉鎖されていたため順延され、2021年10月24日までの開催となりました。

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Willi Smith さんが、パートナーと共に創業した WilliWear Ltd. は、ストリートファッションを取り入れ、幅広い人々が楽しめるスタイルだったため多くの人々の心をつかむことができました。ファッションショーを、ギャラリーや倉庫のような場所など、ちょっと変わったスペースで開催したり、男女両方のファッションを隣同士にディスプレイしたり、今となっては当たり前になっているようなことですが、当時の常識を打ち破るような人でした。

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ファッション以外のクリエイティブな分野にも進出し、様々なコラボをしたり、商業的にも大成功を収め、現在、成功しているブランドの手法の先駆け的な存在と言えると思います。今あってもおかしくないコラボTシャツも色々と並んでいます。残念ながら、Willi Smith さんは、39歳の若さでなくなられてしまい、その後にブランドが名を残すことはありませんでした。

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店舗デザインなども手掛けていたようです。どこかで見たことがあるような真っ白な世界で、今でもそのまま通用しそうなオシャレなデザインです。

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2階では、お花や動物をモチーフにしたトロピカル柄で有名なファッションブランド、Lilly Pulitzer を支えたテキスタイルデザイナー、Suzie Zuzek さんの特別展、SUZIE ZUZEK FOR LILLY PULITZER: THE PRINTS THAT MADE THE FASHION BRAND が開催されています。

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ケネディ大統領夫人、ジャクリーンケネディさんの花柄のワンピースをはじめ、1960年代から70年代にかけて、リゾートファッションで、人気だったブランドが、Lilly Pulitzer ですが、その影の功労者が、花や動物など自然をモチーフにデザインを担当した、Suzie Zuzek さんです。

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Suzie Zuzek さんは、キーウエストで活動したアーティストで、その個性的な柄は、キーウエストプリントとも呼ばれています。布いっぱいに描かれる花や動物いっぱいのデザイン図柄がたくさん展示されています。

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明るい華やかなデザインが多く、可愛い美しい花々などどれも素敵なものばかりでした。

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お花柄が多いですが、動物柄のデザインもあり、ライオンとチーターなどかっこいいお洒落なデザインが色々登場しています。

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2階では、自然をモチーフとした工芸品の数々が、クーパーヒューイットのコレクションの中から選ばれ、展示されています。

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お皿や銀の食器をはじめ美しい工芸品が、ずらりと展示されています。

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この他、フランス庭園のデザインの展示、THE MODERNIST FRENCH GARDEN: DESIGNS BY THE VERA BROTHERS も行われています。

3階では、イスラム圏の現代女性ファッション展、CONTEMPORARY MUSLIM FASHIONS が行われています。様々なルールがあるイスラム圏ですが、ファッションも、その枠内で自由化が進み、購買力も高いため、現在、多くのファッションブランドが積極的に進出を進めていますが、そんなイスラム圏ならではの現在のファッションやカルチャーが紹介されています。

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いかにもイスラム圏らしい建築と一緒に、そんな背景に調和するファッションで、撮影され美しく幻想的な写真 (Staged Photo) なども展示されていました。

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イスラム圏のストリートファッション。面白いところでは、Mona Haydar の Hijabi (映像) などヒップホップなどの映像も展示されていました。

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スポーツブランドもイスラム圏用の商品を色々と出しています。

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額縁までアートな面白いフォト作品。

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オイルマネーを背景に富が集積した王室たちがいるところは、高級ブランドにとっては、とても大切な顧客が多いエリアとも言えますが、カタールの王妃が着た、Christian Dior や、Jean Paul Gaultier などの美しいドレスの数々も展示されていました。王妃が実際にこれらのドレスを着て活動している映像もすぐ横で流れていたのですが、やはり王妃が実際に身に着けている姿は美しく、ドレスを何倍も素晴らしいものに見せてくれていました。

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クーパーヒューイットミュージアムでは、現在、ミュージアムショップと中庭は、まだ閉鎖されています。
かつて大富豪の邸宅だった館内の様子は、こちらです。

ニューヨークの大邸宅美術館 クーパーヒューイット・スミソニアン・デザインミュージアム

クーパーヒューイットミュージアム再開! ニューヨークの人気デザイン邸宅博物館 10月末まで無料 was last modified: 10月 17th, 2021 by mikissh