新型コロナウイルスが世界各地に広がり、パンデミック状態となり、世界経済に大きな影響を与えています。現在、イタリア、スペインで多くの感染者と死者が出ていますが、その他のヨーロッパ諸国、そしてアメリカでは、感染者が日に日に激増しており、そのカーブを止めれるかどうかの瀬戸際にいます。これ以上の拡大を防ぐため、人々は自宅に籠ることが推奨され、レストランやショッピングの多くのリテール店が閉鎖され、多くのビジネスがほぼ停止状態となっています。そんな現状を受け、トランプ政権は、経済対策の一つとして、当座必要なキャッシュとして多くの国民に現金を配る案を考えているようです。
現在、アメリカをはじめ世界の株式市場は大急落で凄いことになっていますが、アメリカでは、新型コロナウイルス感染者の激増を防ぐため、多くのビジネスがシャットダウンの真最中です。ダイレクトに影響を受けるスモールビジネス、サラリー以外の従業員やコントラクター、失業者も多く出て来ており、レントの支払いなど日々の資金繰りが心配されています。
そんな中、経済刺激策の一つとして、財務長官の Steven Mnuchin さんが、なんと現金を配る案を考えていることを発表しました。もともとは、ソーシャルセキュリティーなどの財源となっている、ペイロールタックス (Payroll Tax) を減税するという案が出ていましたが、その効果は、毎月の給料受取時ということで即効性はないため、少なくともビジネスの閉鎖が継続する今後数週間のキャッシュフローを助ける方が大切だということで、今すぐのケースを想定しているようです。共和党の上院議員、Mitt Romney さんは、一人当たり $1000 配ることを提案していましたが、実現されるとすれば、それくらいの金額になるのかもしれません。
一律のお金を国民が受け取って生活するというのは、AIやロボットなどテクノロジーが進展し、多くの人の仕事がなくなった状態を想定し、議論されているベーシックインカムの世界が思い浮かびます。ある意味、社会民主主義的なベーシックインカムの思想ですが、そんな世界からはかけ離れたトランプ政権が、提案している所が面白い所です。危機的状況の時には、思想の制約なしに具体的な問題を一つ一つ解決していくことができることが大切だと思います。
ベーシックインカムについては、こちらでも詳しく説明しています。
ニューヨークでは、実際のところ、$1000 では暮らしていけないと思いますが、もし実現すれば、多くの人の助けになると思います。
昨日、サンフランシスコやシリコンバレーなど周辺でスタートした、不要不急の サンフランシスコ外出禁止令 (Shelter In place) ですが、ニューヨークでも行われる可能性がでてきました。ニューヨークシティとニューヨーク州で議論されているようで、もしかしたら数日後にはじまる可能性があります。
