ニューヨークのメトロポリタン美術館は、今面白い特別展が目白押しです。ミケランジェロの特別展の他、60年代にアメリカ、ロサンゼルスで活躍していたイギリス人ポップアーティスト、David Hockney さんの特別展も行われています。色使いがとても美しいアーティストで、先日旅行で訪れて実際に見て来たばかりの南カリフォルニアやアリゾナの景色がまさにそのままそこに再現されているような作品が多く見られ、とても楽しめました。
今年の前半にMOMAで行われたフランシス・ピカビアの特別展でも感じましたが、David Hockneyさんも、他のアーティストの特徴を捉えるのが得意で、それを自分らしい作品に仕上げる器用なアーティストのような印象を受けました。その時々で、影響を受けるアーティストが変わり、ガラッと違ったタイプの作品を描いています。
初期の頃は、特に一風変わっていて、David Hockneyさんの作品の主流となるのはその後、風景画や人物像なのですが、当初のモチーフはかなり違うもので、まるで違うアーティストの作品かと思うくらい異なっています。時代の流行もあると思いますが、アーティスト自身が受ける影響によってこんなにも作品を器用にコロッと変わらせることができるというのも才能の賜物かもしれません。
デイヴィッド・ホックニーさんの代表作となっているものはこちら、美しい水色のプールをモチーフとしたとてもカリフォルニアらしい作品です。
カリフォルニアらしい建物と緑、そして一緒に涼し気なプールが気持ち良さそうです。
実際に先日旅先であった光景ですが、南カリフォルニアというとこんなイメージですよね。デイヴィッド・ホックニーさんの作品を見ていると思い出します。
LAらしいすっきりとしたインターナショナルスタイルのビルの景観の作品です。
先日 ロサンゼルスカウンティー美術館 を訪れた時にまさに目の前にあった建物が、同じような雰囲気を感じさせるインターナショナルスタイルのビルでした。
ロッキー山脈とネイティブアメリカンを描いた作品。
こちらの作品は富士山だそうですが、ジョージア・オキーフ風なタッチで仕上がっています。
シカゴ美術館 にある有名な Grant Wood の American Gothic 風な作品。他にも、ノーマン・ロックウェル風の作品もありました。
デイヴィッド・ホックニーさんの1980年代の作品です。これ、まさに今でいうインスタ風ですね。
南カリフォルニアからアリゾナ方面の西へ向かうと、荒野が広がり、ジョシュアツリーが見られます。
南カリフォルニアのジョシュアツリー国立公園へ先日訪れた時に、確かに見ました、こんなたくさんのジョシュアツリーが生えている光景を。
そして、グランドキャニオンには、誰もが感動する景観が広がっています。
思わず絵を描きたくなる心境がよく分かります。
ヨーロッパの景色では、全然違った雰囲気の繊細な色使いの作品もありました。
美しく伸びる直線が印象的です。
マティス風色使いの最近の作品も展示されていました。
最近では、iPadに描いたりと、新しいメディアでのアートも生み出しています。
デイヴィッド・ホックニーさんはこんな人です。まだまだある有名作品をこちらのメトロポリタン美術館の紹介ビデオで御覧頂けます。
ニューヨークでは、極寒の日が続いていますが、そんなニューヨークを脱出し、思わず南カリフォルニアやアリゾナ旅行へ行きたくなってしまう作品が並んでいます。
日本出身で1960年代にニューヨークで活躍した草間彌生さん同様、デイヴィッド・ホックニーさんも同時代にイギリスからアメリカへやって来て、ロサンゼルスで活躍したアーティストで、現在は80歳、アメリカの景観も含めアメリカンアートの影響が強く感じられるアーティストです。
デイヴィッド・ホックニー特別展は、2018年2月25日まで開催されています。
連日氷点下の極寒のニューヨーク。こんな日は、一日楽しめるメトロポリタン美術館を訪れてみるのもおすすめです。
▶️ 現在、メトロポリタン美術館では、ミケランジェロ展も開催中!
楽しい週末を♡