以前、こちらの「AI」に関する記事でも紹介しましたが、とうとう世界中の注目する、グーグルの人工知能「AlphaGo」vs 囲碁界の世界トップレベル選手の対決がはじまりました。囲碁は自由度が高く、手数の可能性が莫大な数となり、コンピューターが勝つのは無理ではないかといわれていましたが、囲碁界の世界最高峰の一人であるプロで9段の、イ・セドルさんが、アルファベット傘下の DeepMind が開発する人工知能「AlphaGo」に挑むという対決が、賞金$1 millionをかけて、韓国、ソウルでいよいよはじまりました。
前評判では、人口知能「AI」では、まだ最高レベルの人間に勝てないのではないかと言われていましたが、そんな人々の予想を覆し、なんと初戦を飾ったのは、「AlphaGo」でした。
「AlphaGo」の開発を続けてきた DeepMind の創業者たちが喜びの声をツイートしています。
Huge milestone in AI! AlphaGo beats the world champion Lee Sedol! We made history! What an incredible moment! 🙂 pic.twitter.com/Un4imciEYS
— Mustafa Suleyman (@mustafasuleymn) March 9, 2016
#AlphaGo WINS!!!! We landed it on the moon. So proud of the team!! Respect to the amazing Lee Sedol too
— Demis Hassabis (@demishassabis) March 9, 2016
囲碁というゲームは、総当たりで全てのケースをわりだし、最適解を求めるというコンピューターが得意とするやり方が通用しないほど、手数に多くの可能性のある複雑なゲームです。直観や感性というような人間ならではの感覚が必要とされるゲーム、囲碁で、「AI」が勝利をおさめたというのは歴史的な出来事です。
人工知能「AlphaGo」が、囲碁の勝負に勝つために、”Machine Learning” 、”Deep Learning” などのテクニックを使い、もともとのコンピューターならではの強みを持つ「AI」にひたすら学習や経験をさせていくという、まさに天塩をかけて育てていった成果だと思います。
ちなみに、こちらのビデオでは、”Machine Learning” “Deep Learning”と言った難しいコンセプトをわりと分かり易く解説しています。
今回のゲームは、全5回のうちのまだ初戦で、今後2日に一度のペースで残りの4戦が行われます。対戦の模様はライブストリームされています。
どんな人が開発しているの?と興味を持った人は、少し長いですが、こちらをどうそ。創業者の Demis Hassabisさんが、なぜ、どんな興味からAI の開発に携わっているのかについて説明しています。
DeepMind では、ルールが明確で、人々が、長年、慣れ親しみ、かつコンピューターが負かすのが難しいと言われていた囲碁に焦点を当て頑張ってきたようで、今まさにその成果を実演で試すときがやってきました。そして、これは最高の宣伝効果を上げているように思います。今後、そこで培ったテクノロジーをヘルスケアやロボットなどその他の分野に活用していく予定のようです。
将来、このようなルール、目的がはっきりとしたゲームでは、AI 対 AI の戦いになっていくのかもしれません。人の役割は、いかに賢い AI システムをデザインできるか、そしてそれを育てていけるかという競争になりそうです。