秋のはじまり9月の風物詩Feast of San Gennaroがリトルイタリーで始まったようです。これはナポリからの移民が1926年に守護聖人San Generroを祝う祭りを行ったのがはじまりという伝統のあるイベント。
イタリア系移民の多いニューヨーク周辺にはこのリトルイタリーを始め、ブロンクスのArthur Street、そしてその他の地域にも多くのイタリア食材店があります。その中でも特にお気に入りでリピートしてしまうのがこのリトルイタリーにあるDi Palo’sです。大行列にも関わらず、一人一人、対話、試食しながらのんびりと買い物が進む、昔ながらのイタリア食材店。休日にワインとともに楽しむ夕食やおもてなし料理を用意したい時などにおすすめです。アメリカに居ながらイタリア気分を味わえます。
Di Palo’sは1925年から代々家族経営で続いてきたイタリア食材の専門店です。
お店の人が何代も世代交代している中、同じようにお客さんの方も世代交代しながらこのお店に来ているのです。すごいと思いませんか?おばあちゃんから、お母さんへ。お母さんから娘へ。そして、その子供へと受け継がれていくんです、このDi Paloの味が。それくらい愛されている名店なのです。
このお店は対面販売方式のお店。入り口で番号札をとって、順番を待ちます。順番が来たら、お店の人と色々相談しながら品物を選びます。
おすすめのチーズは? サラミはどれがおいしい? と尋ねれば、お店の人が選んでくれて、数種類の試食を出してくれます。食べ比べて気に入ったものを買います。
組み合わせの相談にも喜んでのってくれるので、お店の人と話しながら買うというプロセスをも楽しむお店なのです。
そう、そんなお客様ひとりひとりと丁寧に向き合ってくれる接客は、本当にうれしいのですが、
当然のことながら他のお客さんも同じように時間をかけて相談しながら買うので、順番待ちの時間が長くなります。でも、そんな待ち時間も他のお客さんが相談している様子を観察していると楽しいです。商品の勉強にもなります。あまりにも混んでいる時は、番号札を取り、ちょっと外で時間をつぶしてから戻ってくることもあります。
自分が試食している時に、それを見た他のお客さんが、「わぁ、おいしそう、それなあに?」って聞いてくることもよくあります。そんな時お店の人は周りの人にも試食させてくれたりするすごくフレンドリーな雰囲気のお店です。
お気に入りは、San Danieleのプロシュート。プロシュートと言ったらParmaが有名ですけど、甘みがあり味わい深いSan Danieleおすすめですよ。あと、シンプルなハムのProsciutto cotto、ピスタチオ入りのMortadellaなども定番。サラミは、SoppressataやGenoa Salumiなど。
何を買っていいか分からなくてもご心配なく、お薦めを聞けば喜んで教えてくれます。誰が担当になるかは順番なので選べませんが、Di Paloさんをはじめ男性のベテラン勢はプロシュートなどを芸術的に薄く切ってくれます。
イタリアということで、セミハード、ハードタイプのチーズが多いのですが、それぞれどれもとてもたくさんの種類があり迷ってしまいます。通常の牛のチーズはもちろん、ペコリーノ(羊)、カプリーノ(ヤギ)などタイプを伝えるとその中で美味しいものが次から次へと出てきます。ここで、定番パルミジャーノ・レッジャーノなどとならんで人気なのはマウンテンチーズのPiave Vecchioです。またモツァレラやブラータなどもおすすめ。ここのチーズとCured Meatはたとえ同じ銘柄でも他店と比べ管理がいいのか、よりおいしく感じます。
イタリアンブレッドも周囲にある色々なベーカリーのものを豊富に取り揃えていますが、個人的には一番シンプルなセモリナパンが好きです。
バルサミコ酢もModenaのいいものを教えてくれます。イタリアにおいてあるような年代物まではありませんが、ここの10年物はとろりとた感触で本当に美味です。
Di Paloのオリーブオイルも有名です。お薦めはお店の人が教えてくれます。また限定品もあり、毎年12月ー2月くらいにその年にとれたオリーブの絞りたてのオリーブオイルのボトルが届きます。ゴールドのパッケージがされていて、これは常連さんが即買していく商品なのであっという間に売れ切れてしまいます。クリスマス前後に届いてた年もありましたが、1月末くらいのこともあります。
パスタソースとフレッシュパスタも人気商品!
この同じ棚に、ラザニアや、Eggplant Parmesanが売っているのですが、これがすごく美味しいのです。
秘伝レシピのお惣菜もおいしいんです。アーティチョークは必ず買います。それ以外にも出来立てのものとかが並んでいるとついつい買っちゃいます。
Di Palo’s
200 Grand St, New York, NY 10013 MAP
アメリカにおいて、古き良きヨーロッパの伝統を守り、時間を忘れさせてくれるこのような個人経営のイタリア食材の名店、大切にしていきたいですね。San Gennaro Festivalは21日まで開催されるようです。お祭りの季節、是非立ち寄ってみて下さい。