ヨーロッパには多くの格安エアライン会社があり、ヨーロッパ内であれば、驚くほどの値段で航空券を手に入れることができます。それに対してアメリカから大西洋を越えヨーロッパへのトランスアトランティックフライトに関してはニューヨークではそこまで劇的に安いエアライン会社は就航していませんでした。そんな中、同時期に二つの超格安航空会社がニューヨークへの便をスタートすると発表がありました。
一つ目は、アイスランドを拠点とする Wow Air です。11月からアイスランドの首都レイキャビクからニューアークまでの便をデイリーで就航予定で、なんと片道 $99 からのチケットを発売するようです。レイキャビク経由でロンドンなど、トランスアトランティックのヨーロッパ便は $149 から。ただし機内サービスなどミニマムサービスのフライトで、例えば、機内荷物の持ち込みに関しても、重量が一定を超えるとエキストラフィーがかかる仕組みになっています。
アイスランドを拠点とする Wow Air は、2011年に創業したばかりの会社だそうですが、ボストンやサンフランシスコ、ロサンゼルスなど既にアメリカのいくつかの都市では運航を開始しており、満を持してのニューヨーク便就航のようです。ニューヨークからのトランスアトランティックの格安エアラインは初となり、一旦、ヨーロッパのいくつかのハブ空港に到着してしまえば、多くのエアラインがヨーロッパ中の様々な場所を結んでいるだけにうれしい新路線となるかもしれません。
Start spreadin' the news…
You can now fly from NEW YORK to ICELAND for as low as $99 😮https://t.co/5v9xv17SjY pic.twitter.com/mniokEtmT0— WOW air (@wow_air) June 29, 2016
フライトの予約を手掛かりに旅行中に必要な様々なサービスをワンストップショップで直接提供することを目指すビジネスモデルだそうです。
詳細は、CEO の Skúli Mogensen さんがこちらのビデオで説明しています。
もう一つは国内便でラスベガスを拠点とし西海岸で多くの路線を持っている Allegiant Air(アレジアント航空)です。
同じく11月から週に3、4便の頻度で、ラスベガス (Las Vegas) とニューアーク (Newark)、または シンシナティ (Cincinnati)、サバナ (Savannah) を $39 で、アッシュビル (Asheville)、ノックスビル (Knoxville) へは $41で結ぶそうです。こちらも、例えばクレジットカードでの購入の場合 $8 チャージするなど、様々なものにエキストラフィーがかかり、ベースの料金ではミニマムサービスのフライトとなります。同形態のスプリント、フロンティアなどとともにUltra Low-Cost Carrierと呼ばれています。
ラスベガスはアメリカの中でもとても人気のある旅行先です。
ラスベガス旅行と合わせてサバナやアシュビルに足を延ばしてみることもできますね。どちらもアメリカ国内の人気の旅行先で、とても雰囲気のいい南部の町です。
このような流れを後押ししているのは、FAA(連邦航空局)によるニューアーク空港における離陸するフライトの数に関する制限の緩和です。混雑や遅延に問題があった2008年に始められた制限で、ピーク時には一時間当たりのフライトの数を81本に制限してきました。最近では、混雑の改善が見えてきていることから、今秋の10月終わりからその制限が緩和されることになったのです。
これらをきっかけに利用者にとっては選択肢が増え、さらにエアライン間で競争が起こり、より便利になっていく、うれしい変化ではないかと思います。これらのエアラインのおかげで、逆にニューヨークへやってくる人も増えそうですね。