現在、ニューヨークのメトロポリタン美術館の分館である メットブロイヤー (Met Breuer) では、カラフルなイタリアのインテリアや工業デザインの元祖である、エットレ・ソットサス (Ettore Sottsass) の特別展、”Ettore Sottsass: Design Radical” が開催されています。ポストモダンの斬新なデザインで、MOMA のような雰囲気となっていて、インテリア好き、デザイン好きには楽しい展示となっています。
イタリアのインテリアや雑貨のデザインと言うと、色鮮やかでカラフルなものが思い浮かびますが、その元祖とも言えるのが、エットレ・ソットサス (Ettore Sottsass) のデザインで、イタリアだけでなく世界に大きな影響を与えた建築家&デザイナーです。
タイプライターなどの味気ない製品も、カラフルにすると楽しい気分になってきます。エットレ・ソットサス (Ettore Sottsass) は、タイプライター会社のデザインを請け負いつつ、世界の様々な場所を旅していたそうで、そんな中、インドで出会った様々なカラフルな色使いに大きな感銘を受けたそうで、それが、その後のデザインに大きな影響を与えています。
ポストモダン以前は、シンプルなデザインのモダニズム時代で、そんな時代の作品もありました。ただ、どことなくポップな雰囲気のソットサスの作品です。
同時代のアーティストとして Donald Judd の垂直にパネルを並べた作品も対比するように展示されています。
こちらは、Oeuffice による、記事トップの写真にあるソットサスの Ziggurat に影響を受けた寄木細工のような美しい作品。
Memphis と呼ばれる新しいデザインを追求しようとする建築家、デザイナーのグループを創始し、それまでとは違ったポストモダン的なデザインの流れを作ったことでも知られています。Memphis は、グループのミーティングでたまたまかかっていた音楽の一節から思いついた名前だそうです。
そんなムーブメントの代表として知られる作品が、こちらのソットサスによる “Carlton” Room Divider です。部屋の仕切り、本棚、引き出しなどが合わさったもので、一度見たら忘れられないデザインです。
シカゴ美術館でも見かけました。
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キュートなチェストの数々。2007年に亡くなったエットレ・ソットサス(Ettore Sottsass) の最後の頃の作品です。
デザインのインスピレーションは、歴史的な遺産だったり、ポップアートだったり、と幅広い興味を持った人で、日常の中でも周囲を色々と観察したりする中から生まれてきたデザインのようです。
布のデザインも手掛けていて、その鮮やかな色彩のデザインの媒体は多岐に渡ります。
ソットサスのユニークなベッド。ベッドに合わせるようにこちらもユニークな机が並べられています。机は、別のデザイナーの作品です。
教会、十字架をイメージしてデザインされたソットサスの黄色の家具。
左側の作品は、ソットサスの黄色の家具にインスピレーションを受け作られたもので、なんと裏は、教会になっています。そのイマジネーション力に脱帽です。
こちらの映像では、モダニズムからポストモダニズムへと移り変わる時代に活躍し、イタリアはもちろん、世界のデザインに大きな影響を与えたエットレ・ソットサス(Ettore Sottsass) が詳しく紹介されています。
一階のミュージアムショップにもカラフルで、キュートなものがたくさん並んでいます。
ニューヨークにもショールームがあるメンフィスグループの影響を感じさせるイタリアのインテリアデザインブランドの Kartell は、ソットサスのデザインを復刻 (Kartell goes Sottsass) させたりもしているようです。
ニューヨークへ来たら外せないミュージアム、見どころいっぱいのメトロポリタン美術館と共通券になっているので、一緒に訪れることができます。
現在、メトロポリタン美術館で開催されているコムデギャルソンの川久保玲の特別展は、レイバー・デーの週末、9月4日までとなっています。