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恐れを知らない少女像 vs チャージングブル!ニューヨークで話題の新パブリックアート

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ニューヨークの有名なパブリックアートである、ウォールストリートのフィナンシャルディストリクトのブロードウェイに立つ牛の像「チャージングブル (Charging Bull)」の目の前に、先月、突然、まるでその牛に立ち向かうかのように女の子の像が出現しとても話題になっています。その一躍人気者になっている女の子の像はその名も「恐れを知らない少女 (フィアレスガール Fearless Girl)」です。
もともと人気者だった「チャージングブル」の目の前に、さらにこの「フィアレスガール」まで出現し、観光客がさらに集まってくる超人気スポットとなっています。特に「恐れを知らない少女」の方は、女性に大人気!小さな女の子から、大人の女性まで、この果敢な女の子像と一緒に写真を撮りたい!と列ができるほどになっていて、すっかり定番の写真撮影スポットになっています。

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先月、自由の女神のライトアップが消えた夜、国際女性デー(International Woman’s Day) の前日の3月7日に、この「恐れを知らない少女像 (Fearless Girl)」は突然現れました。
もともと一週間の予定で許可を得た少女像でしたが、一躍話題となり、一週間の予定が1か月に延長され、さらには来年の2月までこの場所にいられることになりました。

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一緒に記念撮影!

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大人たちもうれしそうに一緒に写真を撮っていきます。

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この「恐れを知らない少女像 (Fearless Girl)」はどうして、ここに現れたのでしょう?女性の権利のための運動?それとも、本当にチャージングブルとの共演のため?
じつはこの作品、聞いてびっくり、投資会社による投資商品のマーケティングのための作品だったのです。女性の取締役が多い企業に投資するファンドのマーケティングのためのコーポレートスタントなのです。ちなみにこのフィアレスガールの制作者は女性アーティストのKristen Visbal さんです。

投資会社のインデックス ETF の宣伝と聞くと、ちょっとがっかりな気もしますが、世の中に多くみられる何気なくつくられていて、あまり魅力的に感じないCMやポスターなどに比べると、おもしろみがあり、アート性もあり、少なくともみんなが楽しめるものを提供しているという点で評価できるかもしれません。

対する「チャージングブル」も相変わらずの人気ぶりです!

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こちらの「チャージングブル」の由来は、1987年に起こった株式マーケットのクラッシュの後、ブラックマンデーを乗り越え立ち向かっていくというポジティブな意味合いを込めて、アーティストの Arturo Di Modica さんが自費製作し、1989年にニューヨーク証券取引所の前に許可を取らずに勝手に設置したゲリラアートでした。後ほど現在のブロードウェイ沿いに移されてきて、今でもずっとそこに居続けています。

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そんな背景もあり、Arturo Di Modica さんの「チャージングブル」の作品には、Arturo Di Modica さん自身の思いもあり、そういう意図を無視した上で、違ったニュアンスでブルの存在を利用しようと現れた「恐れを知らない少女」の作品が許せないようで、会見を開いたりし、この少女の像を排除するための努力をしています。

ニューヨーク市長はこんな反応をしています。

「チャージングブル」のアーティストの気持ちも理解できますが、どちらもゲリラ的にみんなの関心を得ようと突然現れたアートという点では同じであり、また場所がパブリックスペースである以上、パブリックに判断を委ねるしかないかなという気がします。

ちなみに、こちらの記事ではアーティスト達の個性的な活動、アート感などを紹介しています。

ミスター ブレインウォッシュ Mr. Brainwash のストリートアートの世界 ニューヨーク ハイラインの隠れ人気ギャラリー Life is Beautiful!

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恐れを知らない少女像 vs チャージングブル!ニューヨークで話題の新パブリックアート was last modified: 9月 2nd, 2017 by mikissh