アメリカは、現在、40年振りの高インフレが続いていますが、そんなインフレを抑制すべく、政策金利の急激な利上げによる金融引き締めが行われています。政策金利のレベルを決定する連邦準備制度理事会 (FRB) による、米連邦公開市場委員会 (FOMC) が、昨日から今日にかけて開催されていましたが、市場の予想通り、前回6月同様、75bp、0.75% の政策金利の大幅利上げが発表されました。アメリカでは、ここしばらく40年振りの高インフレが続いており、そんなインフレ抑制の最大のツールとなっているのが政策金利です。パンデミック中のゼロ金利政策から脱却し、3月には 0.25%、5月に 0.5%、6月には1994年以来約30年振りとなる0.75%の利上げが行われました。それに続き、今回7月の変更は、6月同様の0.75%の大幅利上げとなります。6月からは、中央銀行が今まで買い支えてきた債券など保有する資産の売却を進める、量的緩和(QT)の解除もはじまっています。
アメリカでは、今年に入り、40年振りの高インフレが続き、食料品、ガソリンなど日常の生活の中でもインフレを実感する場面が多くなっています。インフレの原因は、パンデミックによる需給の激しい変動やサプライチェーン問題、ロシアによるウクライナ侵攻など様々な要因によるもので、コントロールするのは難しいですが、そんな中、政策金利の利上げは、インフレ抑制の最大のツールの一つとなっています。
パンデミック以来続いていたゼロ金利が今年3月に解除されて以来、5月4日には、2000年5月以来となる 50bp、0.5%の引き上げ が行われ、6月15日には、1994年11月以来となる 75bp、0.75%の大幅利上げ が行われていましたが、今日7月27日には、前回同様再び0.75%の大幅利上げとなりました。これで、フェドレートは、2.25%-2.5% となり、前回の利上げサイクルの政策金利の最高値となった2019年のレベルに到達しています。今回のインフレサイクルで最高を更新した、5月の消費者物価指数 と 6月の消費者物価指数 の発表を受け、市場の予想通りの 75bp の利上げです。
アメリカでは、金融危機が起こった2008年以来、長期間に渡り、ゼロ金利政策が続いていましたが、2015年から前回の利上げサイクルがはじまり、2018年12月から2019年7月にかけて、FFレートは、2.25–2.50%に達し、その後、下降を続け、コロナ以降、再びゼロ金利に戻っていました。
また、量的緩和も6月から解除がはじまり、米国債、モーゲージ債の売却を進めて行くことも発表されました。FOMCの発表の詳細は こちら です。FRBのジェローム・パウエル (Jerome Powell) 議長の声明は、こちら(PDF) です。
急激な金融緊縮が続けば、株式や不動産の価格下落など資産価格全般への影響は不可避となり、既に様々なリスク市場で、大きな変化が起こっています。アメリカは、これまで同様、インフレ抑制に本気で取り組み続ける一方、景気などの動向にも注意を払っていくとしています。次回の連邦準備制度理事会 (FRB) の開催は、6週間後の9月中旬となり、引き続き、50bp または、75bp の利上げが予想されています。
銀行間の短期の貸し借りで使用される政策金利のFFレート (Federal Fund Rate) が上昇すると、短期金利が上がり、預金の金利が上昇するのはうれしいですが、一方、ローンやモーゲージなど借りる際の金利も上昇してしまいます。
モーゲージレートは、既に大幅上昇をはじめています。不動産市場にも大きな影響があります。
アメリカのびっくりなインフレの最新情報は、こちらです。