ニューヨークには、多種多様なミュージアムがありますが、ここ数年、リノベーション、移転など様々な理由で閉館してしまうミュージアムが増えて来ています。チェルシーにあるチベットやネパール、インドなどヒマラヤ及その周辺エリアの美術に特化した珍しいミュージアム、ルービン美術館(Rubin Museum of Art) もその一つで、2024年10月6日を最後に閉鎖となってしまい、その後は、グローバルなバーチャルミュージアムとして活動していくことが発表されています。閉館前に是非訪れてみたいという人は、急ぎましょう！金曜日の夜は、無料で入館できる K2 Friday Nights も開催されています。

ニューヨークのチェルシーにあるルービン美術館(Rubin Museum of Art) は、2004年にオープンしたヒマラヤンアートに特化したミュージアムで、チベット、ネパール、ブータン、インド、中国、モンゴルなどヒマラヤ周辺の彫刻をはじめ仏教、ヒンドゥー教など宗教と密接な関係のある作品のコレクションを誇り、そんな作品を展示した常設展に加え、様々なテーマの特別展も開催されています。

美術館となっているのは、かつてバーニーズニューヨークが入っていた建物で、ギャラリーの中央に位置する美しい螺旋階段が映える神秘的な雰囲気です。
ルービン美術館は、創立20周年目となる今年2024年の10月6日に閉館となってしまい、その後は、グローバルなバーチャルミュージアムとして活動していくことになるそうです。

ルービン美術館では、仏教やヒンドゥー教などアジア文化に欠かせない存在となっている宗教アートの作品の数々が展示されています。初めての人、作品の背景などを詳しく知りたいという人は、週末の午後2時、金曜日の夜7時15分などに行われているガイドツアーで見学することもできます。

ヒマラヤらしい作品と言えば、チベット仏教で有名な女性の神様、ターラ(Green Tara)。グリーンとホワイトの2種類の姿があり、こちらは左足をたたんだまま、右足を伸ばしたリラックスした姿が特徴のグリーンターラです。日本では、あまり見かけないエキゾチックな雰囲気の仏様です。ターラは、日本では、多羅菩薩として知られています。

少し雰囲気が違いますが、こちらもグリーンターラ。ちなみに、ホワイトは、仏像のようにしっかりと両足を組んで座っています。

チベット仏教で欠かせない曼荼羅も様々な作品が展示されています。

お馴染みの仏像も展示されています。13世紀のチベットの仏陀釈迦牟像。

こちらは、13世紀のネパールの作品、ヒンドゥー教の神様カップル、シヴァ(Shiva)とパールヴァティー(Parvati)。ガネーシャ、ガルーダ、インドラなどなど様々な神様が飾られています。

ヨガのようなポーズをしているチベット仏教らしいヴァジュラヨーギニー像(Vajrayogini)など多種多様な神様の像が展示されています。

チベット仏教の寺院を再現した部屋もあります。

仏教でお馴染み、手作り感溢れる摩尼車。思わずくるくる回ってしまいます。

そんな歴史的な作品と合わせて、世界感やビジュアルに影響を受けた現代アートの作品も展示されています。

こちらは、特別展の一つ、瞑想したり、匂いを嗅いだり、シンバルのような楽器を叩いたり、視覚、聴覚、嗅覚など五感を駆使してインタラクティブに感情の変化を体験することができる Mandala Lab です。

仏教で祈りや瞑想に使用されるシンバルのような楽器の高さを調整し、水につけたり上げたりした時の音の変化を聞いたりします。子供たちにも人気のコーナーです。

ヒマラヤ美術に影響を受けた作風の現代アーティストのグループ展、Reimagine: Himalayan Art Now も行われています。
禅な感じですが、同時に抽象アートのカラーフィールドのような感じでもあるミニマルアートの作品。

ヒマラヤ美術がCGになって現在に蘇ったような感じの映像作品もあります。

書道のように筆感が印象的な作品、繰り返しが多用された作品など仏教的なデザインがアジアらしさを引き立てています。

1階には、Café Serai があります。ルービン美術館では、金曜日の夜は10時まで延長でオープンし、無料で入館できる K2 Friday Nights が開催されています。その時間帯は、K2 Lounge に変身し、ドリンクやDJによる音楽などが楽しめます。

ミュージアムショップには、色々と面白い、センスのいい商品が並んでいます。

ルービン美術館は、2024年10月6日に閉鎖となってしまうので、訪れてみたいという人は、急ぎましょう。今後の K2 Friday Nights は、9月6、13、20日となっています。10月4日は、フェアウェルパーティが行われます。

Rubin Museum
150 W 17th St, New York, NY 10011 地図

ルービン美術館を紹介した以前の記事はこちらです。

ルービン美術館 金曜夜におすすめのクールなバーとミュージアム

デジタルアートとヒマラヤアートが融合！NYルービンミュージアムでアジアの美術を楽しむ Rubin Museum of Art

ニューヨークでは、現在、フリックコレクション、ニューミュージアムがリノベーション工事のため閉館中で来年2025年の早い時期に再開が予定されています。また、フォトグラフィスカは、移転を計画していて、現在の場所は、9月29日が最後となります。