多くの人がニューヨークというと、「ニューヨーク=ニューヨーク・シティ」のイメージを連想すると思いますが、ニューヨーク州は実はとっても広い州です。世界中から観光客がやってくるマンハッタンやブルックリンなどのあるニューヨークシティというのは、実は大きなニューヨーク州のほんの小さな一部分。ニューヨーク・シティから北の方へ車で4時間程行ったところに、イサカという大自然に恵まれた町があります。マンハッタンにも大きなメディカルスクールや病院があり、ルーズベルト島にもCornell Tech がやってくることもあり名前は聞いたことがあるかもしれませんが、アイビーリーグの一校、コーネル大学のメインキャンパスがある町です。イサカのあるフィンガーレイクスというエリアは春になると綺麗な花が咲き、緑が美しく、秋になると綺麗な紅葉が見られ、湖、川、滝と水の溢れる自然いっぱいのとてもいいところです。マンハッタン周辺からだと週末旅行でもふらっと行ける距離にある意外と知らない魅力のある町、イサカとその周辺を紹介したいと思います。
コーネル大学 (Cornell University) は、東海岸に8校あるアイビーリーグ (Ivy League) の名門大学のひとつです。アメリカの大学は敷地も広く、とても美しいキャンパスがあることが多いですが、その中でも特にアイビーリーグの学校は素晴らしいです。アイビーリーグは、古くからある、由緒ある私立大学のグループで、歴史を感じさせる趣ある校舎に、大学のミュージアムや教会などの施設もあり、キャンパス自体が一つの街を構成するかのような贅沢な作りになっていることが多いです。1865年に設立されたコーネル大学は、アイビーリーグの大学の中では最も新しく設立された大学で、とても広い敷地の中、中央には、綺麗な時計塔がそびえるキャンパスがあり、アメリカらしい明るくさわやかな雰囲気の大学です。この日は、留学でやってきていた友人に大学内を案内してもらいました。
コーネル大学には、幅広い分野があるのですが、中でも、工学、ホテル経営学、農学、獣医学は、最高峰のレベルだそうです。こんな美しい図書館があるとやる気がでそうですね。
ホテル経営学の大学院があるコーネル大学は、近くでホテル経営のビジネスも行っています。ホテル経営学部の生徒たちが働いているので、やる気があるいいスタッフばかりで評判も上々です。そのホテルは、このイサカの町の周辺では、一番高級の4つ☆ホテルとなっていて、まわりと比べるとよいお値段なのですが、人気で満室になってることも多いです。このコーネル大学のホテル経営学といったら、実は、日本の星野リゾートの星野さんも卒業されていて、有名な高級ホテルのマネジメントに携わる人なども学びにきているところでもあります。
ホテル経営学や法科大学院など案内してもらった後、大学の中にある美術館も訪れました。アメリカの有名大学にある美術館へ行くと、毎回思いますが、メトロポリタンなどの美術館ほどの規模はもちろんありませんが、なかなか素晴らしい品ぞろえで、一級のコレクションを気軽に見学できる環境が素晴らしいなと思います。
ガラス張りの美術館も明るい日の光が入り、外の景色も一望できてとても素敵な場所です。
大学のライブラリーは太陽の光が差込み、明るくとても素敵なインテリアです。生徒たちも楽しそうに勉強をしていて、この光景を見たらみんなきっとあこがれてしまいそうなキャンパスライフです。
カフェやホテルなどで働いている学生は、おそらくコーネル大学の人が多いんじゃないかと思うのですが、みんなとっても真面目でテキパキ働いていてすごく好感が持てました。学生に限らず、イサカの町の店員さんはみんなすごくフレンドリーです。どこから来たの?どうしてイサカまで来たの?って色々なところで聞かれました。コーネルの友達のところへ遊びに来た、というとにっこりして、観光はどこかへ行くの?家からイサカへ来るまでにどれくらいかかるの?とさらに質問は続きます。アメリカののどかで平和な田舎町、暖かい人柄の人が多いイサカ、素敵なところです。最近、少しづつ変化してきてはいますが、アメリカ内でも接客態度が悪いことで有名な大都市ニューヨークからやってくるとよりあたたかみを感じます。
イサカの町のダウンタウンの中心地、イサカコモンズ (Ithaca commons)。ダウンタウンは明るい雰囲気の町並です。
イサカの町の周りには本当にのどかな光景が広がっています。車で移動中、何キロも草原の道を走っていくこともありますし、急な坂道も多いところです。
アイビーリーグのコーネル大学見学の後は、イサカの自然も楽しんできました。イサカがあるエリア、フィンガーレイクスとは、指のように細長い湖が連なってあることから名づけられ、そこには多くの面白い形の湖があります。氷河期の後に形成された湖で水深が相当深い部分もあるようで、とても美しい湖の景色が広がっています。
(Fingerlakesmap by Michael J at Wikipedia)
この旅では、二つの州立公園に訪れました。その一つ目は、フィンガーレイクスの湖のひとつ、カユガ湖の畔にあるタガノック滝州立公園(Taughannock Falls State Park)です。公園の名前にもなっているようにこの公園には、こんなダイナミックな滝もあり、トレッキングコースのゴール地点になっています。
森の中を歩いていくのですが、コースがずっと平坦なので、とてもかんたんなトレッキングコースです。
水量の少ない時は巨大な一枚岩の上を流れる川の脇を歩いて行くこともできます。
川沿いを歩いている時の川の水のせせらぎが本当に癒しの音です。
二つ目の州立公園は、お隣のセネカ湖の近くワトキンズ・グレン州立公園(Watkins Glen State Park)です。
Gorge Trailというハイキングコースは川のすぐそばを歩くことができてとても気持ちのいいコースです。
ただし、川横のトレイルは、大雨の前後には川の水があふれて鉄砲水になる危険性があるので進入禁止になってしまいます。
“Lover’s Lane” 恋人の道 という素敵な名前の道もありました。
フィンガーレイクトレイルというハイキングコースへ訪れてみました。
木陰のTrailを進んで行くと鉄橋があります。線路の上を歩いてみたかったのですが、意外と線路の隙間が大きく、下を見るとかなり怖いです。映画「スタンドバイミー」の男の子たちのように線路を渡っている最中に電車が来てしまい逃げ場がなくなり必死に走る、そんな姿を想像してしまいます。
ワトキンズ・グレン州立公園は、19もの滝があり、岩と水、そしてこれからの季節は新緑のハーモニーも美しい公園です。
夏の避暑地として、週末に泊りがけでドライブで訪れてみると楽しい自然豊かなフィンガーレイクスです。ナイアガラへのドライブ旅行の途中に立ち寄るのもいいかもしれません。
実はFinger Lakesと呼ばれるこのエリアの特徴は自然だけではないんです。全米でも有数のワイン作りの地としても有名で、素敵なワイナリーがたくさんあります。
フィンガーレイクの Cayuga Lake の南端、Ithaca から車で50分程、Seneca Lake の南端、Watkins Glen から30分程のコーニングという町に、とても美しいガラスミュージアムもあり、合わせて訪れてみるのもおすすめです。
ニューヨーク郊外には他にはこんな見どころもあります!