アメリカでは、いよいよ今日、12月14日から新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されました。その記念すべき第一号となったのは、ニューヨークの集中治療室で働く看護師さんです。昨年までは、その存在すら知られていなかった新型コロナウイルスが、今年に入ってから急速に世界中に広がり、パンデミックを引き起こしましたが、そんな中、数多くの製薬会社により、新型コロナウイルスのワクチンの開発が、急ピッチで行われてきました。アメリカで、先週の金曜日、12月11日に、アメリカ食品医薬品局、FDA による承認第一号となったのが、ファイザー (Pfizer) と ビオンテック (BioNTech) が共同開発したワクチンです。
こちらが、今朝9時20分からライブストリームで公開された、承認されたばかりの、アメリカで初となる、記念すべき、新型コロナウイルスワクチン接種の様子です。アメリカ食品医薬品局(FDA) により、アメリカで初めて、EUA (Emergency Usage Authorization) の承認を受けた、コロナワクチンは、ニューヨークを拠点とするアメリカの製薬会社、ファイザーの開発したものでした。CDCによる推奨 により、医療関係者や高齢者などハイリスクとされる人々が優先的に処方されることになっています。
まだ新型コロナウイルスの存在が確認されてから一年も経っていませんが、パンデミックとなり、世界中に大きな打撃を与え続けているウイルスという事で、アメリカ政府の オペレーション・ワープ・スピード と銘打たれた支援政策もあり、多くの製薬会社が、凌ぎを削って、ワクチン開発競争を繰り広げて来ました。通常では、数年間はかかるとされる新ワクチン開発ですが、一年以内という驚きのスピードで、いくつものワクチンが開発され、承認済み、または、承認間近となっています。
アメリカで、FDA による EUAの承認第一号となったのは、ニューヨークを本拠とするアメリカの製薬会社、ファイザー (Pfizer) と ドイツの製薬会社、ビオンテック (BioNTech) が開発した新型コロナウイルスワクチンで、モデルナ (Moderna) のワクチンも、早ければ今週金曜日の12月18日にも承認される予定で、承認間近となっています。
どちらも新技術の mRNA ベースのワクチンで、治験の結果によると、95%前後とハイレベルの有効性が確認されています。ファイザーのワクチン は、華氏-70度前後、モデルナのワクチン は、華氏‐20度前後と、かなりの低温での保存が必須となり、輸送や保存に注意が必要となります。
ワクチン開発の様子は、こちらで分かりやすく紹介されています。mRNAベースのワクチンでは、こちら のCDCの紹介にもあるように、弱毒化または無効化した抗原そのものを接種するのではなく、抗原の特徴を捉えた設計図であるmRNAを接種し、それを基にそれぞれの人が抗原の特徴的なタンパク構造を作り出し、免疫系に認識させ、訓練するという仕組みの新方式です。
ワクチンの製造のスピードにも制約があるため、アメリカのコロナの状況を一気に改善させることはできないですが、今後半年程のスパンで、ワクチンにより感染状況は大きく改善してくれるのではないかと思います。現状では、限定的な治験の結果だけでは心配という人も多いと思いますが、今後、ワクチン接種者が増え、特に問題がなく効果も確認されるようになってきて、全体として状況が改善に向かっていけば、信頼も増し、接種者もどんどん増えて行くのではないかと思います。
ワクチンの歴史については、こちらの映像でまとめられています。