ブルックリンにある、プロスペクトパークは、マンハッタンのセントラルパーク的存在のブルックリンの巨大な公園で、紅葉の名所でもあります。散策や、ランニング、サイクリングなどのエクササイズや、瞑想、ピクニック、スポーツなど様々なアクティビティを楽しむローカルたちの間で人気のスポットで、ウィズコロナの今年は特にいつも以上の賑わいをみせています。ニューヨークシティにいるとは思えないほど自然が豊かで、起伏のある丘や、どこまでも広がる広大な芝生、水辺の景色が美しい池など変化に富んだ園内には、秋真っ只中の現在、美しい紅葉のおすすめスポットがいっぱいです。

プロスペクトパークは、ブルックリンの中央のパークスロープ、プロスペクトハイツ、クラウンハイツなどのエリアに囲まれた巨大な公園です。プロスペクトパークに隣接したブルックリン植物園の紅葉を見に訪れた際に、プロスペクトパークも合わせて散策してみました。

この日、出発地点に選んだのは、地下鉄F、G線の駅、15 St – Prospect Park が最寄りのパークスロープ南部の入り口、Bartel-Pritchard Square 入口です。入口周辺では、水曜日と日曜日に、グリーンマーケットが開催されていて、パンや野菜、お肉やシーフードなど様々なお店がやって来ていました。プロスペクトパーク内では、この他、グランドアーミープラザの入口周辺でもグリーンマーケットが開催されています。プロスペクトパークのグリーンマーケット情報は、こちらです。

プロスペクトパーク

プロスペクトパークは、とても巨大な公園で、ランニングやサイクリングなどのエクササイズの場合は、公園を広く周回する大通りを進んでいけばいいのですが、あまり馴染みがない人にとっては、それ以外では、どこが見どころで、どこに向かったらいいのか、迷ってしまう人も多いと思います。プロスペクトパークを散策してみると、街中とは思えない程自然がいっぱいで、先が遠くまで見通せない曲線の道が多く、先に何があるんだろうとワクワクします。

セントラルパークをよく知っているいる人は似ているなと感じると思いますが、プロスペクトパークは、セントラルパークのデザインで知られる Frederick Law Olmsted と Calvert Vaux のコンビによりデザインされた、セントラルパークに続き、19世紀後半、1870年頃に完成した歴史ある公園です。

公園を大きく分けると、下の地図にあるように、上部、公園西側のパークスロープ沿いに広がっているのが、巨大な芝生のロングメドウ (Long Meadow) で、みんなで集まってピクニックや運動、イベントを行ったりするのに最適です。ロングメドウ (Long Meadow) の下には、山の中のような雰囲気の森が広がる丘があり、その下には、巨大な池、レイク (Lake) があります。紅葉は、園内を気ままに散歩していても楽しめますが、森や池など下の地図のオレンジ色の4つ星周辺を目指していくと、特に見どころとなっている場所なのでおすすめです。
プロスペクトパークのインタラクティブマップは、こちらです。

Penninsula

やはり紅葉が一番映えるのが、水辺の風景です。プロスペクトパークの南部にある大きな池、レイク (Lake) の周りの木々も美しく紅葉しています。池の周りでも特に見晴らしがいい、おすすめ紅葉スポットが、半島を意味する Penninsula と名付けられているエリアです。公園の中央下部を東西に結ぶ Wellhouse Drive 沿いから池の方に入って行きます。

気持ちのいい池の周りにやってきました。

プロスペクトパークでは、よく一人で瞑想している人を見かけます。池の周囲には、冬の氷結時に関する注意の看板をよく見かけますが、その看板の裏は、外と隔離された感じで、特に人気の瞑想スポットになっています。そんな池の周りの木々をよく見晴らせると共に、人通りが少なく、隠れスポットのような雰囲気が漂う Penninsula は、静かに憩いの時間を過ごしたい人たちに人気の紅葉スポットです。

とても気持ちのいい紅葉の季節、森の中を散策している人を多く見かけます。

レイクでは、セントラルパーク同様、ボートで遊んでいる人を多く見かけますが、現在は、ウィズコロナで営業中止になっています。池の周りには、赤、オレンジ、黄と様々な色に変化した木々が点在しています。

プロスペクトパークの紅葉で一番きれいだったのはここ！
池は公園の内部にあるので、森に囲まれていて、風がほとんど吹きません。すると、まるで鏡のように美しい水面への反射が見られます。
アップステートニューヨークへ紅葉を見に行った気分になれる場所かも。

Lookout Hill

Penninsula の近くには、小高い丘のルックアウトヒル (Lookout Hill) があります。Penninsula 側から訪れる場合に目印となるのが、こちらの記念碑、Maryland Monument です。アメリカ独立戦争時の 1776年8月27日、ルックアウトヒルで起こったのが、ロングアイランド（ブルックリン）の戦いです。メリーランド州からやって来た400人の部隊が、ジョージ・ワシントンの部隊を逃がすために、250人もの犠牲を払い戦ったそうです。

周囲の紅葉の木々を見ながら、階段を上って行くと、頂上に到達します。春から秋にかけては鬱蒼とした森の中のような雰囲気ですが、葉がなくなる冬には、ブルックリンの周囲が見渡せる展望スポットになります。

Boathouse & Lullwater Bridge

プロスペクトパークの水辺の紅葉で、Penninsula と並ぶ、おすすめ紅葉スポットが、ボートハウスと Lullwater Bridge 周辺です。Lullwater と呼ばれる池に面した、歴史ある装いのボートハウスは、当時のニューヨークの著名建築ファーム、McKim, Mead and White によりデザインされ、1905-07年に建てられた歴史的な建物で、国定歴史建造物 (National Historic Landmark) に指定されています。現在では、ウエディングなどイベント会場としても使用されていますが、建物前の階段は、普段、ローカルたちの人気くつろぎスポットになっています。

プロスペクトパークには、国家歴史登録財 (National Register of Historic Places) に指定されているよく知られる、グランドアーミープラザ近くの Meadowport Arch をはじめ、趣のあるアーチ橋が5つありますが、ボートハウスの近くには、その一つ、The Cleft Ridge Span があります。石造りではなく、なんと当時の最新技術だったコンクリートで造られた1871年から1872年にかけて建設されたアーチ状のトンネルです。

池の周りの木々も美しく紅葉しています。

ニューヨークにいる事を忘れてしまいそうな森の中の池の雰囲気で、釣りを楽しむ人も。

Luluwater にかかる美しい橋が、Luluwater Bridge です。この日は、2羽の白鳥も遊びにやって来ていました。Luluwater の下流には、プロスペクトパーク最大の池、Lake があります。

Luluwater Bridge は、橋自体も美しいのですが、周辺の紅葉が特に美しく、写真撮影にやって来る人はもちろん、絵を描いている人もよく見かけます。

池の北側には、小さな滝があったりと清涼感溢れる雰囲気です。

この滝は、Luluwater の上流には、Binnen Water と呼ばれる池があり、二つの池を結ぶことから Binnen Fall と呼ばれています。滝の上には、木造りのような雰囲気の Binnen Bridge がかかっています。Binnen Water から上流に向かうと、Ambergill Pond、Upper Pool & Lower Pool、Fallkill Pool といくつもの池があり、その水源となっているのが、Fallkill Falls です。
プロスペクトパークの水系は、実は自然のものではなく、人工的に造られたもので、水道水同様、バルブの開閉により水量を調節しているそうです。

Neathermead

園内中央、ボートハウスや Luluwater Bridge がある池、Luluwater 近くには、Neathermead と呼ばれる芝生エリアがあります。

広大なロングメドウと比べるとコンパクトな芝生エリアで、周囲を森に囲まれた、プロスペクトパークの隠れピクニックスポットです。芝生からの周囲の紅葉も綺麗ですが、芝生エリアに点在する木々も見事な紅葉となっていました。

Ravine

プロスペクトパークで、セントラルパークのランブル (The Ramble) のような深い森の中のような雰囲気となっているのが、カラスを意味する、レイヴン (The Ravine) と呼ばれる小高い丘のエリアです。郊外にハイキングにやって来た気分が味わえる森林スポットです。散策の途中に、周囲の紅葉も楽しめるおすすめスポットです。