アメリカ金利 利上げなし!FF金利据え置き 2022年3月以来の急激な利上げがようやく小休止

アメリカの政策金利のレベルを決定する、連邦準備制度理事会 (FRB) による、米連邦公開市場委員会 (FOMC) が、昨日から今日にかけて開催されていましたが、今回6月は、市場の予想通り、政策金利の据え置きが発表されました。アメリカでは、ここしばらく高インフレが続いており、そんなインフレ抑制の最大のツールとなっているのが政策金利です。パンデミック中のゼロ金利政策から脱却し、約一年間で、0% 付近から 5.25% へと10回連続で急ピッチで金利が引き上げられました。ようやくインフレも落ち着いて来た感がでてきており、前回の会議での示唆の通り、利上げも小休止となり、様子見局面へと移行しました。



アメリカでは、昨年2022年は、40年振りの高インフレとなりましたが、パンデミックの終焉による正常化や、2022年3月以来10回連続の急激な利上げの効果もあり、最近では、インフレはだいぶ落ち着いて来ています。その一方、シリコンバレー銀行(SVB)、シグネチャー銀行、直近では、ファーストレパブリック銀行など金利リスクなど経営状況に不安がある銀行が取り付け騒ぎで破綻するなど副作用も出てきています。

パンデミック以来続いていたゼロ金利が昨年2022年3月に解除されて以来、2022年5月4日には、2000年5月以来となる 50bp、0.5%の引き上げ が行われ、6月15日には、1994年11月以来となる 75bp、0.75%の大幅利上げ、2022年7月27日には、再び 0.75%の大幅利上げ、2022年9月21日も、0.75% の大幅利上げ、2022年11月2日も、4回連続となる0.75%の大幅利上げ、2022年12月14日は、利上げ幅が少し下がり、0.5% の利上げ、2023年2月1日は、さらに利上げ幅が下がり 0.25% の利上げ、2023年3月22日も、0.25%、25bpの利上げ、そして、前回2023年5月3日も、同じく0.25%、25bp となり、10回連続での利上げが行われてきましたが、今回2023年6月14日は、とうとう利上げがありませんでした。
フェドレートは、これまで通り、5.00%-5.25% で、不動産バブルとなっていた2006-2007年以来の高金利になっています。

インフレの指標となっている消費者物価指数、CPI は、2022年6月は、9.1% と今回のサイクルの最高値となりましたが、その後下降し、最新の 2023年5月のCPIは、4% まで下がって来ています。


(tradingeconomics.com)



FF金利の今後の見通しを表すドットプロットの中間値である 5.125% に達し、FRB の声明からは、これまであったさらなる利上げを示唆する文言が削除され、インフレ、雇用、景気、クレジットに関するデータを見ながら、今後の判断をしていくとしていて、状況によっては今後しばらく様子見局面となる可能性を示唆していました。

ドットプロットは、FOMC を構成する12人のメンバーの今後のFF金利の見通しをグラフ化したものです。4半期(3ヵ月)に一度、年に4回アップデートされ、今回の6月のFOMCで更新されました。
今回の金利サイクルの最高利率の中間値は、これまでの5.125% から5.6% と上昇していて、今年、さらに2回程利上げが行われる可能性が示唆されています。その後の下がり具合もさらに緩やかになっています。


(FOMC – Projection 202303614(PDF))

2023年3月は、2022年12月と同様の予測となっていて、中間地は、前回とほぼ同様の5.125% でしたが、その後の下りが若干緩やかになっていました。


(FOMC – Projection 20230322(PDF))



FOMCの発表の詳細は こちら です。FRBのジェローム・パウエル (Jerome Powell) 議長の声明は、こちら(PDF) です。目標に掲げる 2% のインフレ率を目指し、利上げのペースは減速しており、今回は、これまでの利上げの効果の様子を見るために小休止し、今後のインフレ、雇用、経済の状況により対応を変えていくとしています。

金融緊縮が小休止となる模様であることから、株式市場が好調だったり、既に様々なリスク市場で、大きな変化が起こっています。アメリカは、これまで同様、ターゲットである 2.0% に向け、インフレ抑制に本気で取り組み続ける一方、景気などの動向にも注意を払っていくとしています。次回の連邦準備制度理事会 (FRB) の開催は、6週間後の 7月25日、26日となり、据え置き、または、25bp の利上げが予想されています。

銀行間の短期の貸し借りで使用される政策金利のFFレート (Federal Fund Rate) が上昇すると、短期金利が上がり、預金の金利が上昇するのはうれしいですが、一方、ローンやモーゲージ、クレジットカードなどで借りる際の金利も上昇してしまいます。
モーゲージレートも、大幅上昇していて、不動産市場にも大きな影響があります。前回のサイクルトップ、2006、2007年の水準を超え、2001、2002年の水準に近づいてきました。
昨年10月、11月以来、少し下がり基調でしたが、再び高値に近づいてきています。


(freddiemac)

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アメリカ金利 利上げなし!FF金利据え置き 2022年3月以来の急激な利上げがようやく小休止 was last modified: 12月 13th, 2023 by mikissh