シカゴの郊外にある街、オークパークには、フランク・ロイド・ライトの家をはじめ、立派な豪邸が建ち並んでいます。フランクロイドライトが1889年にオークパークに自身の家を完成させ移り住んでからは、それが彼の最大の宣伝となり、たくさんのプロジェクトの依頼があったのでしょう、その周囲にはフランクロイドライトがデザインした、またはフランクロイドライトのデザインの影響が感じられる数々の豪邸が立ち並んでいます。フランクロイドライト邸と建築スタジオを訪れたらオークパーク周辺も合わせて散歩してみるのがおすすめです。

フランク・ロイド・ライトの家の西側、Forest Avenue にはライトの設計した豪邸がいくつかあります。
フランクロイドライトの家と建築スタジオ (Frank Lloyd Wright Home and Studio) の見学後、引き続き、ヒストリック・ネイバーフッド・ツアー (Historic Neighborhood Tour) に参加してみました。オーディオツアーを借りてライトの家のすぐ近くの家々を見て周ります。オーディオでそれぞれの家についての詳しい解説を聞きながら自分のペースで見て周ることができます。歴史的建造物 (National Historic Landmark) や国家歴史登録財 (National Register of Historic Places) に指定されている歴史的な家がずらりと並んでいます。地図の番号に沿って順番に見ていきましょう。

Frank Lloyd Wright Home & Sudio

地図①‐③　出発地点は、1889年に完成したフランク・ロイド・ライトの家です。

Arthur B. Heurtley House

地図④　ライトの家のすぐそばにあるのは、Arthur B. Heurtley House。1902年に建設された横方向への広がりを感じさせるプレーリースタイルの家です。赤レンガのロマネスク風のアーチが印象的です。

The Charles A. Purcell House

地図⑤　1893年に建てられたクイーンアン様式の家は、The Charles A. Purcell House。実はこちらはフランク・ロイド・ライトによるデザインではありませんが、オークパークの歴史的建造物となっている建物で、後にプレーリースタイルの建築でフランク・ロイド・ライトに次いで有名となるウィリアム・グレイ・パーセル (William Gray Purcell) が子供の頃住んでいた家だったようです。

Laura Gale House

地図⑥　Laura Gale House は、1905年から1909年にかけて建設された家です。周囲の家と比べると小さな家ですが、フランク・ロイド・ライトらしいプレーリースタイルの建築で、家の斜めからのフォームは、後にフランク・ロイド・ライトの代表作として知られる 1936年に完成した落水荘 (Falling Water) のデザインを感じさせます。

Peter A. Beachy House

地図⑦　Peter A. Beachy House は、1906年にフランク・ロイド・ライトがリモデルを行った家で、こちらも赤レンガが印象的です。

Frank Thomas House

地図⑧　1901年に建てられた家で、フランク・ロイド・ライト自身の定義によると最初のプレーリースタイルの建築だそうです。

Hills-Decaro House

地図⑨　1906年にフランク・ロイド・ライトがリモデルした家です。屋根の部分のデザインが日本やアジアのパゴダに影響を受けたものだそうです。

Nathan G. Moore House

地図⑩　1895年に、Nathan G. Mooreさんの依頼により、フランク・ロイド・ライトがチューダーリバイバル様式でデザインした家です。まだかけ出しの頃だったのか、フランク・ロイド・ライトらしさを出せないプロジェクトということで、その完成形を気にいっていなかったようですが、後に、1923年にリモデルする機会に恵まれたようです。チューダーリバイバル様式のフランク・ロイド・ライトにしては珍しい家です。