Frank Lloyd Wright Home and Studio (1)

フランクロイドライトの家とスタジオ シカゴ オークパークでアメリカ建築の巨匠に触れる

Frank Lloyd Wright Home and Studio (1)

シカゴは近代高層ビル建築発祥の地で、ヨーロッパ流ではないアメリカ独自の建築を生み出した、アメリカ建築においてとても大きな影響を与えた都市です。建築好きにとっては見どころが盛りだくさんの街、シカゴですが、そんな見どころの一つが、日本の帝国ホテルの建築などに携わり、日本の建築や文化にも大きく影響を受けた「近代建築の三大巨匠」ともよばれるアメリカの有名建築家、フランク・ロイド・ライトの家とスタジオ (Frank Lloyd Wright Home and Studio) です。シカゴの中心地から少し離れた閑静な住宅街、オークパーク (Oak Park) にあり、その周囲にはフランク・ロイド・ライトの家だけでなく、彼が設計した豪邸が建ち並んでいます。

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シカゴは1837年に誕生した街で、東海岸の都市と比べると新しい都市ですが、19世紀に交通網の発展や土地投機などにより驚くほどの急激な成長を遂げ、19世紀の最後の方にはなんとアメリカで2番目に大きな都市となりました。
シカゴの歴史に残る1871年のシカゴ大火の大火事で街の大部分が焼き尽され、そこから建築で有名な街シカゴが始まります。建物がすべて消失し大きなキャンバスとなった土地は次第に値段が高騰していきました。そこで土地の有効利用のために発展を遂げたのが、現在も続く、鉄骨を利用した高層ビルの建設です。そんな大規模な建築ブームにより、多くの建築家と富がシカゴに集まってきたようです。そんな中、フランク・ロイド・ライトの建築家としての人生がスタートし、その拠点となったのがここオークパークのフランク・ロイド・ライトの家とスタジオ (Frank Lloyd Wright Home and Studio) です。

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玄関からロビーに入るとリビングルームへとつながります。フランク・ロイド・ライトらしいスペースをきっちりと有効利用した完璧な配置で、日本好きを感じさせる浮世絵も飾られています。フランク・ロイド・ライトは日本を何度も訪れ、かなり長期滞在し、建築のデザインにも携わったことがある大の日本好きでした。そんな滞在中に収集した浮世絵をはじめ日本アートのコレクターであり、ディーラーだったそうで、プロジェクトの少ない時には日本アートを売ってやりくりしていたそうです。

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当時、22歳と若かったフランク・ロイド・ライトは、シカゴの著名な建築家で “The Father of Skyscrapers” と呼ばれる、近代高層ビル建築を確立した建築家の一人 Louis Sullivan の下で働いていました。このフランク・ロイド・ライトの家の建築資金は Louis Sullivan からのローンによるものだったそうです。ライトはとても気に入られていたようで、この家では色々と試行錯誤を試みていたそうです。ローンは他からの仕事を受けないという条件だったようですが、そんなことはおかまいなしに、他からの仕事を受け、わりとすぐに独立してしまったようです。ちなみにこちらは、Louis Sullivan に関するドキュメンタリーのトレイラーです。
幾何学模様のデザインがあちらこちらに散りばめられていて、天井から光が入るようになっています。

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ライトの家のダイニングルームです。背の高い椅子が並んでいて、天井にはとても美しいステンドグラスがあります。ライトの家は天井が低い設計なのですが、このダイニングに着席すると、不思議と天井が高く見える工夫がされています。

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それぞれのお部屋の窓一つ一つもデザインが違っていておもしろいです。

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各部屋に暖炉がありますが、どれもフランク・ロイド・ライト流のコンパクトに見せる工夫がされている暖炉です。

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天井にはゴージャスなステンドグラス。

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彩も綺麗。

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日本家屋のように狭い廊下ですが、丸みのある天井で狭さを感じさせない工夫がされています。狭い空間を抜けた先に、開放的な広々とした空間を配置することにより、心理的に大きなインパクトを与える、フランク・ロイド・ライトの得意とする設計パターンです。

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丸い円弧を描く天井。

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子供部屋もきっちりとした設計で、グランドピアノや書棚は壁に埋め込んでしまう形にしています。

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天井には日本の家紋を彷彿とさせるデザインの美しい豪華なステンドグラス。

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こちらも日本の影響を感じさせるデザインのランプ。

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フランク・ロイド・ライトのファミリー。

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赤ちゃんのこのベッドは、ライトの奥さんが選んだもので、おそらく唯一ライトのテイストが入っていないものです。リクライニングチェアに座って赤ちゃんをあやしていた様子が垣間見れます。

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ライトの家はオリジナルのデザインを忠実に維持しながらも、リフォームもされているのでこれだけ綺麗な家の状態を保てているのですが、一部壁にオリジナルの壁の様子が残っています。

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三角形のとんがり屋根のお部屋は、メインベッドルームです。

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ベッドルームの隣にはバスルーム。小さなバスタブも日本風。

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この灯り、実はライトのシンボルマークです。

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もうひとつのベッドルーム。

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日本の洋館でも見かけたことがあるような雰囲気です。

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フランクロイドライトのスタジオです。金庫があったり、設計図などが置かれています。

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ダイニングルームには背の高い椅子がありましたが、こちらは逆に背の低い椅子。家中、統一感のあるデザインの家具が揃えられています。

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天井部分を支えるための鎖がかけられています。

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美しい書斎。ステンドグラスの彩鮮やかな優しい光が照らす、素敵な書斎です。

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独特な水平方向への美しい伸びを感じさせるライトならではの建築、プレーリースタイルの大元となった傑作建築だと思います。フランク・ロイド・ライトは、ヨーロッパ流建築から離れ、アメリカ独自のスタイルの建築を切り拓いた先駆者です。

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世界的な巨匠、フランク・ロイド・ライトの建築関連の写真集や本、グッズなどギフトショップも充実しています。

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フランク・ロイド・ライトの家とスタジオ (Frank Lloyd Wright Home and Studio) のお庭には、緑が美しい大きな立派な木が立っています。自然に融合したデザインを得意とするフランク・ロイド・ライト、この木も家のデザインの一部なのかもしれません。フランク・ロイド・ライトは数々の豪邸をデザインしてきましたが、ライト自身の家は、一見外観からすると普通の家のようで最初見た時は驚きました。でも、ツアーに参加して内部を色々とみていくと、やはりフランク・ロイド・ライトらしさがたくさん散りばめられた素晴らしい家でした。

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こちらのドキュメンタリーで、フランク・ロイド・ライトは、実際に自分で試してみること、自分なりの哲学を持つことなどアーティストをはじめ、何かを創り出す仕事をする人にとって普遍的に大切なことを語っています。
フランク・ロイド・ライトが特に大切にしていたのは「自然」、そして「自然との調和」だったようです。

グラスハウスでも紹介したことがあるライト後のアメリカのモダニズム、ポストモダニズムの著名な建築家フィリップジョンソンもフランク・ロイド・ライトの才能には嫉妬していたようです。

こちらで、フランクロイドライトの人生について詳しく紹介されています。

シカゴの中心ループから CTA グリーンライン または Metra の電車で訪れることができます。ライトの家のあるオークパーク自体はとても安全なエリアですが、電車で行く場合、途中少し治安の良くないエリアを通過します。週末の朝に電車で行きましたが、ちょっと変わった様子の人が乗っていたので、日中であれば問題ないと思いますが、気になる場合は、タクシーや Uber などで訪れるといいと思います。オークパークの駅に到着してからも15分くらい歩くので車の方が便利です。

ライトの家の周辺にはライトがデザインした家が点在しており、散歩しながら見て回ることができます。ただし、通常、家の中を見学することはできません。

シカゴオークパーク散策 フランクロイドライト建築の豪邸巡り

今年はライト生誕150周年ということで、5月20日には、通常開放されていな周囲のライトのデザインした家も訪れることができる Wright Plus 150 という特別イベントが行われるので、フランク・ロイド・ライトのファンは参加してみても面白いと思います。ちなみに、ニューヨークのMOMAでも6月からフランク・ロイド・ライトの特別展が行われます。

Frank Lloyd Wright Home and Studio
951 Chicago Ave, Oak Park, IL 60302 MAP

シカゴの中心から少し南、シカゴ大学のあるハイドパークにも、ライトが手掛けたプレーリースタイルの最高傑作の一つとされるロビー邸があります。

シカゴ ロビーハウス Robie House シカゴ大学に隣接したフランクロイドライトのプレーリー様式の傑作建築

ピッツバーグ近郊にある落水荘グッゲンハイム美術館もフランク・ロイド・ライトの代表的な建築です。

フランクロイドライトの家とスタジオ シカゴ オークパークでアメリカ建築の巨匠に触れる was last modified: 5月 14th, 2017 by mikissh