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最近アメリカで話題の新コメディードラマ フレッシュ・オフ・ザ・ボート

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(ABC)

最近、アジア系アメリカ人をテーマにしたTVシリーズ、”Fresh Off The Boat”がABCの火曜夜8時枠(EST)で放映されていて話題となっています。ニューヨークのイーストビレッジにあるレストラン、BaoHausのシェフでライターでもあるEddie Huangさんの回想録を基につくられたシチュエーションコメディー(Sitcom)で、設定は90年代、ワシントンDCに住んでいた台湾系アメリカ人一家がフロリダのオーランドに引っ越し、アメリカの典型的な郊外生活に馴染んでいく様子とその苦労をちょっと大袈裟めのストーリー展開で面白おかしく描いています。
ダイバーシティー(多様性)が強く叫ばれているアメリカですが、テレビや映画においてアジア系が主役となったものはほとんど見かけることはありません。テレビシリーズにおいてアジア系がテーマとなったのはなんと20年ぶりだそうです。

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(ABC)

ニューヨークなど世界中から人が集まりあらゆる人種がいるような大都市は比較的馴染みやすいのですが、アメリカ全体からみたらそういう環境はむしろとても珍しいことです。全体から見ると白人の多く住んでいる郊外の方が典型的なアメリカの姿と言えると思います。郊外に住むにしても、住環境の条件を選ぶと自然と偏ってしまうのか、同じ出身国の人たちが多い地域にさらにその国の出身の人が集まる傾向もあり、このドラマのように同じ出身国の人が周りに全くいないような場所で生活をはじめるというのはいい意味でチャレンジングでもありますが、より苦労することも多いかと思います。
そんな中、国は違っても同じアジアということで、アジア系の人々が一般的に遭遇する様々なステレオタイプや苦労は共通するものがあるんだ、ということがこのドラマを見ているとわかります。ドラマにでてくる兄弟は、対照的に描かれていて、弟は驚きの適応力を発揮し、登校初日からすんなり友達もでき、ガールフレンドなんかもすぐできちゃいそうな感じで、何の悩みもない楽しい毎日を送っています。一方、お兄ちゃんは、毎日がチャレンジで頑張らないといけないタイプ。異質なものに敏感に反応し、思ったことをそのまま表現してしまうことの多い子供の世界において自分とは違ったカルチャーを持つグループに馴染んでいく大変さが伝わってきます。お母さんも白人コミュニティーに上手く溶け込もうと奮闘する様子もおもしろいです。自分達とは異なった価値観のコミュニティーの中でプレッシャーを感じながらも生きていくとこんなこともあるよね、っていうアジア系の人々が大なり小なり経験したことがあると共感できる要素をちりばめながら進んでいくコメディーです。

Eddie Huangさんはアジア系がスポットライトを浴びること自体は歓迎しているようですが、テレビの脚本・演出は気に入ってないようで、こんなツイートをしています。

話は変わりますが、観光地などで、どこから来たの?と聞かれ”ニューヨーク”と素直に答えると、えっという顔をされるような経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?
こちらのビデオではアジア系の人が経験しがちなステレオタイプ的な対応を面白おかしく描写しています。

ニューヨークなど特定の大都市を離れると、多様性のアメリカと言いますが、自分以外の違う文化や価値観に興味を持ち、受け入れ、理解するということはほとんどの人にとってはとても難しいことなんです。理解を示してくれる姿勢を見せてくれても、思い込みや勘違いで正しい理解ではなかったり。そんな中、全国放送のテレビでデフォルメされているかもしれませんが、珍しくアジア系を主役としたドラマが放送されるのは価値があることなのかもしれません。テクノロジーが進化し、以前とは違った形のコミュニケーションも可能になりつつある現在ですが、世間一般の認識や行動を変えるのは大変なこと、まずはその存在を認知してもらわなければなりません。そんな方向へのいいきっかけになるといいですね。ドラマは日常を話題にしたコメディなのでストーリー展開もシンプルで、また共感できる部分もあったりして楽しめると思います。英語を勉強中の方にもおすすめです。
ちなみに今週の火曜がシーズンの最終回になりますが、直近の数回分はABCのサイトで、それ以前のエピソードはhulu、Amazon、Google Playなどで見ることができます。

最近アメリカで話題の新コメディードラマ フレッシュ・オフ・ザ・ボート was last modified: 9月 6th, 2016 by mikissh

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