ハワイ・オアフ島のアラモアナとダウンタウンホノルルの間のカカアコ (Kakaako) というエリアで見かけた壁画、グラフィティ (Graffiti) の数々。ニューヨークにもたくさんありますが、ハワイのグラフィティは、なんだかハワイらしさを感じさせるやわらかい雰囲気のアートが多いような感じがします。
何がハワイらしいのかなぁ、とよくみていると、ハワイのグラフィティは、海、風、魚、動物、自然をテーマにしているものが多いのです。
建物全部をアートで埋めたり、見て回るだけでも楽しい気分になります。
ニューヨークにはない優しいイメージのアート。海の中のマーメイドも可愛らしくて好きです。
壁に絵を描くという行為は、昔はアーティストの自己アピールのための行為でした。何かのメッセージの意味を含んでいることもあり、いわゆる自己表現の側面が強く、許可なく公共のスペースや建物の壁に絵を描いたりするので、どちらかというと取り締まりの対象になるような行為でした。
ところが、最近の壁画は違います。こちらの記事でも紹介しましたが、壁画グラフィティのアーティストとして有名なバンクシー (Banksy) さんという人がいるのですが、彼の描く絵はとんでもない金額で売れるのです。それほど著名なグラフィティアーティストにも関わらず、実は正体不明の人物ともいわれていますが、彼のようなアーティストのおかげで、グラフィティが広く認識されるようになり、価値が見直されてきました。
なぜ今、街中にたくさんアートが描かれるようになったのでしょうか?
実は、街にグラフィティアートを描くことで、街の雰囲気が改善され、不動産価値の上昇にも貢献するようになっているのです。最近、ニューヨークでは、大企業による広告のグラフィティアートも多くみられるようになっています。
ハワイのグラフィティアートが見られるカカアコのエリアでも、新築コンドの建設ラッシュが見られました。
ニューヨークのブルックリンのブッシュウィックというエリアでは、”The Bushwick Collective” という街中にアートを増やそう!という活動でエリア全体が活気づいていきました。世界中からアーティストたちがやってきて、街中がまるでミュージアムのようになっています。そんなアートプロジェクトの成功の効果もあり、そのエリアへの人の往来も多くなり、街は活気づいていったのです。アートは人の心を癒す効果がありますが、治安がよくない地域をヒーリングする効果もあります。
このハワイのカカアコのエリアのアートもそんな効果を発揮しているのかもしれません。
ブルックリンのブッシュウィックコレクティブについてはこちらで紹介しています。
ニューヨークのグラフィティといったらブルックリンのウィリアムズバーグ、
イーストハーレムも有名です。
それぞれの地域で見比べてみると街の個性が見えてきます。