ニューミュージアムに有名黒人現代アーティストたちの力作が大集合!Grief and Grievance

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ニューヨークの人気現代アートミュージアム、ニューミュージアムでは、ブラック・ヒストリー月間 (Black History Month) の2月中旬から、アメリカにおける黒人の歴史をテーマにしたアフリカ系アメリカ人アーティストのグループ展、”Grief and Grievance: Art and Mourning in America” がはじまりました。絵画、彫刻、写真、映像から、巨大な車が登場したり、観葉植物がいっぱい並べられた個性的な巨大なインストレーションアートまで幅広い、あっと驚く個性的な作品の数々が展示されています。

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アメリカでは、2月は、黒人歴史月間 (Black History Month) となり、様々な関連イベントが開催されます。ロウアーイーストサイドにある人気コンテンポラリーアート美術館、ニューミュージアムでは、2月17日から、アフリカ系アメリカ人の歴史をテーマにした新特別展、“Grief and Grievance: Art and Mourning in America” がスタートしました。
美術館の受付がある一階から、壁一面が、Adam Pendleton さんの白黒作品で覆われて、ガラっと雰囲気の違うミュージアムに変身していました。

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40人近いアフリカ系アメリカ人アーティストによる、公民権運動時代の1960年代から現在に至るまでの様々な作品が、2から4階までの3フロアに渡って展示されています。国際的に活躍したナイジェリア人のキュレーター、Okwui Enwezor さんの発案による展示で、Okwui Enwezor さんは、2019年に亡くなられてしまいましたが、その意志を引き継ぎ、準備され、とうとう開催に至ったという力が入った特別展となっています。

それぞれのフロア毎に、テーマが異なり、雰囲気が違っていますが、最も未来的で、癒しの空間となっているのが、4階で、中央には、数多くの観葉植物やクールなガジェットが並べられた巨大なインストレーションアートが飾られています。こちらは、Rashid Johnson さんの2016年の作品、Antoine’s Organ です。

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周囲には、Julie Mehretu さんの未来的な雰囲気の抽象アート作品などが飾られています。Julie Mehretu さんは、グッゲンハイム美術館で、アーティストがキュレートする面白い特別展 にも参加していたアーティストです。

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4階から3階へは、一方通行の階段を下りていくのですが、その途中に、あっと驚く長細い旗が掲げられたインパクトのある通り道があります。
旗も、アフリカの伝統文化的な存在の一つですが、こちらは、Hank Willis Thomas さんの2018年の作品、”14719″ です。2018年にアメリカで、14719人もの人が、銃で撃たれて死亡した,
そんな犠牲者を星条旗の星で表現しています。

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3階は、絵画、彫刻、パフォーミングアートなど著名なアフリカ系アメリカ人現代アーティストの作品が数多く展示されています。階段を下りてすぐのところにある、こちらの作品は、Howardena Pindell さんのフォークアート風な作品、Autobiography: Water。その横には、Melvin Edwards さんの溶接鋼による彫刻の数々が飾られています。

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ここ数年、ハイラインの The Spur や、グッゲンハイム美術館、ホイットニー美術館などに作品が展示され、すっかり有名になった Simone Leigh さんの作品も登場しています。

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こちらは、バスキア (Jean-Michel Basquiat) の作品です。

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バスキアは、通常のキャンバスアート以外にも、板に描いたものなど、様々な作品を残しています。以前、ニューヨークで開催されたこちらの特別展では、驚くほどたくさんの作品が集合していました。

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黒人の警察が描かれた、MoMA 所蔵の Kerry James Marshall の作品。Kerry James Marshall さんの新作は、ニューヨークのギャラリーで開催されていたグループ展 でも展示されていました。

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Okwui Okpokwasili さんのパフォーミングアートの映像。

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スニーカーとスピーカーが絡まり合い、壊れかけた感じの不思議な作品。

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幻想的な雰囲気の Ellen Gallagher さんの Dew Breaker。

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Theaster Gates さんのパフォーミングアート映像、”Gone Are the Days of Shelter and Martyr”。ひたすら教会を破壊していきます。

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2階は、キング牧師が暗殺されるなど多くの犠牲者を出すと共に公民権運動が大きく前進した1960年代前後をテーマに、喪に服したような雰囲気になっています。中央には、Nari Ward さんのとても存在感のある、孔雀の羽が散りばめられた巨大な車のインストレーションアートが飾られています。

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当時の歴史や雰囲気を伝える写真の展示が中心になっています。

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ギャラリーの構成が変わり、フロアをくるりと一周できるようになっています。

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ギャラリーではありませんが、最上階の7階を訪れることもできるようになっています。

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夜は開いていませんが、ガラス越しにダウンタウンの高層ビル群の絶景が見えます。

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昼間は、7階は展望フロアになっていて、外に出てみることができます。

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1階奥のギャラリーでは、映像作品が上映中。

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普段は、1階のギャラリーは一つだけだったのですが、広い新ギャラリーが登場していて、アフリカ系アメリカ人の歴史における重要なシーンが集められた作品が上映されています。

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地下にもトイレがある他、映像作品もあります。ニューミュージアムへ遊びに来る人たちはおしゃれな人も多いのですが、スニーカーは、すっかり定番おしゃれアイテムになっていて、クールなスニーカーを履いている人を多く見かけました。アフリカ系アメリカ人のカルチャーの象徴の一つと言えるスニーカーは、映像作品をはじめアート作品にも所々で登場していました。

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“Grief and Grievance” は、6月6日までの開催となっています。

ニューミュージアムの特別展

ニューミュージアムでは毎回、様々な個性的なコンテンポラリーアートの特別展が開催されています。おすすめを紹介します。

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ニューミュージアムに有名黒人現代アーティストたちの力作が大集合!Grief and Grievance was last modified: 3月 18th, 2021 by mikissh