ニューヨークのグッゲンハイム美術館 (Guggenheim Museum) は、フランク・ロイド・ライト (Frank Lloyd Wright) により設計された、とてもユニークな形をした人気のある美術館です。この美術館の最大の見どころは、実はこの建物自体だとも言われるくらい印象的な建築デザインの美術館です。
美術館に入館したら、まずは、エレベーターで一気に最上階まで上がり、上の階から鑑賞を始めます。実はこの美術館の建物は、上から緩やかなスロープになっているので、そのらせんのスロープを下りながら順番に絵を鑑賞していくことができるようになっています。1959年にオープンしたこの美術館の建物のつくりは、他にはないとてもユニークなデザインです。中央の吹き抜けには、天井から光がさし、全体を明るく照らし、とても開放感があります。最上階から、らせんに合わせて、流れるようにアートを見ていく、そんな贅沢な空間をつくりだしたフランク・ロイド・ライトのセンスには感心してしまいます。
フランク・ロイド・ライトといったら、帝国ホテルの建築にも関わっていたことで知られていますが、有名な建築のひとつとして、ピッツバーグ近郊にある「落水荘」があります。
グッゲンハイム美術館の最上階から下りてくる、らせんのところは、常に期間限定の特別展の作品が展示されています。今の期間は、イタリア人のAlbert Burri の作品展でした。第二次世界大戦のトラウマ的体験をアートにするのを特徴としているアーティストで、トラウマ・アートの作品が並びます。
このらせんのところで行われる展示は、抽象的な現代アートの展示が多いです。いつ訪れても一貫した、グッゲンハイムらしい独特のセレクションで、なかなか理解の難しいアートが展示されているケースが多いです。
Alberto Burri のトラウマティックアートの一例はこんな感じです。
らせんを下の方に降りてくる途中、カンディンスキー・ギャラリー (Kandinsky Gallery) と、THANNHAUSER COLLECTION のお部屋があります。これらの展示は、規模は小さいながらも、作品の質はぴかいちで、とても見ごたえがあります。さすがグッゲンハイムの品揃えです。THANNHAUSER COLLECTION の方のお部屋には、様々な有名な印象派画家たちの作品が集められています。例えば、セザンヌや、ゴーギャン、ピカソ、モネ、ピサロ、ルノアール、ゴッホなど、あっと言わせる作品群です。こちらから覗いて見ることができます。
有名な印象派の作品がこれでもかと並んでいて、つい、先日行われた、500億円もの売り上げを上げた Christie’s New York の印象派のオークションイベントを思い出してしまいます。この部屋だけで、その何倍もの値段になるのではないかと思われます。
グッゲンハイム美術館は、色々なオリジナル商品を販売しているので、ギフトショップも覗いて見ると楽しいです。グッゲンハイムのらせんをイメージしたグラスや器。美術館の建物のデザインを生かした商品が多いです。
色々な角度から撮影した美しい美術館の建物の写真。
モダン柄のコースターや、グッゲンハイムの特徴のらせんを描いたティーポットとマグカップ。
ニューヨークならではの本を集めたコーナーもあります。
アクセサリーや、お部屋のインテリアグッズもいろいろ。
グッゲンハイム美術館の建物のレゴなど。
一階の他にも、ミュージアム内のらせん部分の途中にも小さなおみやげ屋さんがあります。
一番の見所は、その建物自体であるというグッゲンハイム美術館のスタッフによる紹介ビデオです。
メトロポリタン美術館や、MOMAなどに比べると、美術館の規模は小さいです。
特別展のアートは理解するのがなかなか難しいですが、フランク・ロイド・ライトの建築や、印象派のコレクション、カンディンスキー好きにおすすめの美術館です。
Solomon R. Guggenheim Museum
1071 5th Ave, New York, NY 10128 MAP